8 / 15
本編
モテる幼馴染の秘密 8【※】
しおりを挟む
「……マルクス」
ようやく唇が離れて、若干歪んだ視界でマルクスの顔を見つめる。
歪んでいるのは、快感の所為で零れた涙の所為だった。
「ロドルフ。無理、我慢できそうにない」
マルクスが熱を帯びた声でそう囁いて、俺の身体に手を這わせる。
初めは薄手のシャツの上から、上半身を撫でられる。それがどんどん下に降りて、腰元に触れた。
「……反応した?」
ぴくんと身体を跳ねさせた俺を見て、マルクスが意地悪く唇の端を吊り上げて、そう問いかけてくる。
――反応なんて、してない!
と、言うには説得力が全くない。
だって、俺の陰茎は緩く勃ち上がってる。スラックスと下穿きを押し上げているのが、俺自身にもよくわかってしまった。
(キスして、身体を撫でられただけで……)
それを実感すると本当にいたたまれなくて、そっとマルクスから視線を逸らした。
瞬間、絡めた指を解かれて、一抹の寂しさが胸中に渦巻く。だから、俺は自ら腕をマルクスの背中に回した。
「……な、なぁ、もっと、触って……」
視界が涙でぐちゃぐちゃになっている。なのに、俺は強請ることを止められない。
俺の声は震えていて、理性なんてとっくに投げ捨てた声を、していた。
自分でも驚くほどに艶めかしい、色香を帯びた声。心臓がバクバクと大きな音を立てて、マルクスを求めている。
「お、おれ、マルクスだったら、大丈夫……だと、思う」
嘘だ。
本当はマルクスじゃないとダメだ。この男じゃないと……俺は、こんな風にはならない。
身体は反応しないし、触れてほしいなんて思いもしない。それだけは、容易に想像が出来る。
「ロドルフ……」
「我慢、しなくてもいいから」
もう片方の手を、マルクスの下肢に伸ばして、そこに触れる。
硬くて熱いソコに、布越しに指を這わせた。
「もう、こんなになってるし……」
さらに大きくなったソレが、なんだか愛おしく感じてしまった。それは、惚れた弱みなのか。
「めちゃくちゃにしていいよ。……マルクスの、好きにして」
「っつ!」
俺の言葉を聞いたマルクスが、俺の唇に噛みつくようなキスをしてくる。
じゅっと舌先を吸われて、身体中に甘いしびれが広がっていく。何度も何度も口づけて、酸欠からなのか頭がくらくらとした。
その間にも、マルクスの手は俺の身体を撫でまわしている。その手が腰から下肢に伸びて、身体が緊張からなのかまたびくんと震えた。
……違う。これは緊張じゃない。期待だ。
「ロドルフ」
「い、いい、続けて……」
マルクスは変なところで臆病だから、俺が嫌がっていると思ったら、すぐに行為をやめてしまおうとするだろう。
頭の何処かでは、この関係が虚しいものだって、理解していた。が、もういい。
(この際、こいつの童貞を貰って、思い出にして生きて行けばいい……)
俺とマルクスが結婚できるわけがない。だったら、こいつの童貞を貰って、思い出にして、別の奴と結婚する。
一度抱かれておけば、俺の拗らせた恋慕も、落ち着くだろうと信じて。
そんなことを考えていれば、マルクスの手が俺のスラックスの上から、陰茎に触れる。緩く勃ち上がっていたソコを撫でられて、さらに下肢に熱が溜まっていく。
「ロドルフ。俺、お前のことが、す――」
言葉の続きが容易に読めたので、俺は顔を上げて、言葉を遮るようにキスをする。
一方的にキスをして、舌でマルクスの口腔内を蹂躙する。
「……それ以上は、言うな」
唇を離してそう言えば、マルクスの眉間にしわが寄った。
けど、さすがに欲望には勝てなかったらしい。こくんと首を縦に振って、その指が俺のシャツのボタンにかけられる。
(マルクスは、人のシャツを脱がせるのは、ハジメテなのかな……)
もしもそうだったとしたら、これまた嬉しい……かも、しれない。
そういう意味での『ハジメテ』も、俺がもらえていたら。……これ以上の幸福は、ない。
「直接、触ってもいいか?」
一々問いかけなくてもいいのに、マルクスは静かな声で問いかけてくる。
そういうところも、なんだかとっても愛おしい。
だから、俺は頷く。
ようやく唇が離れて、若干歪んだ視界でマルクスの顔を見つめる。
歪んでいるのは、快感の所為で零れた涙の所為だった。
「ロドルフ。無理、我慢できそうにない」
マルクスが熱を帯びた声でそう囁いて、俺の身体に手を這わせる。
初めは薄手のシャツの上から、上半身を撫でられる。それがどんどん下に降りて、腰元に触れた。
「……反応した?」
ぴくんと身体を跳ねさせた俺を見て、マルクスが意地悪く唇の端を吊り上げて、そう問いかけてくる。
――反応なんて、してない!
