【完結】【R18】囚われの令嬢は秘匿の王弟殿下に愛でられる

すめらぎかなめ(夏琳トウ)

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第3章

ひどくして 3【※】

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「イッたな」

 シャノンの痴態を見下ろし、ニールがボソッとそう言葉を零す。

 そして、シャノンの蜜壺に埋まった指を容赦なく引き抜いた。その際に、どろりとした蜜が共に零れ落ち、シーツに垂れる。

「っはぁ、はぁ……」

 ニールの顔を見つめて、シャノンが呼吸を整える。

 彼の目には確かな情欲が宿っている。その感覚にゾクゾクとしたものを覚えつつ、シャノンは彼から視線を逸らす。

(……ナカに、欲しい)

 彼と繋がりたい。

 頭の何処かがそう呟いて、シャノンが唇をわなわなと震わせる。

 しかし、寸前のところで言葉を呑み込む。

 そうしていれば、ニールが衣服を脱ぎ始めたのがわかった。だからこそ、シャノンはぎゅっと目を瞑る。彼がどんな顔をしているのか。どんな身体つきをしているのか。真剣に見つめてしまえば、もう戻れなくなってしまいそうだったから。

 しばらくして、シャノンの蜜口に熱いものが押し付けられた。ソレは、シャノンの蜜壺に埋まっていく。

「……ぁ、あんっ」

 ニールのものが、どんどんシャノンの身体を割り開いていく。

 ハジメテのときのような痛みは、ない。それよりも無意識のうちに心を支配する――確かな幸福感。

「っつ、ナカ、食いついてくるな……」

 ニールがそう言葉を零して、シャノンのナカにぐっと熱杭を押し進める。かと思えば、一気に貫かれた。

「ぁあっ!」

 目の奥がちかちかとして、頭の中が真っ白になる。

 奥まで挿れられただけで、シャノンは達してしまった。ぎゅうぎゅうと蜜壺が締まり、ニールに達したことを伝えてしまう。

「……お前、挿れただけで達したな?」
「っつ」

 羞恥心を煽るような言葉を告げられ、シャノンの顔にカーっと熱が溜まる。……これでいいのに。こういう風に辱めてくれた方が、嫌いになれるのに。

 なのに、どんなに恥ずかしい言葉を投げつけられたとしても……シャノンの心を支配するのは、幸福感だけなのだ。

「っはぁ、痛くないな?」

 ニールがシャノンを労わるような言葉を口にする。だから、そんな言葉必要ないと言うのに。

 どうして、彼はシャノンの言うとおりにしてくれないのだろうか?

「……いたく、ない」

 けれど、彼の言葉を無視することはできず、シャノンははっきりとそう答える。すると、ニールが腰を引いた。

 熱杭が抜けるぎりぎりまで引き抜き、かと思えば一気にシャノンの最奥を穿つ。

「ぁあっ! あんっ!」

 シャノンの背中が弓なりにのけ反り、快楽に溺れていく。……二回目なのに。どうして、自分はこんなにも感じてしまっているのだろうか。

 そんな疑問がシャノンの頭の中に芽生えるものの、すぐにそんな考えは吹き飛んだ。

 ニールだから。シャノンを抱いてくれているのが、ニールだから……こんなにも、感じてしまうのだ。

「っはぁ、だ、だめ、も、だめぇ……!」

 襲い来る絶頂の予感を感じ取り、シャノンはぶんぶんと首を横に振る。

 しかし、ニールは止めてくれない。シャノンの最も感じる膣壁を容赦なくさすり、シャノンを絶頂へと押し上げようとしてくる。

「や、やめ、やめぇ……!」

 ニールに手を伸ばして、その肩に爪を食い込ませる。このままだと、どうしようもないほどの痴態を彼に晒してしまう――。

(嫌いになりたいのに、嫌いにはなってほしくないっ……!)

 シャノンはニールのことを嫌いになりたい。でも、ニールには自分のことを嫌ってほしくなかった。

 乙女心とは、なんと自分勝手なものなのだろうか。

 心の中でそう思いつつ、シャノンはぐっと唇を噛む。

「……唇、噛むな。傷つくだろ」

 ニールがそう言って、シャノンの口に自身の指を押し付ける。その指をくわえ、思いきり噛んでみた。

 彼は、笑っていた。

「可愛いなっ……!」

 そう呟いて、また最奥を突かれる。その瞬間、シャノンはひときわ強く絶頂した。

 ニールの熱杭をぎゅうぎゅうと締め付け、精が欲しいと強請りだす。

「もうちょっと、付き合えっ!」

 そう言った彼が、シャノンの最奥をもう一度穿つ。

 その後、シャノンの蜜壺のナカに精を注いでいく。

「っはぁ、はぁ……」

 彼の息が荒い。そっと目を開ければ、彼の紅潮した頬が視界に入った。……何とも色っぽくて、素敵だと思ってしまった。

「……ニール、さま」

 そっと彼の名前を呼ぶと、彼がシャノンの唇に触れるだけの口づけを施した。その感覚は今までで一番甘ったるくて……一番、切なくて。

(もう、お別れなのね……)

 この人と、もう会えない。

 心がそう叫んだからなのか、口づけはしょっぱい味がした。それはきっと――シャノンの泣きたいという気持ちを表した味だったのだろう。

「好き、でした」

 涙で歪む視界の中、シャノンはしっかりとニールにそう告げた。過去形だったのは、せめてもの抵抗だった。

 ――もう、この恋は終わらせよう。

 これが、シャノンの二度目の失恋だった。
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