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第二章
まるで媚薬に流されたような(1)
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対するクローヴィスはその黒色の目を真ん丸にする。
だからこそ、マーガレットはその強い意思のこもった目でクローヴィスのことを見つめた。
「旦那様、媚薬か何かを呑まされたのでしょう? だったら、さっさと交わるのが身のためです」
そう言って、マーガレットはクローヴィスの方に近づきその身体に跨った。そうすれば、彼の身体がびくんと跳ねる。
「……考え、なおして」
「嫌ですわ」
その言葉はある意味マーガレットの言葉を肯定しているとも受け取れる。媚薬か何かを呑まされたというところを否定していないということは、ずばりそれは当たっているということである。
マーガレットが魔法で灯した灯りに照らされるクローヴィスは大層色っぽい。その仄かに赤くなった目元が、その艶めかしさを増幅させていた。
「……旦那様。私は旦那様のお役に立ちたいのです。……これっきりの関係で構いませんわ」
「マーガレット」
「大丈夫でございます。わ、私が……えぇ、私が何とかします」
こんなにも苦しそうなクローヴィスの手を煩わせるわけにはいかない。そのため、ここはマーガレットが主導するしかないのだ。
(正直、どういう風にすればいいかいまいちよく分かっていないけれど……)
そんなことを思うと、脳内に一抹の不安がこみあげてくる。けれど、それを振り払うかのようにぶんぶんと首を横に振り、マーガレットは身を後ろに引く。
すると、臀部に硬いモノが当たった。布越しにもしっかり主張をするソレが、クローヴィスの熱杭だとわかるのに時間はかからなかった。だからこそ、マーガレットはクローヴィスの足元に移動すると、息を呑む。
「……無理なんて、するな」
苦しそうなクローヴィスの声に、マーガレットは「だ、大丈夫、です……!」と半ば強がりのような言葉を発する。実際これっぽっちも大丈夫ではない。
しかし、媚薬の中には強い毒性を持つものもあるのだ。速やかに異性を交わらなければ、身体に悪影響を与える……最悪の場合死に至るものさえあるのだ。
(クローヴィス様を死なせるわけにはいかないのよ……!)
内心でそう呟き、マーガレットは慣れない手つきでクローヴィスのベルトを外す。その手が何処となく震えているのは、気のせいではない。だって、マーガレットだって嫌というほど自覚しているのだから。
震える手でベルトを外し、そのトラウザーズと下着をずり下ろす。そうすれば、窮屈そうにしていたクローヴィスの熱杭が顔を出す。それはマーガレットの予想していた以上の大きさであり、また息を呑んでしまった。
(ど、どうすれば……)
まず、どうすればいいのだろうか。とりあえず、マーガレットもワンピースと下着を脱いだ方が良いのだろうか。葛藤しその手元が行き場なく彷徨うのを見てか、クローヴィスが「……大丈夫、なんだな?」ともう一度確認してくる。
「……え、えぇ、これでも私は……旦那様の妻、ですので」
それに対し震える声でそう告げれば、クローヴィスはいきなり起き上がる。そして、マーガレットの身体をソファーに押し倒した。
一気に移動した視界にマーガレットが躊躇っていれば、クローヴィスが「……俺が、するから」と言いながら自身の前髪をかき上げていた。
「で、ですが……」
「大丈夫。……ここは俺に任せておいて」
クローヴィスは何処となく辛そうに胸を上下させながら、そう言ってマーガレットの目元をそのきれいな指で拭う。その瞬間、マーガレットの顔に水滴が当たる。……どうやら、それはクローヴィスの汗らしい。
「……ごめんね」
「――っつ⁉」
そう言うとクローヴィスはマーガレットの唇に口づけてきた。挙式の時以来の口づけに、マーガレットの心臓が大きく音を鳴らす。さらにはクローヴィスはマーガレットの唇を味わうかのように、角度を変えて何度も何度も口づけてくる。
「んんっ、んぅ……!」
「……口、開けて」
優しくそう指示され、マーガレットはうっすらと唇を開ける。そうすれば、マーガレットの口内に入ってくる温かくてぬるぬるとした何か。それに驚き目を見開くものの、それがクローヴィスの舌だとわかるのに時間はかからなかった。
「んんぁ、んんぅ……!」
その肉厚の舌はマーガレットの口内を蹂躙するかのように舐め上げてくる。頬の内側を刺激されたかと思えば、歯列をなぞられる。舌を絡め取られ唾液を注がれた際には、苦しくてどうにかなってしまいそうだった。
でも、それ以上に。
――マーガレットの身体が、ほんのりと熱くなり始める。
(ぁ、あつ、ぃ……)
これが興奮するということなのだろうか。ぼんやりとする思考でそう思っていれば、クローヴィスの唇がマーガレットから離れていく。その際にどちらのものかわからない銀色の糸が二人の間を伝う。……大層淫靡な光景だった。
「……嫌だったら、突き飛ばしてね」
