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第1章
妹の婚約話 1
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ローゼ・レーヴェンはシャハナー王国の末端子爵家レーヴェン家に生まれた。五人の弟妹がおり、長女として育ってきたローゼは大層しっかりとした性格に育った。
十三歳まではいたって普通の貴族令嬢として生活をしていたローゼではあるが、十三歳のときに転機が訪れる。
それこそ……父と母が落石事故に巻き込まれたことだった。
二人は一命こそ取り留めたものの、上手く働けなくなった。特に母は足を悪くし、今でも杖を突いて生活しているほどだ。
その結果、レーヴェン子爵家はみるみるうちに貧乏に。ローゼは十五歳で騎士団に入団し、女騎士として稼ぐことを選んだ。
ちなみに、今ではローゼが一家の大黒柱と言っても過言ではない。むしろ、ローゼの収入なくしてこのレーヴェン子爵家はやっていけないほどだ。
それから十年。二十三歳になったローゼは騎士団でも中堅に属する騎士になった。ただ一つ問題があるとすれば……それこそ、嫁き遅れになってしまったということだろうか。
「え、エリーが婚約!?」
その日、ローゼは実家の屋敷に戻ってきていた。シャハナー王国の独身の騎士は基本的に騎士団の寄宿舎で生活をする。女騎士もそれは例外ではなく、休日以外は基本的に寄宿舎暮らしだ。もちろん、結婚すれば自宅から通うことも可能である。けれど、女騎士は結婚を機に仕事を辞めてしまう者がほとんどであり、騎士団に現在既婚者の女騎士はいない。
そして、ローゼが自宅でゆっくりとしていたとき。ふと、母親に呼び出され――三つ年下の妹エリーに婚約話が持ち上がっているという話を教えてくれたのだ。
「まぁ、そういう話が持ち上がっているというだけだけれどね。……エリー、どうにも前々からお付き合いしていた人がいたらしくて……」
母が肩をすくめながらそう言ってくる。
……そんなもの、ローゼも初耳である。
「わ、私も、今初めて知ったわ……」
ぼうっとしながらそう言葉を返せば、母は目をぱちぱちと瞬かせた。どうやら、ローゼは知っていたと思っていたらしい。
「そうなのね。……ただ、問題があって」
「……問題?」
「そう。そのお付き合いしている方は、伯爵家の嫡男なのだけれど……」
そこまで言って、母が露骨に眉を下げた。
なので、ローゼは大体言いたいことを悟る。
(持参金の問題ね……)
このシャハナー王国の貴族同士の結婚には、なくしてはならないものがある。それが――花嫁側が用意する『持参金』である。
特に伯爵以上の爵位を持つ家は持参金を求めてくる。先ほど母は伯爵家の嫡男だと言っていたので、きっと持参金を求められたのだろう。
「持参金のことでしょ?」
ローゼが淡々とそう問いかければ、母がこくんと首を縦に振る。
「伯爵家のお方だから、相当な額は求めてくるでしょうね」
「えぇ、そうなのよ。しかも、相手側の母親が持参金なくして息子との結婚は許さないとおっしゃっていて……」
頬に手を当てながら、母がのんびりとそう言ってくる。
それはまぁ、ローゼにも大体予想出来ていたことだ。
(お相手のお母様ということは、相当古い考えの持ち主だろうし……まぁ、そうなって当然よね)
ローゼは一人そう納得する。
「エリーには悪いけれど、この婚約話はなかったことにしてもらおうかと、思っているのよ」
ゆるゆると首を横に振りつつ、母がそういう。
でも、ローゼはその言葉に同意できなかった。
(……でも、こんなことを言っていてはエリーも私と同じ道をたどってしまうのではないかしら?)
ローゼは完全な嫁き遅れだ。周囲から後ろ指を指されつつも、女騎士として頑張って国に尽くしている。
だけど、エリーはどうだろうか? 心優しい彼女のことだ。外野の言葉を真に受け、傷つくのではないだろうか?
