26 / 43
一方的にライバル視している男と×××しないと出られない部屋に閉じ込められてしまった私の顛末
3.
しおりを挟む
(いやいやいや、今の流れでそれは絶対におかしいでしょ……!?)
内心で大絶叫をしながら、テレーズはラウルのことを見つめる。彼の目はとても真剣に見えてしまった。……何とも言えない気持ちが、胸の中に渦巻いて消えてくれない。
「テレーズ嬢の口から、俺のことが好きだって聞きたい」
そう言われても、テレーズはラウルのことが好きではないのだ。そう思い唇をかんでいれば、彼は何を思ったのだろうか。おもむろにテレーズのワンピースに手をかけてくる。
「な、何するんですかっ!?」
慌てて彼の手を払いのけるものの、彼は「……俺と、しましょう?」と言ってくる。甘えたような口調でそう言われても、テレーズとしては納得できない。
そう思いつつテレーズが一人戸惑っていれば、ラウルの手がテレーズの身体をなぞってくる。何とも言えないゾクゾクとした感覚が身体を這い、その所為で息が漏れてしまった。
「……ほら」
甘えたようにそう言われ、ラウルの手はテレーズの首筋を露わにする。そのまま彼は唇をそこに近づけ、ちゅっと痕を残すかのように口づけてきた。
「いやぁ……!」
身をよじって、彼から逃げようとする。が、逃げられない。いつの間にか彼はもう片方の手でテレーズの腕をまとめており、シーツの上に縫い付けてくる。
ちゅっ、ちゅっと音を立ててテレーズの首筋にラウルが吸い付いてくる。それだけでおかしくなりそうなほど身体が熱くて、昂ってしまって。テレーズが顔を真っ赤にしながら涙をこらえる。
「んんっ」
こそばゆいような、何とも言えない感覚だった。思わず「ふぅ」っと艶っぽい息を漏らしてしまえば、ラウルの身体が露骨に震える。
「テレーズ嬢……。俺、我慢できないんですけれど」
そして、至極真面目な顔でそう言われてしまう。
彼の言葉の意味が分からずにテレーズがきょとんとしていれば、太ももにラウルが下肢を押し付けてくる。そこは、熱を持っているように熱くて、硬くなっている。恐る恐る視線をそちらに向ければ――トラウザーズの前の部分が不自然に膨らんでいた。
「いやぁあっ!」
その所為で、テレーズは思いきり彼の頭をはたいてしまう。
(い、い、今の私で、どうやったらそうなるわけ!?)
今のテレーズはお世辞にも艶っぽいとかいやらしいとか。そういう状態ではなかったはずなのに。なのに、ラウルはテレーズのいつも通りの表情で興奮していて……。
「……今のでも、もっと興奮したんですけれど」
しかも、彼はテレーズの羞恥心を煽るようなことを真面目な表情で言ってくる。その言葉の所為でテレーズはもうどうすればいいかがわからなかった。毛布を手繰り寄せ、もう一度顔を覆う。そうしていれば、毛布を乱雑に奪い取られてしまった。ほかでもない、ラウルによって。
「テレーズ嬢、毛布じゃなくて、俺の顔を見て?」
「む、無理です、無理ですっ!」
ぶんぶんと首を横に振る。彼の目は明らかに情欲を孕んでおり、テレーズのことをここで捕食するつもりなのだとすぐに理解できた。
いや、違う。彼は間違いなくここでテレーズを捕食するのだ。……そうじゃないと、出られないのだから。
(う、うぅ)
一方的にライバル視していた男に好意を寄せられていた。それだけで驚くことなのに、彼はさも当然のようにテレーズで興奮している。それが伝わってくるからこそ、テレーズの額に冷や汗が垂れる。どうすればいいのだろうか。そう思って、テレーズはぎゅっと目を瞑る。
「……ちょっと、俺、苦しいんですけれど」
「だから、何なんですか……」
「一度、抜いてきてもいいですか?」
だから、どうして彼はそういうことを何の恥ずかしげもなく言うのだろうか。そう思いつつ、テレーズはこれは自分も覚悟を決めるべきだと思った。だからこそ、テレーズの上から退き何処かに行こうとするラウルの手首をつかむ。
「……テレーズ嬢?」
「……りました。わかりましたよぉ!」
もう、この際背に腹は代えられない。
ここから出ないと何もないのだ。……そう、今からこの男性と交わって。
(ま、交わ……って)
交わる。性交渉をする。そんなことを想像して、テレーズは頭から湯気が出るような感覚に襲われてしまう。けれど、これでもテレーズはある程度の戦場を潜り抜けてきた女騎士である。……一度こうと決めたら曲げることが好ましいことではないことくらい、わかっている。
「わ、私、その……ラウル様と、えっち、します」
引き寄せた毛布で口元を隠しながら、ラウルから視線をそっと逸らしながらそう言えば、彼は「……出そう」と至極真面目な顔で言ってくる。……だから、一体テレーズの何処に興奮するというのだ。内心でそう思いつつも、テレーズは毛布をぎゅっと握りしめる。
「……で、でも、私……その、やり方とかよく知らないので……」
任せます。
そう言おうとした途端、毛布をはぎ取られ唇をふさがれた。そのまま何度も貪るような触れるだけの口づけをされ、テレーズの目が大きく見開いた。
「俺に、任せて」
次にテレーズがラウルの顔を見つめれば、彼は清々しいほどの笑みを浮かべてそう言っていた。