まるでこれが最終宣告とばかりにそう確認される。だからこそ、マーガレットはこくんと首を縦に振った。まぁ、突き飛ばすつもりなどこれっぽっちもないのだけれど。
だからこそ、マーガレットはその強い意思のこもった目でクローヴィスのことを見つめた。
「旦那様、媚薬か何かを呑まされたのでしょう? だったら、さっさと交わるのが身のためです」
そう言って、マーガレットはクローヴィスの方に近づきその身体に跨った。そうすれば、彼の身体がびくんと跳ねる。
「……考え、なおして」
「嫌ですわ」
その言葉はある意味マーガレットの言葉を肯定しているとも受け取れる。媚薬か何かを呑まされたというところを否定していないということは、ずばりそれは当たっているということである。
マーガレットが魔法で灯した灯りに照らされるクローヴィスは大層色っぽい。その仄かに赤くなった目元が、その艶めかしさを増幅させていた。
「……旦那様。私は旦那様のお役に立ちたいのです。……これっきりの関係で構いませんわ」
「マーガレット」
「大丈夫でございます。わ、私が……えぇ、私が何とかします」
こんなにも苦しそうなクローヴィスの手を煩わせるわけにはいかない。そのため、ここはマーガレットが主導するしかないのだ。
(正直、どういう風にすればいいかいまいちよく分かっていないけれど……)
そんなことを思うと、脳内に一抹の不安がこみあげてくる。けれど、それを振り払うかのようにぶんぶんと首を横に振り、マーガレットは身を後ろに引く。
すると、臀部に硬いモノが当たった。布越しにもしっかり主張をするソレが、クローヴィスの熱杭だとわかるのに時間はかからなかった。だからこそ、マーガレットはクローヴィスの足元に移動すると、息を呑む。
「……無理なんて、するな」
苦しそうなクローヴィスの声に、マーガレットは「だ、大丈夫、です……!」と半ば強がりのような言葉を発する。実際これっぽっちも大丈夫ではない。
しかし、媚薬の中には強い毒性を持つものもあるのだ。速やかに異性を交わらなければ、身体に悪影響を与える……最悪の場合死に至るものさえあるのだ。
(クローヴィス様を死なせるわけにはいかないのよ……!)
内心でそう呟き、マーガレットは慣れない手つきでクローヴィスのベルトを外す。その手が何処となく震えているのは、気のせいではない。だって、マーガレットだって嫌というほど自覚しているのだから。
震える手でベルトを外し、そのトラウザーズと下着をずり下ろす。そうすれば、窮屈そうにしていたクローヴィスの熱杭が顔を出す。それはマーガレットの予想していた以上の大きさであり、また息を呑んでしまった。
(ど、どうすれば……)
まず、どうすればいいのだろうか。とりあえず、マーガレットもワンピースと下着を脱いだ方が良いのだろうか。葛藤しその手元が行き場なく彷徨うのを見てか、クローヴィスが「……大丈夫、なんだな?」ともう一度確認してくる。
「……え、えぇ、これでも私は……旦那様の妻、ですので」
それに対し震える声でそう告げれば、クローヴィスはいきなり起き上がる。そして、マーガレットの身体をソファーに押し倒した。
一気に移動した視界にマーガレットが躊躇っていれば、クローヴィスが「……俺が、するから」と言いながら自身の前髪をかき上げていた。
「で、ですが……」
「大丈夫。……ここは俺に任せておいて」
クローヴィスは何処となく辛そうに胸を上下させながら、そう言ってマーガレットの目元をそのきれいな指で拭う。その瞬間、マーガレットの顔に水滴が当たる。……どうやら、それはクローヴィスの汗らしい。
「……ごめんね」
「――っつ⁉」
そう言うとクローヴィスはマーガレットの唇に口づけてきた。挙式の時以来の口づけに、マーガレットの心臓が大きく音を鳴らす。さらにはクローヴィスはマーガレットの唇を味わうかのように、角度を変えて何度も何度も口づけてくる。
「んんっ、んぅ……!」
「……口、開けて」
優しくそう指示され、マーガレットはうっすらと唇を開ける。そうすれば、マーガレットの口内に入ってくる温かくてぬるぬるとした何か。それに驚き目を見開くものの、それがクローヴィスの舌だとわかるのに時間はかからなかった。
「んんぁ、んんぅ……!」
その肉厚の舌はマーガレットの口内を蹂躙するかのように舐め上げてくる。頬の内側を刺激されたかと思えば、歯列をなぞられる。舌を絡め取られ唾液を注がれた際には、苦しくてどうにかなってしまいそうだった。
でも、それ以上に。
――マーガレットの身体が、ほんのりと熱くなり始める。
(ぁ、あつ、ぃ……)
これが興奮するということなのだろうか。ぼんやりとする思考でそう思っていれば、クローヴィスの唇がマーガレットから離れていく。その際にどちらのものかわからない銀色の糸が二人の間を伝う。……大層淫靡な光景だった。
「……嫌だったら、突き飛ばしてね」
まるでこれが最終宣告とばかりにそう確認される。だからこそ、マーガレットはこくんと首を縦に振った。まぁ、突き飛ばすつもりなどこれっぽっちもないのだけれど。
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