(そんなの、許せるわけがないわ。私はまぁ、たくましかったからいいけれど……)
長年騎士団で鍛えられたこともあり、ローゼは心身ともにたくましかった。
当時はそれを嫌がっていたが、今ではそれに関しては感謝している。
悪口しか言わない他人など、放っておけ。そう教えてくれた師に関しては、未だに尊敬しているほどだ。
「……母さん」
しっかりと母の目を見て、ローゼが言葉を発する。そうすれば、母はぱちぱちと目を瞬かせた。
「私、少しエリーと話しをするわ。……婚約の話を進めるにしろ、断るにしろ。それからでも、遅くはないでしょ?」
「まぁ、そうだけれど……」
母の言葉は歯切れが悪い。
大方、これ以上ローゼに負担はかけたくないと思っているのだろう。こういうところを、本当にエリーは色濃く受け継いだのだな、と思って感心してしまう。
「じゃあ、私、今からエリーと話をしてくるから」
「……任せたわ」
「はぁい」
母もこうは言っているが、エリーに結婚してほしいはずだ。長女であるローゼがこうなってしまった今、次女のエリーには結婚してほしいと、幸せな結婚生活を送ってほしいと思っているはず……である。
(けれど、持参金かぁ……)
相場を思い出して、気が遠くなりそうになる。
でも……と思い直し、ローゼはエリーの部屋に向かって屋敷の階段を上っていく。屋敷の階段の隅には埃が溜まっており、掃除が行き届いていないことは明確だった。
十三歳まではいたって普通の貴族令嬢として生活をしていたローゼではあるが、十三歳のときに転機が訪れる。
それこそ……父と母が落石事故に巻き込まれたことだった。
二人は一命こそ取り留めたものの、上手く働けなくなった。特に母は足を悪くし、今でも杖を突いて生活しているほどだ。
その結果、レーヴェン子爵家はみるみるうちに貧乏に。ローゼは十五歳で騎士団に入団し、女騎士として稼ぐことを選んだ。
ちなみに、今ではローゼが一家の大黒柱と言っても過言ではない。むしろ、ローゼの収入なくしてこのレーヴェン子爵家はやっていけないほどだ。
それから十年。二十三歳になったローゼは騎士団でも中堅に属する騎士になった。ただ一つ問題があるとすれば……それこそ、嫁き遅れになってしまったということだろうか。
「え、エリーが婚約!?」
その日、ローゼは実家の屋敷に戻ってきていた。シャハナー王国の独身の騎士は基本的に騎士団の寄宿舎で生活をする。女騎士もそれは例外ではなく、休日以外は基本的に寄宿舎暮らしだ。もちろん、結婚すれば自宅から通うことも可能である。けれど、女騎士は結婚を機に仕事を辞めてしまう者がほとんどであり、騎士団に現在既婚者の女騎士はいない。
そして、ローゼが自宅でゆっくりとしていたとき。ふと、母親に呼び出され――三つ年下の妹エリーに婚約話が持ち上がっているという話を教えてくれたのだ。
「まぁ、そういう話が持ち上がっているというだけだけれどね。……エリー、どうにも前々からお付き合いしていた人がいたらしくて……」
母が肩をすくめながらそう言ってくる。
……そんなもの、ローゼも初耳である。
「わ、私も、今初めて知ったわ……」
ぼうっとしながらそう言葉を返せば、母は目をぱちぱちと瞬かせた。どうやら、ローゼは知っていたと思っていたらしい。
「そうなのね。……ただ、問題があって」
「……問題?」
「そう。そのお付き合いしている方は、伯爵家の嫡男なのだけれど……」
そこまで言って、母が露骨に眉を下げた。
なので、ローゼは大体言いたいことを悟る。
(持参金の問題ね……)
このシャハナー王国の貴族同士の結婚には、なくしてはならないものがある。それが――花嫁側が用意する『持参金』である。
特に伯爵以上の爵位を持つ家は持参金を求めてくる。先ほど母は伯爵家の嫡男だと言っていたので、きっと持参金を求められたのだろう。
「持参金のことでしょ?」
ローゼが淡々とそう問いかければ、母がこくんと首を縦に振る。
「伯爵家のお方だから、相当な額は求めてくるでしょうね」
「えぇ、そうなのよ。しかも、相手側の母親が持参金なくして息子との結婚は許さないとおっしゃっていて……」
頬に手を当てながら、母がのんびりとそう言ってくる。
それはまぁ、ローゼにも大体予想出来ていたことだ。
(お相手のお母様ということは、相当古い考えの持ち主だろうし……まぁ、そうなって当然よね)
ローゼは一人そう納得する。
「エリーには悪いけれど、この婚約話はなかったことにしてもらおうかと、思っているのよ」
ゆるゆると首を横に振りつつ、母がそういう。
でも、ローゼはその言葉に同意できなかった。
(……でも、こんなことを言っていてはエリーも私と同じ道をたどってしまうのではないかしら?)
ローゼは完全な嫁き遅れだ。周囲から後ろ指を指されつつも、女騎士として頑張って国に尽くしている。
だけど、エリーはどうだろうか? 心優しい彼女のことだ。外野の言葉を真に受け、傷つくのではないだろうか?
(そんなの、許せるわけがないわ。私はまぁ、たくましかったからいいけれど……)
長年騎士団で鍛えられたこともあり、ローゼは心身ともにたくましかった。
当時はそれを嫌がっていたが、今ではそれに関しては感謝している。
悪口しか言わない他人など、放っておけ。そう教えてくれた師に関しては、未だに尊敬しているほどだ。
「……母さん」
しっかりと母の目を見て、ローゼが言葉を発する。そうすれば、母はぱちぱちと目を瞬かせた。
「私、少しエリーと話しをするわ。……婚約の話を進めるにしろ、断るにしろ。それからでも、遅くはないでしょ?」
「まぁ、そうだけれど……」
母の言葉は歯切れが悪い。
大方、これ以上ローゼに負担はかけたくないと思っているのだろう。こういうところを、本当にエリーは色濃く受け継いだのだな、と思って感心してしまう。
「じゃあ、私、今からエリーと話をしてくるから」
「……任せたわ」
「はぁい」
母もこうは言っているが、エリーに結婚してほしいはずだ。長女であるローゼがこうなってしまった今、次女のエリーには結婚してほしいと、幸せな結婚生活を送ってほしいと思っているはず……である。
(けれど、持参金かぁ……)
相場を思い出して、気が遠くなりそうになる。
でも……と思い直し、ローゼはエリーの部屋に向かって屋敷の階段を上っていく。屋敷の階段の隅には埃が溜まっており、掃除が行き届いていないことは明確だった。
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