上 下
44 / 66
第1部 第4章 最悪とハジメテ

⑭【※】

しおりを挟む
「ひぐっぅ、ぁ、やぁっ――!」

 キリアンの指が僕の乳首を捏ねるように動く。

 それだけの刺激で、僕の身体は打ち上げられた魚のように跳ね続ける。

 陰茎の先端から先走りがとろとろと溢れて、下穿きを濡らしているのがよくわかった。

「ぅぁ、きりあん……」

 爪でカリカリと引っかかれて、乳首がどんどん硬くなっていく。

 僕を見るキリアンの目が、捕食者のものになっていく。元から獰猛だったのに、今はもっと強い色欲を宿していた。

 ――その目を見ていると、僕はキリアンが欲しくてたまらなくなる。

「どうした。――もっと、してほしいのか?」

 キリアンが問いかけてくる。僕は少し迷って、うなずいた。

 すると、キリアンが空いているほうの僕の乳首を唇で咥えた。舌先でチロチロと刺激されると、僕の口から耐えきれなかった声がこぼれる。

「だ、め、それはダメ、だからっ――!」

 こんなの、ダメだって――!

 まるで女の子にでもなったような気分だ。

「っはぁ、ジェリーの乳首は甘いな。ずっと、舐めていたいくらいだ」

 キリアンがつぶやいて、僕の乳首をじゅうっと吸い上げた。

 小さな刺激なのに、今の僕の身体では大きな刺激となる。腰を跳ねさせてしまう。

 先走りで濡れた下着がとても気持ち悪い。

「キリアン……だめ――!」
「なにがダメなんだ。こんな、よさそうにしているのに」

 彼の手が僕の身体をするりと撫でて、下肢に伸びる。

 スラックス越しに昂った屹立に触られると、僕の喉から甲高い声が漏れた。

「すごく興奮してるな」
「やっ、いわ、ないで」
「もう脱いだほうがよさそうだし、脱がせるぞ」

 僕のベルトにキリアンが片手を伸ばす。片手なのに器用だ。

 その間も僕の乳首は絶えず刺激されている。けど、僕は頑張って腰を上げてスラックスと下穿きを脱ぐのに協力した。

 キリアンはまだ脱いでいないのに――僕だけが、一糸まとわぬ姿をさらしている。

 恥ずかしいはずなのに、どうでもいいという気持ちもあって。

「ジェリーのここ、もうぐっちゃぐちゃだ」

 キリアンの指が僕の陰茎の先っぽに触れた。……言葉通りの状態だった。

「一回出したほうがよさそうだな。このままだと苦しいだろうから」

 当然のように言って、キリアンが僕の返答を聞く前に手を動かす。

 溢れた先走りを手のひらに絡めて、竿の部分をしごいていく。どんどん硬くなる僕の屹立を見て、キリアンが口元を歪めた。

「――気持ちいいだろ?」

 笑ったキリアンが問いかけてくる。

 僕は戸惑うことしか出来なかった。キリアンの手のひらと、先走りのぬめり。不規則に動く手が、僕に絶頂を促していく。

「き、りあん――!」

 人に触られるのは初めてだ。

 だから、ほかの人に触れられるのがこんなにも気持ちいいなんて、知らなかった。

「ジェリー、可愛いな。いい子だ」

 耳元で甘い声でささやかれる。声はとっても優しいのに、陰茎をしごく手はちっとも優しくない。

 容赦なく僕を絶頂に押し上げようとしていて、快楽の渦にたたき落とそうともしている。

「ひぐっ、だめ、きりあん、もうダメだから――!」

 襲いくる絶頂の予感に、僕は首を必死に横に振った。

 このままだったら、キリアンの手を汚しちゃうから――!

「あぁ、出していいぞ。……ほら」
「ダメ、汚しちゃうから!」
「汚してもいい」

 キリアンはそう言うけど――!

 なんて思っても、絶頂に抗うことはできなかった。

「あぁっ、だめ、だめ――!」

 甲高い声を上げて、僕は絶頂した。

 陰茎の先端から白濁がほとばしり、キリアンの手を汚す。

「ジェリー、上手にイったな」

 キリアンがささやいて、僕の唇に自分の唇を重ねた。

「んっ」

 唇はとても甘かった。僕は無我夢中でキリアンの口づけに応える。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

ヤンデレ執着系イケメンのターゲットな訳ですが

街の頑張り屋さん
BL
執着系イケメンのターゲットな僕がなんとか逃げようとするも逃げられない そんなお話です

地味顔陰キャな俺。異世界で公爵サマに拾われ、でろでろに甘やかされる

冷凍湖
BL
人生だめだめな陰キャくんがありがちな展開で異世界にトリップしてしまい、公爵サマに拾われてめちゃくちゃ甘やかされるウルトラハッピーエンド アルファポリスさんに登録させてもらって、異世界がめっちゃ流行ってることを知り、びっくりしつつも書きたくなったので、勢いのまま書いてみることにしました。 他の話と違って書き溜めてないので更新頻度が自分でも読めませんが、とにかくハッピーエンドになります。します! 6/3 ふわっふわな話の流れしか考えずに書き始めたので、サイレント修正する場合があります。 公爵サマ要素全然出てこなくて自分でも、んん?って感じです(笑)。でもちゃんと公爵ですので、公爵っぽさが出てくるまでは、「あー、公爵なんだなあー」と広い心で見ていただけると嬉しいです、すみません……!

突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています

ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた 魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。 そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。 だがその騎士にも秘密があった―――。 その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。

魔王様の瘴気を払った俺、何だかんだ愛されてます。

柴傘
BL
ごく普通の高校生東雲 叶太(しののめ かなた)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。 そこで初めて出会った大型の狼の獣に助けられ、その獣の瘴気を無意識に払ってしまう。 すると突然獣は大柄な男性へと姿を変え、この世界の魔王オリオンだと名乗る。そしてそのまま、叶太は魔王城へと連れて行かれてしまった。 「カナタ、君を私の伴侶として迎えたい」 そう真摯に告白する魔王の姿に、不覚にもときめいてしまい…。 魔王×高校生、ド天然攻め×絆され受け。 甘々ハピエン。

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!

天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。 なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____ 過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定 要所要所シリアスが入ります。

処理中です...