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本編
②
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ノアムとは、【星をちりばめた恋】に登場するモブだ。
モブといっても、ルドヴィックの回想の中にトラウマとして登場するモブ中のモブ。本編シナリオでは登場していない。
ルドヴィックとノアムは母親同士が仲が良く、小さなころから交流があった。
病弱でベッドの上が世界のすべてだったノアムを不憫に思った母が、ルドヴィックにノアムの話し相手をお願いする。
七歳で出逢った二人は、十歳までは仲良しだった。それこそ、親友といっても過言じゃなかった。
ルドヴィックと出逢ってからノアムは徐々に元気になる。そして、ノアムの十歳の誕生日。ルドヴィックはノアムを屋敷から連れ出した。
それは決して悪気があってのことじゃない。ただ、ノアムが外の景色が見てみたいと言ったから、叶えようとしただけ。
しかし、ルドヴィックが目を離したとき。ノアムは刺される。それも――ルドヴィックに間違えられて。
目の前で刺された幼馴染を見たとき、ルドヴィックは感情のバランスを崩して――体内の魔力を暴走させてしまうのだ。
(そうそう、あのときみたいに――)
一人でうなっていたとき、はっとした。
ゲームの場面で、ルドヴィックはとんでもない暴風を起こした。俺、ノアムの意識を失う前の最後の記憶は――すさまじい暴風だった。
(え、待って。これって――トラウマ一歩手前では?)
ルドヴィックのトラウマとは、目の前で幼馴染が刺され死にかけたことではない。魔力を暴走させたことでもない。もちろん、これも多少はあるだろう。けど、一番はそのあと幼馴染からかけられた言葉だ。
(――このままだと俺は推しのトラウマ!?)
ゲーム通りの世界にするなら、俺は推しのトラウマになるべきだ。
でも、俺自身は嫌だ。推しにのトラウマになんてなりたくない! 推しをわざと傷つけるなんて絶対に嫌だ。
(けど、どうすればいいんだろ。俺が変な行動をして、シナリオ通りに動かなくなったら)
それはそれで、困る。せっかくこの世界に転生したのだ。生でシナリオみたいじゃんか。
あと、俺はあくまでもモブ。モブの中のモブだ。主張などしてはならない。
モブとはシナリオの中の歯車である。一つが欠けてしまうだけで、シナリオは正常に動かなくなることが多い。
「俺、どうしたらいいんだ……」
ノアムは声変わりもまだなようで、高い声だった。
窓に映る自分の顔を見る。茶髪に黒目。容姿からして、トップオブモブ。
「比べ、ルドヴィックは金髪で青目なんだよなぁ。見た目からしてメインだよ。王子だよ」
正しくは伯爵令息だけど――と、現実逃避をしている場合ではない。
俺は一人考える。考えて、考えて――頭が沸騰して、倒れた。
その後、俺は三日ほど高熱にうなされることになる。どうやらこのノアムという少年の身体は、俺が想像するよりもずっと――弱いらしい。
(俺、この身体でやっていけるのか?)
不安を覚えた。
ちなみに、ノアムの両親はとんでもない親ばかで、過保護だった。それはもう、鬱陶しいほどに。
そして、目を覚まして一週間が経ち。俺の元に神妙な面持ちの両親がやってきた。
「ねぇ、ノアム。ルドヴィックくんが来ているの。……あなたに謝りたいんだって」
ノアムと同じ黒色の瞳を揺らした母の言葉に、俺は息をのんだ。
いよいよだ。ここからの選択で、俺が推しのトラウマになるかどうかが決まる。
――正念場だ。
モブといっても、ルドヴィックの回想の中にトラウマとして登場するモブ中のモブ。本編シナリオでは登場していない。
ルドヴィックとノアムは母親同士が仲が良く、小さなころから交流があった。
病弱でベッドの上が世界のすべてだったノアムを不憫に思った母が、ルドヴィックにノアムの話し相手をお願いする。
七歳で出逢った二人は、十歳までは仲良しだった。それこそ、親友といっても過言じゃなかった。
ルドヴィックと出逢ってからノアムは徐々に元気になる。そして、ノアムの十歳の誕生日。ルドヴィックはノアムを屋敷から連れ出した。
それは決して悪気があってのことじゃない。ただ、ノアムが外の景色が見てみたいと言ったから、叶えようとしただけ。
しかし、ルドヴィックが目を離したとき。ノアムは刺される。それも――ルドヴィックに間違えられて。
目の前で刺された幼馴染を見たとき、ルドヴィックは感情のバランスを崩して――体内の魔力を暴走させてしまうのだ。
(そうそう、あのときみたいに――)
一人でうなっていたとき、はっとした。
ゲームの場面で、ルドヴィックはとんでもない暴風を起こした。俺、ノアムの意識を失う前の最後の記憶は――すさまじい暴風だった。
(え、待って。これって――トラウマ一歩手前では?)
ルドヴィックのトラウマとは、目の前で幼馴染が刺され死にかけたことではない。魔力を暴走させたことでもない。もちろん、これも多少はあるだろう。けど、一番はそのあと幼馴染からかけられた言葉だ。
(――このままだと俺は推しのトラウマ!?)
ゲーム通りの世界にするなら、俺は推しのトラウマになるべきだ。
でも、俺自身は嫌だ。推しにのトラウマになんてなりたくない! 推しをわざと傷つけるなんて絶対に嫌だ。
(けど、どうすればいいんだろ。俺が変な行動をして、シナリオ通りに動かなくなったら)
それはそれで、困る。せっかくこの世界に転生したのだ。生でシナリオみたいじゃんか。
あと、俺はあくまでもモブ。モブの中のモブだ。主張などしてはならない。
モブとはシナリオの中の歯車である。一つが欠けてしまうだけで、シナリオは正常に動かなくなることが多い。
「俺、どうしたらいいんだ……」
ノアムは声変わりもまだなようで、高い声だった。
窓に映る自分の顔を見る。茶髪に黒目。容姿からして、トップオブモブ。
「比べ、ルドヴィックは金髪で青目なんだよなぁ。見た目からしてメインだよ。王子だよ」
正しくは伯爵令息だけど――と、現実逃避をしている場合ではない。
俺は一人考える。考えて、考えて――頭が沸騰して、倒れた。
その後、俺は三日ほど高熱にうなされることになる。どうやらこのノアムという少年の身体は、俺が想像するよりもずっと――弱いらしい。
(俺、この身体でやっていけるのか?)
不安を覚えた。
ちなみに、ノアムの両親はとんでもない親ばかで、過保護だった。それはもう、鬱陶しいほどに。
そして、目を覚まして一週間が経ち。俺の元に神妙な面持ちの両親がやってきた。
「ねぇ、ノアム。ルドヴィックくんが来ているの。……あなたに謝りたいんだって」
ノアムと同じ黒色の瞳を揺らした母の言葉に、俺は息をのんだ。
いよいよだ。ここからの選択で、俺が推しのトラウマになるかどうかが決まる。
――正念場だ。
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