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オネェ系剣士の雄の本性~告白したら成り行きで食べられてしまいました~
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「んんっ」
目を覚ますと一番に視界に入ったのは見知らぬ天井。それに驚いてアーシュラが慌てて起き上がれば、隣から「アーシュラ姫」と聞きなれた声が聞こえてくる。
「……ウェズリーちゃん」
そっと彼の名前を呼べば、彼は「昨日は本当に可愛らしかったわ」と言いながらころころと笑う。
「……き、昨日って」
「あら、覚えていないの?」
違う。ウェズリーとの行為はしっかりと記憶に残っている。そう思いつつもアーシュラが窓の外を見つめれば……どうやら朝日が昇り始めているところのようだ。
「……ぁああっ!」
まさか、父の許可なく無断外泊をしてしまうなんて……と思い、アーシュラが絶叫する。
そんなアーシュラのことを笑いながら見つめたウェズリーは「大丈夫よ。陛下には連絡しておいたわ」と言いながら肩をすくめていた。
「それと……アーシュラ姫を、娶りたいっていう要望も伝えたわ」
その後、ウェズリーは何でもない風にとんでもないことを言う。
それに驚いてアーシュラが目を見開けば、彼は「陛下も案外乗り気だったのよ」と言いながら笑っていた。
「陛下ったら、アーシュラ姫の気持ちが私にあることをわかっていたみたいよ」
「……え、えぇ」
「そのうえで、踏ん切りをつけさせるためにライナスとの結婚話を出したのですって。……まったく、人が悪いわよね」
くすくすと笑いながらウェズリーはそう言うが、アーシュラからすればたまったものではない。
そう思いながら項垂れていれば、彼は「で、どう?」と問いかけてきた。
「ど、どうって……?」
「私との結婚、真剣に考えてくれないかしら?」
ウェズリーが真剣な面持ちでそう告げてくる。
その真っ赤な目を見つめて、アーシュラは「……どうすれば、いいの?」と逆に問いかけてしまった。
「あら、貴女が嫌だったら嫌。結婚してもいいと思うのだったらいいって返事をすればいいのよ」
そう言われてしまったら……答えなんて、一つしかないじゃないか。
「じゃ、じゃあ……その、よろしく、お願いします……」
ぺこりと頭を下げてそう言えば、ウェズリーは「ふふっ、こちらこそよろしくね」と言ってアーシュラの身体を抱き寄せてくる。
「……ずっと、私も貴女のことが好きだったのよ」
そして、耳元で囁かれたそんな言葉に――アーシュラは顔を真っ赤にすることしか出来なかったのだった。
目を覚ますと一番に視界に入ったのは見知らぬ天井。それに驚いてアーシュラが慌てて起き上がれば、隣から「アーシュラ姫」と聞きなれた声が聞こえてくる。
「……ウェズリーちゃん」
そっと彼の名前を呼べば、彼は「昨日は本当に可愛らしかったわ」と言いながらころころと笑う。
「……き、昨日って」
「あら、覚えていないの?」
違う。ウェズリーとの行為はしっかりと記憶に残っている。そう思いつつもアーシュラが窓の外を見つめれば……どうやら朝日が昇り始めているところのようだ。
「……ぁああっ!」
まさか、父の許可なく無断外泊をしてしまうなんて……と思い、アーシュラが絶叫する。
そんなアーシュラのことを笑いながら見つめたウェズリーは「大丈夫よ。陛下には連絡しておいたわ」と言いながら肩をすくめていた。
「それと……アーシュラ姫を、娶りたいっていう要望も伝えたわ」
その後、ウェズリーは何でもない風にとんでもないことを言う。
それに驚いてアーシュラが目を見開けば、彼は「陛下も案外乗り気だったのよ」と言いながら笑っていた。
「陛下ったら、アーシュラ姫の気持ちが私にあることをわかっていたみたいよ」
「……え、えぇ」
「そのうえで、踏ん切りをつけさせるためにライナスとの結婚話を出したのですって。……まったく、人が悪いわよね」
くすくすと笑いながらウェズリーはそう言うが、アーシュラからすればたまったものではない。
そう思いながら項垂れていれば、彼は「で、どう?」と問いかけてきた。
「ど、どうって……?」
「私との結婚、真剣に考えてくれないかしら?」
ウェズリーが真剣な面持ちでそう告げてくる。
その真っ赤な目を見つめて、アーシュラは「……どうすれば、いいの?」と逆に問いかけてしまった。
「あら、貴女が嫌だったら嫌。結婚してもいいと思うのだったらいいって返事をすればいいのよ」
そう言われてしまったら……答えなんて、一つしかないじゃないか。
「じゃ、じゃあ……その、よろしく、お願いします……」
ぺこりと頭を下げてそう言えば、ウェズリーは「ふふっ、こちらこそよろしくね」と言ってアーシュラの身体を抱き寄せてくる。
「……ずっと、私も貴女のことが好きだったのよ」
そして、耳元で囁かれたそんな言葉に――アーシュラは顔を真っ赤にすることしか出来なかったのだった。
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