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第1章

ハジメテの客 7【※】

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 ヴィクトルはそんなカーティアの不安を、知りもしないのだろう。

 その熱杭の先端を、カーティアの蜜口に押し付けてくる。

 ……無意識のうちに、腰を引いてしまった。

「……ひっ」

 喉が鳴る。けれど、逃げることは許されない。

 それは、カーティアにもよくわかる。

「カーティア、大丈夫だ。……出来るだけ、ゆっくりとする」

 カーティアの瞼に口づけを落とし、ヴィクトルがはっきりとそう言った。

 そして、彼は熱杭の先端とカーティアの蜜口をこすり合わせる。くちゅくちゅという水音が聞こえ、まるで耳まで犯されているかのようだった。

「……挿れるぞ」

 端的にそう告げたヴィクトルが、ぐっと腰を押し進めてくる。

「ぁっ」

 ゆっくりと、ヴィクトルのモノがカーティアの身体を割り開いていく。

 隘路を無理やり拡げられるような感覚に、カーティアは恐れを抱いた。

 ……このまま、身体を引き裂かれてしまうのではないか。

 そんな不安が、脳内を支配する。

「カーティア、大丈夫だ。……だから、安心してくれ」

 そう言ったヴィクトルは、カーティアの手をぎゅっと握ってくれた。

 だからこそ、カーティアは彼の手を握り返す。ついつい、爪まで立ててしまうほどに。

「っはぁ、あああっ!」

 しばらくして、カーティアの身体にひときわ強い痛みが走る。

 涙をはらはらと零しながら、喉から出てくるのは大きな悲鳴。

「ひぃっ、ひっぐ」

 痛みで、頭の中が支配されている。

 この行為に気持ちよさなんて、欠片もない。

 それを実感しつつ、カーティアは溢れる涙を空いているほうの手で拭う。が、拭っても拭っても、涙は止まってくれない。

「全部、挿ったから、な。……よく、頑張った」

 まるで壊れものでも扱うかのように、優しく頭を撫でられた。

 驚いてうっすらと閉じていた目を開くと、ヴィクトルは何処となく慈愛に満ちたような表情をしていて。

 ……カーティアを苦しめるために抱いているというわけでは、ないのではないか。そう、思ってしまう。

「ひっぐ」
「あぁ、痛かったな。……もう、大丈夫だ」

 何度も何度も頭を撫でられて、徐々にカーティアの涙が引いていく。

 さらには、下腹部を襲う痛みも小さなものへと変化し、呼吸も落ち着き始めた。

「……ヴィクトル、さま」

 彼の目を見て、彼の名前を呼ぶ。ヴィクトルは、少し嬉しそうにはにかんでいた。

 その姿が、大層……色っぽい。

「ずっと、こうしたかったんだ。叶わないと、思っていたのに」
「……え」

 ヴィクトルが、なにかを呟いたのがわかった。

 だけど、その内容の意味がいまいちよくわからなくて。目を丸くするカーティアに、ヴィクトルは少しだけ微笑みかけてくれる。

「……痛みは、大丈夫か?」
「え……え、えぇ」

 もう、下腹部を襲う痛みはなくなっている。

 そのため、カーティアがこくんと首を縦に振る。

 すると、ヴィクトルが困ったような表情を浮かべたのがわかった。

「すまないが、動きたい。……あなたのナカが良すぎて、あまり持ちそうにないんだ」
「……あ、は、ぃ」

 自然と許可を出してしまった。

 その言葉を聞いたためか、ヴィクトルが腰を引く。

 肉棒がずるりとカーティアの蜜壺から出て行こうとして――今度は、勢いよく最奥を穿かれる。

「ぁ、ああっ!」

 いきなりの衝撃に驚いて、カーティアの喉から大きな悲鳴が漏れる。

 ぎゅっとヴィクトルと握り合った手に、力がこもった。

「っはぁ、あなたの、ナカ、とてもいい……!」
「ぁあっ! あんっ!」

 身体を激しく揺さぶられながら、抽挿される。

 淫らな水音と、肉同士がぶつかるような音が部屋中に響いて、カーティアの頭が自然とくらくらとする。

「あんっ! あ、あっ!」

 肉棒が、カーティアの最も感じる場所をこすり、出ていって、挿ってくる。

 それだけで、カーティアは感じてしまった。……小さな快感は集まり、大きな快楽へと押し上げていく。

「あなたは、本当に可愛い」
「あっ」
「ほら、ここも一緒に……」

 ヴィクトルが空いているほうの手を伸ばして、カーティアの乳首に触れた。

 ぎゅっとつままれると、蜜壺がぎゅうぎゅうと締まり、ヴィクトルのモノをさらに強く締め付ける。

「や、めっ! それ、だめぇっ……!」
「そんなわけがないだろう。……あなたのナカは、うねっている」

 口だけの拒絶だと、見抜かれていた。

 ヴィクトルはカーティアの身体を貪るように、最奥を突いてくる。

 それだけで、頭が惚けてしまうほどに気持ちがいい。

「ぁあんっ! も、だめ、だめなのぉ……!」

 襲い来る絶頂の予感に、カーティアが首をぶんぶんと横に振る。

 そうすれば、ヴィクトルが口元を緩めたのがわかってしまった。

「あぁ、俺ももう、ダメそうだ。……あなたに、本当に溺れてしまいそうだ」

 ――その言葉の意味は、一体どういうことなのだろうか?

 そう思うよりも先に、もっと感じる部分をこすり上げられ、カーティアはあっけなく絶頂してしまった。

「ぁああんっ!」

 ぐっと蜜壺が締まり、それに反応したかのように最奥に熱い飛沫が放たれる。

 ……ヴィクトルが、達した証拠だった。

「あぁ、あなたが、本当に俺だけのものになれば……」

 ぼうっとする意識の中、最後に聞こえてきたのは。

 熱に浮かされたような、そんな声だった。
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