上 下
48 / 52
第三章

我慢できなかったら、ごめんね?(1)【※】

しおりを挟む
「奥様!」

 屋敷に入ると一番に出迎えてくれたのは、ジビレだった。彼女はクローヴィスに横抱きにされているマーガレットを見つめ、ほっと息を吐く。それは、普段無表情無口なジビレとしては珍しい表情に見える。……どうやら、彼女は相当マーガレットのことを心配してくれていたらしい。

「ご無事で、安心しました……!」

 それに、その言葉だ。あまり話すことを好まないジビレのその言葉にマーガレットの胸の奥が温かくなる。

 けれど、まだ無事とは言えないのだ。そう思いマーガレットがクローヴィスに視線を向ければ、彼は「ジビレ。悪いけれど早急に湯あみの準備をして」と指示を出していた。

「は、はいっ!」

 マーガレットの専属とはいえ、ジビレの主はクローヴィスである。彼の命令に背くことは出来ない。

 だからだろうか。ジビレは急ぎ足で廊下を駆けていく。

 そんな彼女の様子を見送ると、クローヴィスはマーガレットの身体を横抱きにしたまま夫婦の寝室へと入っていく。その後、近くにいた侍女に人払いをするようにと命令を出す。

「……旦那様」

 そっと彼のことを呼べば、彼はマーガレットの身体を寝台に優しく寝かせ――その身体の上に覆いかぶさってくる。

「……マーガレット」

 そして、不意に口づけられた。その口づけは徐々に激しくなり、どちらともなく舌を絡め合う。口元からくちゅくちゅという音が聞こえだし、マーガレットの下腹部が疼き始める。

「ごめんね、やっぱり我慢できそうにない――」

 そう言ったクローヴィスは、マーガレットの足首にはまった枷に手を当て、力づくで外してしまう。そうすれば、枷だったものからむくむくと煙が上がっていった。

 慌てて口を手で押さえるものの、多少は吸い込んでしまったのか息が苦しくなってしまう。

(……な、にこれ)

 身体の奥がじんとしびれだし、まだ触っていないのに蜜口から蜜が零れているのがよく分かる。

 それにマーガレットが戸惑っていれば、クローヴィスは「……結構強力なものだね」と何処となく冷静に分析していた。

 しかし、マーガレットはそんな彼の目が欲情していくのにしっかりと気が付いていた。彼の目が仄かに熱を持ち、マーガレットを見下ろす。その目の奥にこもった情欲に下腹部が疼いて、どうしようもないほど息が荒くなる。

「……マーガレット」

 その声で名前を呼ばれるだけでゾクゾクとしたものが背筋を這いまわる。

 そして、クローヴィスの手が早急にマーガレットのワンピースのボタンを外す。一つ、二つと外してマーガレットの身体からするりと引き抜く。そうすれば、マーガレットが身に着けるのは薄手のシュミーズとドロワーズだけ。

「……ははっ、もう硬くなってる」

 クローヴィスのその手がマーガレットのすっかり硬くなった胸の頂に触れる。

 それだけ。たったそれだけの刺激なのに、マーガレットの身体に激しい快楽が襲ってくる。思わず身をよじってクローヴィスの視線から逃れようとするものの、彼は「だーめ」と言ってマーガレットのシュミーズをまくり上げてしまった。

「……マーガレットも気持ちよくなってね」

 彼はそう言ってマーガレットのもう片方の胸の頂に舌を這わせる。ぬるりとした舌の感触にマーガレットの口からは「ひぃっ」というような声が漏れる。

 しかし、クローヴィスはお構いなしにマーガレットの胸の頂を咥えると、唇で甘く挟んで刺激をしてくる。もう片方の胸の頂は指でこねくり回され、マーガレットの身体がさらに熱くなっていく。

