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第二章 冒険者ギルド
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「……ところで嬢ちゃん、アンタ剣を持っていないようだが?」
ドワーフはミルリーフにチラリと視線をやり、不思議そうに尋ねる。
「はい、私は魔法使いなんですよ。だから剣はもってないですね」
「そうなのか……勇者の子孫が魔法使いとは少し寂しいのう。魔法使いならアルカンタラで間に合っとるじゃろ」
「間に合ってるって……おい」アルカンタラが言う。
「うちの家系は代々、子供には剣の稽古をつけるので、少しくらいなら扱い方は教わってますけどね」
「ほう、ならこれからは剣も使ってみるといいぞ? 魔法も使えるなら『魔法剣』って手もあるのう」
「魔法剣?」ミルリーフが首を傾げる。
「ああ、剣と魔法の合わせ技じゃ。これがなかなか難しい。ソーサーも使いこなせなかったなぁ。
アゼリの血も引いてる嬢ちゃんなら、あるいは使いこなせるかもしれん」
「剣か……分かりました。しばらく触っていなかったので少しずつ練習していきます」
「うん、それがええ。魔族を倒すにはアルカンタラだけでは無理じゃぞ? アンタももっと強くならないといけない。
いつだって魔王を倒す最後の一撃は勇者の剣だ」
こうしてアルカンタラたちはドワーフと別れた。
ドワーフは暗黒水晶の情報を探るべく、仲間に会いに行くとのことだった。
アルカンタラ達の目的が決まった。
様々な種族に会いに行き、それぞれの種族の宝である宝玉を集める。
それを精霊の元へ持って行き、暗黒水晶を破壊する兵器を作ってもらう、というものだ。
「ふう、まったく、大冒険になりそうだな……」
アルカンタラは舌打ちをするが顔は笑っている。
「そうね。私はこんな冒険初めてだから、少し楽しみだわ」
「へっ、足引っ張んじゃねぇぞ」
「もう、またそんなこと言って!」
はじめの目的地はエルフの森だ。
「とりあえず今日はポピーちゃんの家に戻りましょう。ポピーちゃんのお父さんならエルフとか精霊とかも詳しそうじゃない?」
「あー……間違いなく詳しそうだな……。聞いてもないことまでペラペラ話そうだ……まあ、今はそのほうが助かるか」
アルカンタラはほろ酔い気分でポピーの家へと戻った。
ドワーフはミルリーフにチラリと視線をやり、不思議そうに尋ねる。
「はい、私は魔法使いなんですよ。だから剣はもってないですね」
「そうなのか……勇者の子孫が魔法使いとは少し寂しいのう。魔法使いならアルカンタラで間に合っとるじゃろ」
「間に合ってるって……おい」アルカンタラが言う。
「うちの家系は代々、子供には剣の稽古をつけるので、少しくらいなら扱い方は教わってますけどね」
「ほう、ならこれからは剣も使ってみるといいぞ? 魔法も使えるなら『魔法剣』って手もあるのう」
「魔法剣?」ミルリーフが首を傾げる。
「ああ、剣と魔法の合わせ技じゃ。これがなかなか難しい。ソーサーも使いこなせなかったなぁ。
アゼリの血も引いてる嬢ちゃんなら、あるいは使いこなせるかもしれん」
「剣か……分かりました。しばらく触っていなかったので少しずつ練習していきます」
「うん、それがええ。魔族を倒すにはアルカンタラだけでは無理じゃぞ? アンタももっと強くならないといけない。
いつだって魔王を倒す最後の一撃は勇者の剣だ」
こうしてアルカンタラたちはドワーフと別れた。
ドワーフは暗黒水晶の情報を探るべく、仲間に会いに行くとのことだった。
アルカンタラ達の目的が決まった。
様々な種族に会いに行き、それぞれの種族の宝である宝玉を集める。
それを精霊の元へ持って行き、暗黒水晶を破壊する兵器を作ってもらう、というものだ。
「ふう、まったく、大冒険になりそうだな……」
アルカンタラは舌打ちをするが顔は笑っている。
「そうね。私はこんな冒険初めてだから、少し楽しみだわ」
「へっ、足引っ張んじゃねぇぞ」
「もう、またそんなこと言って!」
はじめの目的地はエルフの森だ。
「とりあえず今日はポピーちゃんの家に戻りましょう。ポピーちゃんのお父さんならエルフとか精霊とかも詳しそうじゃない?」
「あー……間違いなく詳しそうだな……。聞いてもないことまでペラペラ話そうだ……まあ、今はそのほうが助かるか」
アルカンタラはほろ酔い気分でポピーの家へと戻った。
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