15 / 27
第1章
⑭【※】
しおりを挟む
(……こんなのっ!)
そう思うからこそ、俺は亜玲のその指を思いきり噛んだ。
こうすれば、亜玲が怒ってやめてくれるのではないか。そんな小さな期待が半分。もう半分は――乱暴に犯されるのではないかという、期待。
まるで相反する気持ちを抱きかかえながら、俺は亜玲の指に歯を立てる。亜玲は、笑っていた。
「甘噛みしちゃって、可愛いね。……ほら、もうちょっと頑張って」
亜玲がそう言って、さらに腰を押し進めた。
なんとも言えない痛みが身体を襲って、亜玲の指を噛む歯に力が入る。
……亜玲は、指を噛んだことに関して、なにも言わなかった。
「っはぁ、祈のナカ、すっごく熱いね……」
うっとりとしたような声で、亜玲がそう呟いた。
さらにぐっと腰を押し進められる。亜玲の腰が、俺の尻に当たったのがわかった。
「全部、挿ったね……」
そう呟いた亜玲の言葉に、俺の意識が一気に結合部に集中する。
俺のナカを満たしているのは、熱くて太い――亜玲の屹立。
……こんな風にされるなんて、想像もしていなかった。
「本当、祈のナカ、吸い付いてくる。……気持ちいい?」
「そ、んなわけっ!」
そんなわけない!
そう言おうとしたのに、言葉にならなかった。律動が始まったからだ。
肉棒が俺のナカから出て行こうとする。それに一抹の寂しさを覚えていれば、今度は一気に奥まで貫かれた。
「ぁあっ! あぅ……!」
間抜けな声が、口から零れる。
亜玲の肉棒が、俺の奥を突いてくる。
痛み、苦しみ。いろいろなものが身体を支配するのに、頭を支配しているのは確かな喜びだけ。
オメガの本能が、喜んでいるのだ。孕まされることを望む、質の悪い本能。それが、俺の中で歓喜して暴れ回っている。
「祈……ぁ、気持ちいい……」
亜玲の抽挿が激しくなる。その動きが激しくなると、ぐちゅぐちゅという淫らな水音も大きくなった。
多分、さっき亜玲が指に垂らしていた潤滑油かなにかだろう。その所為なのか、俺の粘膜がひくひくとしている。
亜玲のモノを、嬉しそうに締め付けているのがよくわかった。
「いぁ、やだぁ……」
ぶんぶんと首を横に振った。
なのに、亜玲は止まらない。容赦ない突き上げに、俺の頭がくらくらとする。
――おかしくなる……!
頭の中で鳴り響く警告。しかし、それと同時に「おかしくなりたい」という願望も生まれて。
(も、どうしたいのか、わかんないっ……!)
シーツに顔をうずめて、俺は微かに感じる快感に耐えるしかなかった。
きっと、今の俺の顔は涙と唾液と鼻水でぐちゃぐちゃになっているだろう。……見るに堪えない姿だと、思う。
「祈……」
後ろから俺の名前を呼ぶ亜玲の声は、うっとりとしていた。
……あぁ、コイツって情事のときはこういう風に相手を呼ぶんだ……。
とか、一生使えそうにない知識を手に入れた。……もう、忘れたい。
「うぁ、あ、あ、れい……」
ぱんぱんと肉同士がぶつかる音がする。水音もどんどん大きくなっているような気がして、身体中に快感が蓄積していく。
(……もっと)
無意識のうちに、心がそう叫ぶ。
ハッとしてその本能をねじ伏せようとすると、俺の身体のナカでなにかがはじけ飛んだ。
最奥に熱い飛沫を放たれたかと思えば、亜玲は陰茎の先っぽで俺の奥をぐりぐりと刺激する。……いや、違う。
(ぁ、お、く、あつい……)
これは孕ませようとしているんだ。
……それは、アルファがオメガを孕ませようとしている本能的なものなのか。
はたまた、亜玲自身が俺を孕ませようとしているのか。生憎、俺にはそれを知る術がない。
「ははっ、祈、もしかして……」
ふと、亜玲の手が俺の陰茎に伸びる。俺の陰茎は、痛いほどに勃っていた。
「ナカをいっぱいつかれて、興奮しちゃったの?」
「ちがっ!」
亜玲がゆるゆると俺の陰茎の竿をしごきながら、そう問いかけてくる。
一度出した所為で、白濁と先走りでドロドロになっている俺自身のモノ。それを、亜玲のきれいな手が撫でている。
「触ったら、もっと硬くなってきたね。……可愛い」
その指が、先端の鈴口に触れる。瞬間、俺の身体がびくんと跳ねた。
「いいよ、このまま出しても。……もう一回出しておかないと、辛くなるだろうし」
「……ぁ?」
亜玲の言葉の意味が、よくわからない。ぼうっとする意識で亜玲を見つめれば、亜玲は笑っていた。
「ほら、まだ夜は始まったばっかりだし? ……罠にかかった獲物を逃がすほど、俺もお人好しじゃないんだよ」
そう思うからこそ、俺は亜玲のその指を思いきり噛んだ。
こうすれば、亜玲が怒ってやめてくれるのではないか。そんな小さな期待が半分。もう半分は――乱暴に犯されるのではないかという、期待。
まるで相反する気持ちを抱きかかえながら、俺は亜玲の指に歯を立てる。亜玲は、笑っていた。
「甘噛みしちゃって、可愛いね。……ほら、もうちょっと頑張って」
亜玲がそう言って、さらに腰を押し進めた。
なんとも言えない痛みが身体を襲って、亜玲の指を噛む歯に力が入る。
……亜玲は、指を噛んだことに関して、なにも言わなかった。
「っはぁ、祈のナカ、すっごく熱いね……」
うっとりとしたような声で、亜玲がそう呟いた。
さらにぐっと腰を押し進められる。亜玲の腰が、俺の尻に当たったのがわかった。
「全部、挿ったね……」
そう呟いた亜玲の言葉に、俺の意識が一気に結合部に集中する。
俺のナカを満たしているのは、熱くて太い――亜玲の屹立。
……こんな風にされるなんて、想像もしていなかった。
「本当、祈のナカ、吸い付いてくる。……気持ちいい?」
「そ、んなわけっ!」
そんなわけない!