と、言うには説得力が全くない。
だって、俺の陰茎は緩く勃ち上がってる。スラックスと下穿きを押し上げているのが、俺自身にもよくわかってしまった。
(キスして、身体を撫でられただけで……)
それを実感すると本当にいたたまれなくて、そっとマルクスから視線を逸らした。
瞬間、絡めた指を解かれて、一抹の寂しさが胸中に渦巻く。だから、俺は自ら腕をマルクスの背中に回した。
「……な、なぁ、もっと、触って……」
視界が涙でぐちゃぐちゃになっている。なのに、俺は強請ることを止められない。
俺の声は震えていて、理性なんてとっくに投げ捨てた声を、していた。
自分でも驚くほどに艶めかしい、色香を帯びた声。心臓がバクバクと大きな音を立てて、マルクスを求めている。
「お、おれ、マルクスだったら、大丈夫……だと、思う」
嘘だ。
本当はマルクスじゃないとダメだ。この男じゃないと……俺は、こんな風にはならない。
身体は反応しないし、触れてほしいなんて思いもしない。それだけは、容易に想像が出来る。
「ロドルフ……」
「我慢、しなくてもいいから」
もう片方の手を、マルクスの下肢に伸ばして、そこに触れる。
硬くて熱いソコに、布越しに指を這わせた。
「もう、こんなになってるし……」
さらに大きくなったソレが、なんだか愛おしく感じてしまった。それは、惚れた弱みなのか。
「めちゃくちゃにしていいよ。……マルクスの、好きにして」
「っつ!」
俺の言葉を聞いたマルクスが、俺の唇に噛みつくようなキスをしてくる。
じゅっと舌先を吸われて、身体中に甘いしびれが広がっていく。何度も何度も口づけて、酸欠からなのか頭がくらくらとした。
その間にも、マルクスの手は俺の身体を撫でまわしている。その手が腰から下肢に伸びて、身体が緊張からなのかまたびくんと震えた。
……違う。これは緊張じゃない。期待だ。
「ロドルフ」
「い、いい、続けて……」
マルクスは変なところで臆病だから、俺が嫌がっていると思ったら、すぐに行為をやめてしまおうとするだろう。
頭の何処かでは、この関係が虚しいものだって、理解していた。が、もういい。
(この際、こいつの童貞を貰って、思い出にして生きて行けばいい……)
俺とマルクスが結婚できるわけがない。だったら、こいつの童貞を貰って、思い出にして、別の奴と結婚する。
一度抱かれておけば、俺の拗らせた恋慕も、落ち着くだろうと信じて。
そんなことを考えていれば、マルクスの手が俺のスラックスの上から、陰茎に触れる。緩く勃ち上がっていたソコを撫でられて、さらに下肢に熱が溜まっていく。
「ロドルフ。俺、お前のことが、す――」
言葉の続きが容易に読めたので、俺は顔を上げて、言葉を遮るようにキスをする。
一方的にキスをして、舌でマルクスの口腔内を蹂躙する。
「……それ以上は、言うな」
唇を離してそう言えば、マルクスの眉間にしわが寄った。
けど、さすがに欲望には勝てなかったらしい。こくんと首を縦に振って、その指が俺のシャツのボタンにかけられる。
(マルクスは、人のシャツを脱がせるのは、ハジメテなのかな……)
もしもそうだったとしたら、これまた嬉しい……かも、しれない。
そういう意味での『ハジメテ』も、俺がもらえていたら。……これ以上の幸福は、ない。
「直接、触ってもいいか?」
一々問いかけなくてもいいのに、マルクスは静かな声で問いかけてくる。
そういうところも、なんだかとっても愛おしい。
だから、俺は頷く。
175
お気に入りに追加
485
あなたにおすすめの小説

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?
桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。
前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。
ほんの少しの間お付き合い下さい。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる