【完結】【R18】ゆらり、波打つ【明石唯加の短編集】

すめらぎかなめ(夏琳トウ)

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一方的にライバル視している男と×××しないと出られない部屋に閉じ込められてしまった私の顛末

6.【※】

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「――っつ!?」

 驚くほどの強い快楽。身体が強張ったかと思えば、力が抜けていく。

(……今の、な、に……?)

 心地よい疲労感に酔いしれながら、テレーズはそう思っていた。身体中の熱が沸騰したかのような感覚。それに恐れのおののいていれば、ラウルの「イキましたね」という声が聞こえてきた。……どうやら、これが「イク」ということらしい。

「……あぁ、テレーズの痴態を見ていたら俺もそろそろ……」

 しかし、さも当然のように「痴態」と言わないでほしい。そう思い顔を覆い隠そうとすれば、ラウルはテレーズの手を掴んでくる。そのまま指を絡め、テレーズの目をまっすぐに見つめてきた。……太ももには、相変わらず布越しに熱くなったモノが当たっている。

「っはぁ、らう、る、さま……」

 彼の恐ろしいほど情欲を孕んだ目から逃げたい。そう思いそっと目を逸らそうとするものの、彼の目力が強すぎてそれが出来ない。彼と見つめ合う形になっていれば、ラウルは「……限界、なんですけれど」と至極真剣な表情で言ってくる。

「……げん、かい、とは?」
「出そう」

 大体予想していたが、どうやら彼には羞恥心というものが欠けているらしい。それを悟りつつ、テレーズがラウルの頭を力なくはたけば彼は嬉しそうに表情を緩めていた。

「今ので、ちょっと出ました」
「……そういう報告、いらないです」

 本当に、そういう報告は必要ない。いらない。聞きたくもない。

 そう思いながらテレーズが顔に熱をためていれば、ラウルは空いている方の手でテレーズの秘所に触れる。ぐっしょりと蜜を吐き出した蜜口に、浅く指を挿しこむ。

「……あぁ、さっきよりもほぐれていますね」

 蜜壺のナカに挿しこまれた指が、蜜壺の浅い場所をさすってくる。それは異物感を与えるものの、受け入れられないほどではない。先ほどの絶頂により、ある程度の力が抜けたからこそ、こうなっているのだろう。

「……ぁ」

 蜜壺のナカに挿った指が、増えた。それに気が付き、テレーズが腰を引く。しかし、ラウルはそんなテレーズの腰を抱き寄せ、ぐっと指を押し進めてくる。

「……い、やぁ」

 指は快楽を与えてくれない。与えてくるのは、強すぎる異物感だけ。

 先ほどの感覚が天国だとすれば、今の感覚は地獄に等しい。異物感が強くて、快楽などちっとも感じない。

「……いや、いやぁあっ!」

 ついに涙をぽろぽろとこぼしながらそう叫べば、ラウルの表情が曇る。多分だが、彼はテレーズが苦痛を感じているのに心を痛めているのだ。それはわかるものの、辛いものは辛い。

「大丈夫、ですから。……貴女が感じる場所を、しっかりと探しますから」

 そう言って、ラウルがテレーズの蜜壺を少しだけ掻き回す。そして、その指がとある一点に触れた時。テレーズの身体に強すぎる快楽が襲い掛かってくる。

「……ぁあっ!」

 蜜壺がぎゅっと締まり、ラウルの指を締め付ける。ラウルもそれに気が付いたらしく、「……ここ、ですか?」と問いかけてきた。その指は、テレーズの最も感じる場所を容赦なく攻めてくる。

「ぁ、あっ、あんっ!」

 白い喉をさらけ出し、テレーズは喘いだ。その姿がひどく艶っぽかったのか、ラウルはまた息を呑む。

 そんな彼の姿に気が付かずに、テレーズは身体をびくびくと震わせてしまった。……気持ちいい。おかしくなりそうなほどに、気持ちいい。

「……テレーズ嬢、もう一回、イキましょうか」

 ラウルのそんな呟きも、テレーズの耳には届かない。蜜壺の最も感じる場所を刺激され、おかしくなりそうなほどの快楽が襲ってくる。びくん、びくんと身体を跳ねさせ、テレーズはあっけなく二度目の絶頂を迎えた。

 今度の絶頂は、沈み込むようなものだった。そう簡単には戻ってこれないほどの深い絶頂にテレーズが身体を弛緩させれば、ラウルが蜜壺から指を引き抜く。その指をぺろりと舐め上げ、「……美味しい」と呟くのはいささか気持ち悪かったが。

「……もう、俺、限界なんですけれど」

 うっすらとテレーズが瞼を開けば、ラウルがテレーズのことを見下ろしていた。それから、彼は衣服を脱ぎ始める。トラウザーズと下穿きを脱げば、そこにそそり立つモノにテレーズが思わず身を引く。

(……ゆ、指でも、辛かったのに!?)

 あんなものが挿ったら、身体が裂けてしまうのではないだろうか。そう思い逃げようとするテレーズの腰を抱き寄せ、ラウルが蜜をたっぷりと吐き出した蜜口に自身の熱杭の先を押し付けてくる。

「……ぁ」

 熱くて、硬いそれに身体がぶるりと震える。ラウルが腰を動かせば、蜜と先走りが混ざり合いくちゅくちゅという音を立てる。……その音は、まるで耳を犯してくるかのような厭らしい音にしか、聞こえない。

「……テレーズ嬢」

 甘ったるく、熱っぽい声で名前を呼ばれる。……そもそも、繋がらないとここからは出られないのだ。ならば、繋がるしか――ない。

「……俺と、結婚しましょう?」

 かといって、こんな場でプロポーズをするなんて。ラウルは一体どんな神経をしているのだ。そう思いテレーズが彼の顔を見上げれば、彼はきれいな笑みを浮かべていた。
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