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一方的にライバル視している男と×××しないと出られない部屋に閉じ込められてしまった私の顛末

8.【※】

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「う、わぁ、てれーず、じょう、それ、やばい……!」

 ラウルの余裕のない声が頭の上から降ってくる。その声が何処となく愛おしくて、テレーズが彼にしがみつく手に力を込めれば、ラウルが「……っはぁ」と息を漏らしていた。その吐息はひどく艶っぽい。

「……ぁ、で、そう」

 そう言って、ラウルがひときわ大きく腰を打ち付ける。そして、テレーズの最奥にどくどくと何か熱いモノが放たれた。……それが、ラウルが達した証拠だと気が付くのに時間はかからない。

(……ぁ)

 その後、ラウルがテレーズの唇に貪るような口づけを降らせる。初めは触れるだけだった口づけはどんどん深いものに変わっていき、先ほど下腹部から聞こえていた水音が今度は口元から聞こえてくる。

(……ぁ、きもちぃぃ)

 ラウルの口づけはとても気持ちよく、テレーズの頭を惚けさせる。くちゅくちゅと音を立て、互いの舌を絡め合う。

 そうしているうちに、ラウルの熱杭はまた硬さを取り戻しつつあった。テレーズの蜜壺のナカに埋まっている熱杭は、抜く間もなくあっさりと硬さを取り戻してしまう。

「……も、いっかい、いいですか?」

 そんな声で、そんな表情でそう言わないでほしい。そう思いながらテレーズが頷くと、ラウルはまた腰を動かしてくる。

 肉同士がぶつかるような音がまた響き、テレーズの身体に途方もないほどの快楽が走り抜ける。

「ぁああっんっ! ぁんっ!」

 必死に振り落されないようにしがみついていれば、不意に身体をくるっと回転させられた。うつぶせの体勢に驚いていれば、ラウルはテレーズの腰を抱き上げ、今度は後ろから突いてくる。

 腰を高く上げた状態になってしまい、テレーズはとてつもない羞恥心を覚えてしまった。が、それよりも。与えられる快楽と快感の方が強く、テレーズは抗議することもできない。

「んんっぁ、あんっ!」

 必死にシーツにしがみつき、快楽を逃そうとする。でも、それさえも上手くいかない。背中に滴ってくるラウルの汗が冷たく感じるほどに、テレーズの身体は熱くなってしまっていた。

「っはぁ、てーれ、ず、じょう、もっと、もっと……!」

 ラウルの手が移動し、テレーズの身体を抱き寄せる。そのまままた後ろからガンガンと突かれれば、テレーズはあっけなく絶頂してしまった。その際に蜜壺がきゅうっと締まり、テレーズの最奥にまた熱いモノが放たれてしまう。

「……っはぁ」

 肩を揺らしながら息をし、寝台に身体を投げ出す。

 そうしていれば、もう一度仰向けにされて唇に口づけられた。それから、ラウルはテレーズの蜜壺から自身の熱杭を引き抜く。そこから零れ落ちるのは、白と赤。ラウルが達した証拠と、テレーズが純潔を失った証。

(……っていうか、ナカに出されたっていうことは――!)

 不意に、中に出されたということの意味をテレーズが理解する。……子供が出来てしまったら、どうしようか。そう思い青ざめるテレーズに対し、ラウルはにっこりと笑いかけてくる。

「子供が出来たら、一緒に育てましょうね」

 そして、そんな言葉をかけてきた。……どうやら、彼は何処までものんきな性格らしい。

「テレーズ嬢にそっくりの、女の子、欲しいです」

 テレーズの唇に一度だけ口づけを落とし、ラウルはそう呟く。……まだ、自分たちは結婚していない。婚約者でもない。そんな状態でそんなことが言えるラウルの図太さには……いささか、感心してしまうレベルだった。

「わ、たし、たち……」

 ――本当に、結婚するんですか?

 そういう意味を込めて彼を見つめれば、彼はまるで本当に愛おしいとばかりにテレーズの唇を指でなぞる。

「結婚しましょう? 一生大切にします。……一緒に、幸せになってくれませんか?」

 ……どうして、そんなずるい言い方をするのだろうか。

 そう思いつつも、テレーズはこくんと首を縦に振る。ずっと昔に押し殺した恋心が――また、むくむくと主張をしていた。

「……ラウル、さま」
「……はい」
「好き、です」

 小さな声で、顔を真っ赤に染めながらそう言うと、ラウルは驚いたような表情をしたのち……とても美しく、はにかんだ。

「でも、ちょっと待ってください。……今の笑みで、また興奮して……」
「だから、そういう報告必要ありませんからっ!」



 ちなみに、この後しっかりとこの部屋から出ることが出来た。まったく、とんだ災難だ……と思うこともできずに、テレーズは心の中で『出られない部屋』に感謝することになってしまうのだった。

【END】
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