内心で大絶叫をしながら、テレーズはラウルのことを見つめる。彼の目はとても真剣に見えてしまった。……何とも言えない気持ちが、胸の中に渦巻いて消えてくれない。
「テレーズ嬢の口から、俺のことが好きだって聞きたい」
そう言われても、テレーズはラウルのことが好きではないのだ。そう思い唇をかんでいれば、彼は何を思ったのだろうか。おもむろにテレーズのワンピースに手をかけてくる。
「な、何するんですかっ!?」
慌てて彼の手を払いのけるものの、彼は「……俺と、しましょう?」と言ってくる。甘えたような口調でそう言われても、テレーズとしては納得できない。
そう思いつつテレーズが一人戸惑っていれば、ラウルの手がテレーズの身体をなぞってくる。何とも言えないゾクゾクとした感覚が身体を這い、その所為で息が漏れてしまった。
「……ほら」
甘えたようにそう言われ、ラウルの手はテレーズの首筋を露わにする。そのまま彼は唇をそこに近づけ、ちゅっと痕を残すかのように口づけてきた。
「いやぁ……!」
身をよじって、彼から逃げようとする。が、逃げられない。いつの間にか彼はもう片方の手でテレーズの腕をまとめており、シーツの上に縫い付けてくる。
ちゅっ、ちゅっと音を立ててテレーズの首筋にラウルが吸い付いてくる。それだけでおかしくなりそうなほど身体が熱くて、昂ってしまって。テレーズが顔を真っ赤にしながら涙をこらえる。
「んんっ」
こそばゆいような、何とも言えない感覚だった。思わず「ふぅ」っと艶っぽい息を漏らしてしまえば、ラウルの身体が露骨に震える。
「テレーズ嬢……。俺、我慢できないんですけれど」
そして、至極真面目な顔でそう言われてしまう。
彼の言葉の意味が分からずにテレーズがきょとんとしていれば、太ももにラウルが下肢を押し付けてくる。そこは、熱を持っているように熱くて、硬くなっている。恐る恐る視線をそちらに向ければ――トラウザーズの前の部分が不自然に膨らんでいた。
「いやぁあっ!」
その所為で、テレーズは思いきり彼の頭をはたいてしまう。
(い、い、今の私で、どうやったらそうなるわけ!?)
今のテレーズはお世辞にも艶っぽいとかいやらしいとか。そういう状態ではなかったはずなのに。なのに、ラウルはテレーズのいつも通りの表情で興奮していて……。
「……今のでも、もっと興奮したんですけれど」
しかも、彼はテレーズの羞恥心を煽るようなことを真面目な表情で言ってくる。その言葉の所為でテレーズはもうどうすればいいかがわからなかった。毛布を手繰り寄せ、もう一度顔を覆う。そうしていれば、毛布を乱雑に奪い取られてしまった。ほかでもない、ラウルによって。
「テレーズ嬢、毛布じゃなくて、俺の顔を見て?」
「む、無理です、無理ですっ!」
ぶんぶんと首を横に振る。彼の目は明らかに情欲を孕んでおり、テレーズのことをここで捕食するつもりなのだとすぐに理解できた。
いや、違う。彼は間違いなくここでテレーズを捕食するのだ。……そうじゃないと、出られないのだから。
(う、うぅ)
一方的にライバル視していた男に好意を寄せられていた。それだけで驚くことなのに、彼はさも当然のようにテレーズで興奮している。それが伝わってくるからこそ、テレーズの額に冷や汗が垂れる。どうすればいいのだろうか。そう思って、テレーズはぎゅっと目を瞑る。
「……ちょっと、俺、苦しいんですけれど」
「だから、何なんですか……」
「一度、抜いてきてもいいですか?」
だから、どうして彼はそういうことを何の恥ずかしげもなく言うのだろうか。そう思いつつ、テレーズはこれは自分も覚悟を決めるべきだと思った。だからこそ、テレーズの上から退き何処かに行こうとするラウルの手首をつかむ。
「……テレーズ嬢?」
「……りました。わかりましたよぉ!」
もう、この際背に腹は代えられない。
ここから出ないと何もないのだ。……そう、今からこの男性と交わって。
(ま、交わ……って)
交わる。性交渉をする。そんなことを想像して、テレーズは頭から湯気が出るような感覚に襲われてしまう。けれど、これでもテレーズはある程度の戦場を潜り抜けてきた女騎士である。……一度こうと決めたら曲げることが好ましいことではないことくらい、わかっている。
「わ、私、その……ラウル様と、えっち、します」
引き寄せた毛布で口元を隠しながら、ラウルから視線をそっと逸らしながらそう言えば、彼は「……出そう」と至極真面目な顔で言ってくる。……だから、一体テレーズの何処に興奮するというのだ。内心でそう思いつつも、テレーズは毛布をぎゅっと握りしめる。
「……で、でも、私……その、やり方とかよく知らないので……」
任せます。
そう言おうとした途端、毛布をはぎ取られ唇をふさがれた。そのまま何度も貪るような触れるだけの口づけをされ、テレーズの目が大きく見開いた。
「俺に、任せて」
次にテレーズがラウルの顔を見つめれば、彼は清々しいほどの笑みを浮かべてそう言っていた。
10
お気に入りに追加
353
あなたにおすすめの小説
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる