『え?みんな弱すぎない?』現代では俺の魔法は古代魔法で最強でした!100年前の勇者パーティーの魔法使いがまた世界を救う

さかいおさむ

文字の大きさ
上 下
58 / 77
第三章 エルフの森

58

しおりを挟む
「す、すごい! お姉ちゃん魔法も使えるんだ!」
「ふっ、魔法が本職だ。しかし……最後の一体、アレはデケェな……今までの二体とはレベルが違うぞ?」
 アルカンタラは渋い顔で戦闘を見守る。

 ミルリーフは片手に剣を持ち、片手をモンスターに向けて魔法を放つ、雷魔法だ。
 それほどの威力はないが、モンスターは突然の雷撃にひるむ。その隙をミルリーフは見逃さない。

 ミルリーフは剣を両手で握り込み、モンスターに斬りかかる。
「くらえっ!」

『ミシッ!』
 しかし、ミルリーフの剣がモンスターに当たる時、剣が軋んだ。

「ん?」
 アルカンタラも剣の軋みに気づいた。

「おかしいわね……なんか剣の調子が……?」
 モンスターの皮膚が硬いということもあるが、明らかに手応えがおかしかった。
 モンスターはダメージを負う事なくミルリーフに襲いかかる。

「くっ!」
 ミルリーフは今度は炎魔法をモンスターの目を狙い放つ。
 熱さに悶えるモンスター、再びミルリーフは剣で斬りかかる。

『ミシッ!』
 やはりダメだ、ミルリーフの剣は斬り込めない。

「おかしいわ……!? どうしたっていうの?」

 動揺するミルリーフにモンスターの尻尾が襲いかかる。
 ミルリーフの体に直撃し、吹き飛ばされる。

「あぁ……お姉ちゃん……どうしたの? 剣が壊れたの?」
「……いや、壊れた訳じゃなさそうだが……あの剣じゃミルリーフの力に耐えられないのか……?」
「そんな……お兄ちゃん! 助けてあげてよ!」
 少年は涙目になっている。

「うーん、しかしなぁ……」
 アルカンタラもどうするべきか迷っていた。1人で戦うと決意した戦士を外から助けていいものなのか? と。


「ぐぐぐ……」
 地面に横たわるミルリーフ。モンスターの攻撃は止まらない。
 ギリギリの回避をし、魔法で応戦するミルリーフ。
 しかし、徐々に追い込まれ意識が朦朧としてくる。

「……はぁはぁ、マズいわね。あと1発が限界ってところかしら……」
 ミルリーフは手に握る剣を見つめる。ボロボロの体、あと剣を振るのは一回が限界だろう。

「おい、ミルリーフ! 一旦引け!」
 さすがの状況にアルカンタラは大声で叫ぶ。アルカンタラの声にミルリーフも気づくが。

「はぁはぁ……ナメないでちょうだい! やられそうなったら助けてもらうなんて……そんな事できる訳ないでしょ! 私は……勇者の子孫なのよ!」
 ミルリーフはさらに力強く剣を握り、薄れゆく意識に喝を入れる。

「アルカンタラ……勝手に助けたら……ぶっ飛ばすわよ!」
 ミルリーフは剣を構える。

「アイツ……ふっ、なかなか言うじゃねぇか」
 アルカンタラはミルリーフの姿にソーサーを重ねていた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

処理中です...