そう言おうとしたのに、言葉にならなかった。律動が始まったからだ。
肉棒が俺のナカから出て行こうとする。それに一抹の寂しさを覚えていれば、今度は一気に奥まで貫かれた。
「ぁあっ! あぅ……!」
間抜けな声が、口から零れる。
亜玲の肉棒が、俺の奥を突いてくる。
痛み、苦しみ。いろいろなものが身体を支配するのに、頭を支配しているのは確かな喜びだけ。
オメガの本能が、喜んでいるのだ。孕まされることを望む、質の悪い本能。それが、俺の中で歓喜して暴れ回っている。
「祈……ぁ、気持ちいい……」
亜玲の抽挿が激しくなる。その動きが激しくなると、ぐちゅぐちゅという淫らな水音も大きくなった。
多分、さっき亜玲が指に垂らしていた潤滑油かなにかだろう。その所為なのか、俺の粘膜がひくひくとしている。
亜玲のモノを、嬉しそうに締め付けているのがよくわかった。
「いぁ、やだぁ……」
ぶんぶんと首を横に振った。
なのに、亜玲は止まらない。容赦ない突き上げに、俺の頭がくらくらとする。
――おかしくなる……!
頭の中で鳴り響く警告。しかし、それと同時に「おかしくなりたい」という願望も生まれて。
(も、どうしたいのか、わかんないっ……!)
シーツに顔をうずめて、俺は微かに感じる快感に耐えるしかなかった。
きっと、今の俺の顔は涙と唾液と鼻水でぐちゃぐちゃになっているだろう。……見るに堪えない姿だと、思う。
「祈……」
後ろから俺の名前を呼ぶ亜玲の声は、うっとりとしていた。
……あぁ、コイツって情事のときはこういう風に相手を呼ぶんだ……。
とか、一生使えそうにない知識を手に入れた。……もう、忘れたい。
「うぁ、あ、あ、れい……」
ぱんぱんと肉同士がぶつかる音がする。水音もどんどん大きくなっているような気がして、身体中に快感が蓄積していく。
(……もっと)
無意識のうちに、心がそう叫ぶ。
ハッとしてその本能をねじ伏せようとすると、俺の身体のナカでなにかがはじけ飛んだ。
最奥に熱い飛沫を放たれたかと思えば、亜玲は陰茎の先っぽで俺の奥をぐりぐりと刺激する。……いや、違う。
(ぁ、お、く、あつい……)
これは孕ませようとしているんだ。
……それは、アルファがオメガを孕ませようとしている本能的なものなのか。
はたまた、亜玲自身が俺を孕ませようとしているのか。生憎、俺にはそれを知る術がない。
「ははっ、祈、もしかして……」
ふと、亜玲の手が俺の陰茎に伸びる。俺の陰茎は、痛いほどに勃っていた。
「ナカをいっぱいつかれて、興奮しちゃったの?」
「ちがっ!」
亜玲がゆるゆると俺の陰茎の竿をしごきながら、そう問いかけてくる。
一度出した所為で、白濁と先走りでドロドロになっている俺自身のモノ。それを、亜玲のきれいな手が撫でている。
「触ったら、もっと硬くなってきたね。……可愛い」
その指が、先端の鈴口に触れる。瞬間、俺の身体がびくんと跳ねた。
「いいよ、このまま出しても。……もう一回出しておかないと、辛くなるだろうし」
「……ぁ?」
亜玲の言葉の意味が、よくわからない。ぼうっとする意識で亜玲を見つめれば、亜玲は笑っていた。
「ほら、まだ夜は始まったばっかりだし? ……罠にかかった獲物を逃がすほど、俺もお人好しじゃないんだよ」
85
お気に入りに追加
257
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き
toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった!
※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。
pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/100148872
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
推し変なんて絶対しない!
toki
BL
ごくごく平凡な男子高校生、相沢時雨には“推し”がいる。
それは、超人気男性アイドルユニット『CiEL(シエル)』の「太陽くん」である。
太陽くん単推しガチ恋勢の時雨に、しつこく「俺を推せ!」と言ってつきまとい続けるのは、幼馴染で太陽くんの相方でもある美月(みづき)だった。
➤➤➤
読み切り短編、アイドルものです! 地味に高校生BLを初めて書きました。
推しへの愛情と恋愛感情の境界線がまだちょっとあやふやな発展途上の17歳。そんな感じのお話。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!(https://www.pixiv.net/artworks/97035517)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話
ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。
βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。
そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。
イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。
3部構成のうち、1部まで公開予定です。
イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。
最新はTwitterに掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる