『え?みんな弱すぎない?』現代では俺の魔法は古代魔法で最強でした!100年前の勇者パーティーの魔法使いがまた世界を救う

さかいおさむ

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第三章 エルフの森

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「す、すごい! お姉ちゃん魔法も使えるんだ!」
「ふっ、魔法が本職だ。しかし……最後の一体、アレはデケェな……今までの二体とはレベルが違うぞ?」
 アルカンタラは渋い顔で戦闘を見守る。

 ミルリーフは片手に剣を持ち、片手をモンスターに向けて魔法を放つ、雷魔法だ。
 それほどの威力はないが、モンスターは突然の雷撃にひるむ。その隙をミルリーフは見逃さない。

 ミルリーフは剣を両手で握り込み、モンスターに斬りかかる。
「くらえっ!」

『ミシッ!』
 しかし、ミルリーフの剣がモンスターに当たる時、剣が軋んだ。

「ん?」
 アルカンタラも剣の軋みに気づいた。

「おかしいわね……なんか剣の調子が……?」
 モンスターの皮膚が硬いということもあるが、明らかに手応えがおかしかった。
 モンスターはダメージを負う事なくミルリーフに襲いかかる。

「くっ!」
 ミルリーフは今度は炎魔法をモンスターの目を狙い放つ。
 熱さに悶えるモンスター、再びミルリーフは剣で斬りかかる。

『ミシッ!』
 やはりダメだ、ミルリーフの剣は斬り込めない。

「おかしいわ……!? どうしたっていうの?」

 動揺するミルリーフにモンスターの尻尾が襲いかかる。
 ミルリーフの体に直撃し、吹き飛ばされる。

「あぁ……お姉ちゃん……どうしたの? 剣が壊れたの?」
「……いや、壊れた訳じゃなさそうだが……あの剣じゃミルリーフの力に耐えられないのか……?」
「そんな……お兄ちゃん! 助けてあげてよ!」
 少年は涙目になっている。

「うーん、しかしなぁ……」
 アルカンタラもどうするべきか迷っていた。1人で戦うと決意した戦士を外から助けていいものなのか? と。


「ぐぐぐ……」
 地面に横たわるミルリーフ。モンスターの攻撃は止まらない。
 ギリギリの回避をし、魔法で応戦するミルリーフ。
 しかし、徐々に追い込まれ意識が朦朧としてくる。

「……はぁはぁ、マズいわね。あと1発が限界ってところかしら……」
 ミルリーフは手に握る剣を見つめる。ボロボロの体、あと剣を振るのは一回が限界だろう。

「おい、ミルリーフ! 一旦引け!」
 さすがの状況にアルカンタラは大声で叫ぶ。アルカンタラの声にミルリーフも気づくが。

「はぁはぁ……ナメないでちょうだい! やられそうなったら助けてもらうなんて……そんな事できる訳ないでしょ! 私は……勇者の子孫なのよ!」
 ミルリーフはさらに力強く剣を握り、薄れゆく意識に喝を入れる。

「アルカンタラ……勝手に助けたら……ぶっ飛ばすわよ!」
 ミルリーフは剣を構える。

「アイツ……ふっ、なかなか言うじゃねぇか」
 アルカンタラはミルリーフの姿にソーサーを重ねていた。
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