【R18】俺のセフレはどうやら王国で人気の高い騎士団長らしい。

すめらぎかなめ(夏琳トウ)

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第3章

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 ルーが個人で所有しているという屋敷は、自然の中に建っているこぢんまりとしたものだった。と言っても、俺からするとすごいことにこの上ない。ただ侯爵家の人間が住んでいると考えると――というだけだ。

「夕食の準備をしておいてくれ。あと、俺が許可を出すまではプライベートなフロアには入ってくるな」

 出迎えてくれた執事の男性に端的に告げ、ルーが俺の手を引いて屋敷の奥へと入っていく。なんだか申し訳なくて男性に視線を向け、ぺこりと頭を下げる。男性は穏やかに笑っていた。

 内装はシンプルなのに、気品に満ちていた。あちらこちらに視線を奪われていると、ルーが迷いもなく一室の扉を開ける。

 俺を室内に放り込んで、後ろ手に扉を閉める。

 視線だけで室内を見渡すと、どうやらここは寝室のようで――。

「ルー?」

 ルーを見つめて、彼の名前を呼ぶと――手首を引っ張られる。気が付いたら俺はルーの腕の中にいた。

 驚いて目を見開く俺を気にする様子もないルー。俺の顎をすくい上げ、無理矢理視線を絡ませる。

 目の奥の情欲に俺の身体が熱くなっていくみたいな感覚だった。

「なぁ、ユーグ――いいか?」

 甘えたように問いかけられ、流されるようにうなずこうとした。が、今の俺は汚い。

 せめて、湯を浴びてからじゃないと――。

「ちょ、ま、待って。風呂入りたい……」

 首を横に振って言うのに、ルーは「待てない」と言って噛みつくように口づけてくる。

 唇のうっすらとした隙間を強引にこじ開けられ、口内を蹂躙される。それだけで身体の奥がじぃんと熱を持った。

 現金な身体だった。

「お前も――待てるのか?」
「――う」

 口ごもった。

 確かに身体は昂っていて、今すぐにでもルーに触れてほしいって思ってるけど……。

「き、汚い、から」

 冷静になろうとして、真実を口にする。けど、ルーが「汚くない」と即刻否定してくる。

「ユーグはきれいだ。……お前のにおい、俺は好き」

 首元に顔をうずめられ、においをかがれた。普通だったら嫌なのに、こういうのも心地よくてたまらない。

 結局、俺はルーに弱いのだ。再認識して、ルーの服の裾をつかむ。

「――お手柔らかに、お願いします」

 一体何度身体を重ねたのかはわからない。だから、この言葉が今更だということはわかっている。

 が、恋人同士になってからははじめてなのだ。ほら、ムードって大切――だと思うし。

「――あぁ、優しくする」

 俺の言葉に対し、ルーは深くうなずいてくれた。ほっと胸をなでおろしていると、ルーが俺の膝裏に手を入れて横抱きにする。

「ユーグ、また軽くなったか?」

 ルーの問いかけに、俺は「かもしれない」と小さく言葉を返した。

 ルーとのことがあってから、あまり食欲がなくて、食べることができなかったし。

「そっか。じゃあ、一緒に美味いものたくさん食べような」
「――うん」

 素直にうなずくと、寝台に下ろされる。広々としていてふかふかの寝台。

 到底一人用には見えない。

 ルーも寝台に上がって、俺の肩を優しくつかんで押し倒す。そのままキスをする。今度は触れるだけの優しいものだ。

「んっ」

 自ら唇を開いて、ルーの舌を誘い込む。

 今度は自ら舌を絡め、すっかり慣れた唾液を交換するような淫らなキスを繰り返す。

 身体中が熱くて、ゾクゾクとして。注がれたルーの唾液を呑み込むと、大きな手が俺の頭を撫でる。

「っはぁ、ルー」

 熱っぽい声でルーの名前を口にすると、大きな手が俺の衣服に伸びる。

「もう、脱がしてもいいか?」

 問いかけに首を縦に振った。あ、でも、そういえば。

「いいけど、ルーも脱いでよ……」

 こんな高価な騎士服を汚すのは、絶対に無理だ。だから、俺はルーに衣服を脱ぐように強請った。
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