 それだけではない。蜜口からは絶え間なく蜜がこぼれだし、ドロワーズを濡らす。マーガレットのその目は潤み、欲情の色を灯し始める。

「ぁああっ、あんっ!」

 背をのけぞらせれば、クローヴィスに胸の頂を押し付ける形になってしまう。その結果、余計に快楽を感じてしまいマーガレット自身が苦しくなる。せめて脚を閉じようともがくが、クローヴィスの身体がマーガレットの脚の間に割り込むせいで、上手く閉じられない。

「ああ、可愛らしいね。……もっと、虐めてあげなくちゃ」

 そう言って彼の舌がマーガレットの胸の頂を入念に舐め上げてくる。もう片方の胸の頂は指で激しく刺激される。さらにはその大きな手がマーガレットの胸のふくらみを捕え、優しく揉みしだいてくる。……おかしくなりそうなほどに、強い快楽だった。

(ぁ、だめ、だめぇ……!)

 こんなに刺激されたら、おかしくなってしまう――……!

 そんなマーガレットの心配を読み取ったのか、クローヴィスは「おかしくなっていいよ」とマーガレットの目を見つめて言う。

「俺の前では、おかしくなっていいよ。……俺も、マーガレットの前ではおかしくなるから」

 彼はそう言って、自身の熱杭を布越しにマーガレットの太ももに押し付けてくる。すっかり硬くなったソレは、まるでマーガレットのナカに一刻も早く入りたいと主張しているかのようだった。

(……ぁ、旦那様も、興奮されてる……!)

 何故だろうか。そう思うとどうしようもなく嬉しくて、彼のことが愛おしい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】××××で魔力供給をする世界に聖女として転移して、イケメン魔法使いに甘やかされ抱かれる話

もなか
恋愛
目を覚ますと、金髪碧眼のイケメン──アースに抱かれていた。 詳しく話を聞くに、どうやら、私は魔法がある異世界に聖女として転移をしてきたようだ。 え? この世界、魔法を使うためには、魔力供給をしなきゃいけないんですか? え? 魔力供給って、××××しなきゃいけないんですか? え? 私、アースさん専用の聖女なんですか? 魔力供給(性行為)をしなきゃいけない聖女が、イケメン魔法使いに甘やかされ、快楽の日々に溺れる物語──。 ※n番煎じの魔力供給もの。18禁シーンばかりの変態度高めな物語です。 ※ムーンライトノベルズにも載せております。ムーンライトノベルズさんの方は、題名が少し変わっております。 ※ヒーローが変態です。ヒロインはちょろいです。 R18作品です。18歳未満の方(高校生も含む)の閲覧は、御遠慮ください。

【完結】【R18】跡継ぎが生まれたら即・離縁! なのに訳あり女嫌い伯爵さまが甘すぎます!

夏琳トウ(明石唯加)
恋愛
2024.08.29 一度引き下げていましたが、再公開させていただきました。 ―― 「どうか、俺と契約結婚して跡継ぎを産んでくれ」――女嫌いと有名な上司は、ある日そんな打診をしてきた。 ローゼはシャハナー王国の貧乏な子爵家レーヴェン家の長女であり、王立騎士団に女騎士として所属している。 五人の弟妹たちのために日々身を粉にして働くローゼは、気が付けば結婚適齢期を逃した23歳になっていた。 そんな中、三つ年下の妹エリーに婚約話が持ち上がる。しかし、子爵家に持参金を用意するような財力はない。 エリーは家に迷惑をかけたくないから……と婚約話を断ろうとする。でも、ローゼは彼女には自分のような嫁き遅れになってほしくないと思った。 「姉さんが持参金は何とか用意するから」 そうエリーに告げたものの、あてなどない。 どうしようか……と悩む中、騎士団長である上司イグナーツがローゼの事情を聞きつけてひとつの打診をしてきた。 それこそ――彼と契約結婚をして、跡継ぎを産むということだった。 「跡継ぎが生まれたら、すぐに離縁しても構わない」 そう言われ、ローゼは飛びついた。どうせ嫁き遅れの自分がまともな結婚を出来るとは思えない。ならば、エリーのためにここは一肌脱ごう。 そう決意してイグナーツの元に嫁いだのだが。 「ちょ、ちょっと待ってください!」「いやだ」 彼は何故か契約妻のローゼを甘く溺愛してきて……。 訳あり女嫌いの伯爵さま(28)×貧乏な子爵家の令嬢兼女騎士(23)の契約結婚から始まる、子作りラブ ▼hotランキング 最高2位ありがとうございます♡ ―― ◇掲載先→アルファポリス、ムーンライトノベルズ、エブリスタ

