【R18】気弱魔法使いはこのたび激重勇者に捕獲されました~最強の勇者さんは僕を愛してやみません~

すめらぎかなめ(夏琳トウ)

文字の大きさ
上 下
45 / 67
第1部 第4章 最悪とハジメテ

⑮【※】

しおりを挟む
 しばらくして、キリアンの唇が離れていく。

 僕はキリアンを見つめた。僕たちの口元を伝うのは銀色の糸。

「――キリアン」

 彼が愛おしくてたまらなくて、僕の口は無意識のうちにキリアンを呼ぶ。

 キリアンが息を呑んで、僕の身体を起こした。

「後ろ、向けるか?」

 問いかけられて、僕は首を縦に振った。

 四つん這いの体勢をとるのは恥ずかしいけど、必要なことだと自分に言い聞かせる。

「こ、こうで、いいの――?」

 キリアンのほうに臀部を向けるかたちになると、彼が「あぁ」と返事をしてくれる。ついでとばかりに、僕の頭のてっぺんにキスを落としてくれた。

「苦しかったら、きちんと言ってくれ」
「う、うん……ぁっ」

 窄まりに濡れた指を押し当てられたのがわかった。

 僕が息を呑むとほぼ同時に、窄まりにキリアンの指が挿ってくる。

「んっ、ぁっ……!」

 指がどんどん奥へと吞み込まれていく。

 苦しくて、僕の息が上がってくる。身体を支える腕がプルプルと震えていた。

「ジェリー、指を増やすぞ」

 背後から聞こえる声に返事をするように首を縦に振ると、後孔に埋まる質感が増えたのがわかった。

「き、キリアン――」
「苦しいか?」

 問いかけの答えに迷った。

 苦しいのは間違いない。けど、続けてほしいとは思っている。

「苦しいよ……でも、続けて」
「――だが」

 キリアンがためらっているのがわかる。

 キリアンはとっても優しいから。僕が苦しむ姿を見たくないんだろう。

「大丈夫……僕も、キリアンが欲しいから――」

 とぎれとぎれになりつつも、必死に自分の気持ちを言葉にした。キリアンが息を漏らして、後孔に挿しこんだ指を動かし始める。

「ぁ、あっ! やぁっ――!」

 初めはゆっくりと単調な動きを繰り返される。

 でも、硬い腸壁がほぐれてきたのがわかったのか、キリアンの指が徐々にバラバラの動きをとりはじめた。

 僕のいいところを探るみたいにうごめく指。僕のナカをかき回す。

「ひぅっ、ぁああっ!」

 僕の腕が震えている。それでもと思って必死に体勢を保っていると、身体に強い快楽が走って。

 僕のナカがぎゅうって締まって、キリアンの指を締め付けてしまった。

「――ここが、いいのか?」

 確認とばかりに指でそこを刺激された。

 首を縦に振ることしか出来ない。

「いいの、そこ、いぃの――!」

 気が付いたら、僕の陰茎はまた熱を持ち昂り始めている。

「そうか。じゃあ、もっと触ってやろうな」

 僕の耳に唇を近づけて、一度だけぺろりと舐めて。キリアンは指をさらに激しく動かし始めた。

「なぁ、ジェリー。指が三本も挿っているの、わかるか?」

 そんなことを言われても、わかるわけがない。

 首を横に振ると、キリアンが声を上げて笑う。笑い声が僕にはいじわるな声に聞こえてしまった。振り返って、キリアンを見つめる。

「い、いじわるっ!」

 抗議の意味をこめてキリアンをにらみつけるものの、涙で潤んでいる目では大した威力なんてないだろう。

 キリアンが笑う。

「あぁ、いじわるだ。あんりにもジェリーが可愛いから、いじわるをしたくなる」

 キリアンの指が、僕の後孔から引き抜かれた。

 引き抜かれた刺激で、僕は耐え切れなくなった。崩れ落ちて突っ伏してしまう。

「ぁ、あっ」
「ジェリー、可愛いな。ここが物欲しそうにひくついてるぞ」

 キリアンが僕の窄まりを指で撫でて、言う。

 恥ずかしいから、言わないでほしいのに――僕の身体はさらに昂る。熱が冷めることはない。

 屹立が痛いほどに張りつめていて、お腹の奥が熱くてたまらない。

 キリアンのほうを一瞥すると、彼がスラックスの前をくつろげているところだった。

 張りつめたソコが、僕の視界に映る。僕のよりも、ずっと大きくて太い。

 僕は息を呑んでしまう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

発情薬

寺蔵
BL
【完結!漫画もUPしてます】攻めの匂いをかぐだけで発情して動けなくなってしまう受けの話です。  製薬会社で開発された、通称『発情薬』。  業務として治験に選ばれ、投薬を受けた新人社員が、先輩の匂いをかぐだけで発情して動けなくなったりします。  社会人。腹黒30歳×寂しがりわんこ系23歳。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜 ・話の流れが遅い ・作者が話の進行悩み過ぎてる

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

いつかコントローラーを投げ出して

せんぷう
BL
 オメガバース。世界で男女以外に、アルファ・ベータ・オメガと性別が枝分かれした世界で新たにもう一つの性が発見された。  世界的にはレアなオメガ、アルファ以上の神に選別されたと言われる特異種。  バランサー。  アルファ、ベータ、オメガになるかを自らの意思で選択でき、バランサーの状態ならどのようなフェロモンですら影響を受けない、むしろ自身のフェロモンにより周囲を調伏できる最強の性別。  これは、バランサーであることを隠した少年の少し不運で不思議な出会いの物語。  裏社会のトップにして最強のアルファ攻め  ×  最強種バランサーであることをそれとなく隠して生活する兄弟想いな受け ※オメガバース特殊設定、追加性別有り .

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

処理中です...