【完結】【R18】男色疑惑のある公爵様の契約妻となりましたが、気がついたら愛されているんですけれど!?

すめらぎかなめ(夏琳トウ)

文字の大きさ
上 下
19 / 52
第二章

まるで媚薬に流されたような(2)【※】

しおりを挟む
「……ぁ」

 クローヴィスの手がマーガレットのワンピースにかけられる。そのまま彼の手はマーガレットのワンピースのボタンを外していく。

 が、その手は媚薬からなのか何処となく震えており、それゆえに外すことに時間がかかってしまう。それが忌々しかったのか、クローヴィスは「弁償するから……」と言って一気にワンピースの前の部分を引きちぎる。

「ひぇっ!」

 ボタンがころころと音を立てて転がっていく。それを目で追っていれば、クローヴィスのその手がマーガレットの頬に添えられる。

「んんっ、んぅ……!」

 また、口づけられた。その舌が口内を蹂躙するたびに、自分が自分じゃないかのような感覚がする。身体の奥底が沸き立つような感覚に襲われて、マーガレットはそっと身を震わせていた。

 そんなことを思っていれば、クローヴィスのその手がマーガレットの胸当てを優しくずり下げる。そのまま露わになった乳房を鷲掴みにし、厭らしく触れてくる。

(……こ、こんなのっ!)

 お世辞にも気持ちいいとは思えない。しかし、その触れ方の所為で身体の奥が沸騰したように熱い。

「……ごめんね。優しくしたいんだけれど、そんな余裕ないから」

 クローヴィスの顔がマーガレットの首筋に埋められる。かと思えば、彼はそこに優しくかみついてきた。

「――ぁ」

 噛みつかれたかと思えば、そこを優しく舌でなぞられる。その所為なのか、身体がさらに熱を持つ。まるで全身の血が沸騰したかのような感覚に襲われ、マーガレットはぎゅっと目を瞑る。

 そうしていれば、クローヴィスの手がマーガレットの胸の頂を優しくつまんだ。かと思えば、そこを指で優しく挟み込まれぐりぐりと指の腹で刺激されてしまう。

「――ひぃっ!」

 その感覚に逃げようとするものの、クローヴィスは逃がしてくれない。もう片方の手でマーガレットの細い腰を抱き寄せ、逃げ差ないとばかりに捕まえてくる。

「ぁ、あっ」
「気持ちいい?」

 優しく胸の頂を刺激され、そう問いかけられる。だからこそ、マーガレットは「た、ぶん」と答えることしか出来なかった。

 血が沸騰したように沸き立つのも、身体の奥底からゾクゾクとした何かが這い上がってくるのも。きっと、気持ちいいということなのだ。

「そう」

 マーガレットの問いかけを聞いて、クローヴィスは今度はマーガレットの胸の頂を少し強めに掴む。その瞬間、マーガレットの腰がびくんと跳ねた。……先ほどよりも強い刺激に、身体が反応してしまったのだ。

「強くされるのと優しくされるの、どっちが好き?」

 優しい声音だった。けれど、言っていることは意地悪なことこの上ない。そんなことを思いながらマーガレットは「わ、かんなぃ!」と言いながら首を横にゆるゆると振る。むしろ、それしかできなかった。

「……そっか。反応からするに、強くされる方が好きそう、かな」

 クローヴィスは一人そう呟くと、自身の顔を移動させマーガレットのもう片方の胸の頂に顔を近づけていく。

 ――まさか。

 そう思い危機感を抱くマーガレットの予想は当たったらしく、クローヴィスはその舌でマーガレットの胸の頂を舐めた。厭らしく、唾液をたっぷりと含ませた舌で舐められてしまえば、マーガレットの背がのけ反る。

「……こういうのが、好き、なのか」

 ボソッとそう言葉を零し、クローヴィスは今度は唇で優しく胸の頂を刺激する。そのたびにマーガレットの腰がびくん、びくんと跳ねるのが面白いのだろうか。彼は入念にマーガレットの胸の頂を愛撫していく。

「――ぁ、だ、だめ、も、だ、め……!」

 もう片方の胸の頂は相変わらず指で入念に弄られている。もうすっかり硬くなったそこは微かな愉悦とじくじくとした痛みを与えてくる。なのに、その痛みさえ心地よくて。マーガレットの口からは艶っぽい吐息が零れた。

「……マーガレット、可愛らしい」

 けれど、クローヴィスがボソッとつぶやいたその言葉にマーガレットの意識が集中する。彼はマーガレットのことを「可愛らしい」とは言わない。もちろん、契約妻なのだから「愛している」とかそういう言葉は期待していない。でも……少しくらいほめてくれても、と思わないことはなかったのだ。

「あぁ、今腰がびくんて跳ねた。可愛らしいって、言われたから?」

 クローヴィスが顔を上げてそう問うてくる。その目に宿った情欲が恐ろしく、マーガレットはそっと視線を逸らした。

 マーガレットの太ももに当たるクローヴィスの熱杭は先ほどよりも硬くなっているようであり、マーガレットの下腹部がきゅんとする。

「あぁ、でも、ごめんね。……俺ももう、余裕がないんだ」

 しかし、クローヴィスはそう呟くとマーガレットのワンピースを最後まで破り、秘所を隠す下着に手をかける。そのまま勢いよくずり下ろし、マーガレットのまだ誰にも見せたことがない秘所を外気に晒してしまう。

「――っつ!」

 覚悟が決まっていたかったこともあり、マーガレットは身体を強張らせてしまった。

「……あぁ、濡れてる。よかった」

 それに、クローヴィスが呟いたその言葉に顔がカーっと熱くなってしまう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

獣人公爵のエスコート

ざっく
恋愛
デビューの日、城に着いたが、会場に入れてもらえず、別室に通されたフィディア。エスコート役が来ると言うが、心当たりがない。 将軍閣下は、番を見つけて興奮していた。すぐに他の男からの視線が無い場所へ、移動してもらうべく、副官に命令した。 軽いすれ違いです。 書籍化していただくことになりました!それに伴い、11月10日に削除いたします。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...