【R18】寡黙で大人しいと思っていた夫の本性は獣

おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
 侯爵令嬢セイラの家が借金でいよいよ没落しかけた時、支援してくれたのは学生時代に好きだった寡黙で理知的な青年エドガーだった。いまや国の経済界をゆるがすほどの大富豪になっていたエドガーの見返りは、セイラとの結婚。  だけど、周囲からは爵位目当てだと言われ、それを裏付けるかのように夜の営みも淡白なものだった。しかも、彼の秘書のサラからは、エドガーと身体の関係があると告げられる。  二度目の結婚記念日、ついに業を煮やしたセイラはエドガーに離縁したいと言い放ち――?   ※ムーンライト様で、日間総合1位、週間総合1位、月間短編1位をいただいた作品になります。

【R18】騎士団長は××な胸がお好き 〜胸が小さいからと失恋したら、おっぱいを××されることになりました!~

おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
「胸が小さいから」と浮気されてフラれた堅物眼鏡文官令嬢(騎士団長補佐・秘書)キティが、真面目で不真面目な騎士団長ブライアンから、胸と心を優しく解きほぐされて、そのまま美味しくいただかれてしまう話。 ※R18には※ ※ふわふわマシュマロおっぱい ※もみもみ ※ムーンライトノベルズの完結作

クソつよ性欲隠して結婚したら草食系旦那が巨根で絶倫だった

山吹花月
恋愛
『穢れを知らぬ清廉な乙女』と『王子系聖人君子』 色欲とは無縁と思われている夫婦は互いに欲望を隠していた。 ◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。

スパダリ猟犬騎士は貧乏令嬢にデレ甘です!【R18/完全版】

鶴田きち
恋愛
★初恋のスパダリ年上騎士様に貧乏令嬢が溺愛される、ロマンチック・歳の差ラブストーリー♡ ★貧乏令嬢のシャーロットは、幼い頃からオリヴァーという騎士に恋をしている。猟犬騎士と呼ばれる彼は公爵で、イケメンで、さらに次期騎士団長として名高い。 ある日シャーロットは、ひょんなことから彼に逆プロポーズしてしまう。オリヴァーはそれを受け入れ、二人は電撃婚約することになる。婚約者となった彼は、シャーロットに甘々で――?! ★R18シーンは第二章の後半からです。その描写がある回はアスタリスク(*)がつきます ★ムーンライトノベルズ様では第二章まで公開中。(旧タイトル『初恋の猟犬騎士様にずっと片想いしていた貧乏令嬢が、逆プロポーズして電撃婚約し、溺愛される話。』) ★エブリスタ様では【エブリスタ版】を公開しています。 ★「面白そう」と思われた女神様は、毎日更新していきますので、ぜひ毎日読んで下さい! その際は、画面下の【お気に入り☆】ボタンをポチッとしておくと便利です。 いつも読んで下さる貴女が大好きです♡応援ありがとうございます!

禁断の愛~初恋の人が義父になりました~

ほのじー
恋愛
国王の従姉である母が若くて格好いい外交官と再婚したのだが、母が亡くなってしまい、メアリーは義父と二人の生活となる。大好きなパパへの恋心に気付きながら十六歳を迎えるが、義父はメアリーをいつまでも子供扱いで!? ※一日一話、週末余裕があれば二話投稿予定 ※R18は☆を付けています

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

処理中です...