66 / 76
66
しおりを挟む
飛び掛かる僕にサクラちゃんは剣を振る。
この剣が当たるほど、僕はもう弱くはない。
攻撃をかわし、僕は剣を振り下ろす。
「くっ!」
当然、サクラちゃんにもこんな攻撃は当たらない。
しかし、その一瞬で僕はサクラちゃんの背後に回り込む。
「アンタね、私のマネしかできないの!?」
サクラちゃんは背中の僕に斬りかかる。
僕はこの攻撃を受けつつ、サクラちゃんの足首を掴む。
「え!?」
サクラちゃんの足を引っ張り、持ち上げ、振りまわす。
「キャーーー!!」
僕を中心にグルグルと宙を舞うサクラちゃん。
「ははは! まるでメリーゴーランドだね! サクラちゃん!」
「やめてぇぇえ! 放してぇぇぇえ!」
この体制では、さすがのサクラちゃんも抵抗出来ずに回り続ける。
「サ、サクラ……」
妹が僕に文字通り振り回され、複雑な表情のアスカさん。
「ふふ、しかたない」
僕が足首を握る手を放すと、サクラちゃんは勢いよく飛んで行った。
「キャーーー!」
部屋に転がるサクラちゃん。
「くっ……アンタね!! あれ? いない……?」
「サクラちゃん、僕の勝ちだ」
「!!」
起き上がるサクラちゃんの首筋に剣を近づける。
「くっ……」
「よし、そこまでだ!」
アスカさんが試合を止める。
「ア、アタシはまだやれるわよ!」
「サクラ、お前の負けだよ」
「でも……」
「サクラ、木本君はまだ魔法を使ってないぞ」
「あ……」
「魔法を使えばもっと簡単にサクラに勝てただろうに、剣だけでお前に勝ったんだよ。完敗だな」
「うぅ……」
悔しがるサクラちゃん。
リベンジマッチは僕の勝利で終わった。
「本当に成長したな木本君」
「いえいえ、みんなおかげですよ」
本当にみんなのおかげだ。
サクラちゃんのおかげで実戦経験の少なさを知り、アスカさんの連れてきてくれたこの施設でバーチャルモンスターとの戦えた。
「もちろん、サクラやバーチャルモンスターとの戦いも効果はあっただろう。
それでも普通はここまで一気に成長したりすることは無い。木本君の元々のレベルの高さが土台にあってのことだろう」
「そうですか……」
「まあやっとレベルに強さが追いついたと言ったところか?」
「い、いやぁ……」
「まだですよ!」
照れる僕にガイドはすかさず言う。
「え?」
「キモオタ君は魔法の使い方が下手すぎます!」
「ああ……確かに……」
さすが精霊、僕の弱点を的確に見抜いている。
「剣に比べて魔法を使わなすぎです。魔法を使うとすぐバテちゃうじゃないですか」
「うぅ……」
「うーん……たしかに魔法を使い過ぎると気を失うからな……よし! ここで魔法も鍛えておこう」
「は、はい……。ちなみに魔法の訓練っていうとなにをするんですか?」
「魔力を上げるにはとにかく魔法を使いまくることです! 使いまくって魔力を空っぽにする。回復したらまた魔力を空っぽにする。その繰り返しで魔力は上がっていきますよ」
「なるほど……だいぶ疲れそうなトレーニングになりそうだな……」
こうして、剣での戦いを極めた? 僕だが、次は魔法の訓練に移っていった。
この剣が当たるほど、僕はもう弱くはない。
攻撃をかわし、僕は剣を振り下ろす。
「くっ!」
当然、サクラちゃんにもこんな攻撃は当たらない。
しかし、その一瞬で僕はサクラちゃんの背後に回り込む。
「アンタね、私のマネしかできないの!?」
サクラちゃんは背中の僕に斬りかかる。
僕はこの攻撃を受けつつ、サクラちゃんの足首を掴む。
「え!?」
サクラちゃんの足を引っ張り、持ち上げ、振りまわす。
「キャーーー!!」
僕を中心にグルグルと宙を舞うサクラちゃん。
「ははは! まるでメリーゴーランドだね! サクラちゃん!」
「やめてぇぇえ! 放してぇぇぇえ!」
この体制では、さすがのサクラちゃんも抵抗出来ずに回り続ける。
「サ、サクラ……」
妹が僕に文字通り振り回され、複雑な表情のアスカさん。
「ふふ、しかたない」
僕が足首を握る手を放すと、サクラちゃんは勢いよく飛んで行った。
「キャーーー!」
部屋に転がるサクラちゃん。
「くっ……アンタね!! あれ? いない……?」
「サクラちゃん、僕の勝ちだ」
「!!」
起き上がるサクラちゃんの首筋に剣を近づける。
「くっ……」
「よし、そこまでだ!」
アスカさんが試合を止める。
「ア、アタシはまだやれるわよ!」
「サクラ、お前の負けだよ」
「でも……」
「サクラ、木本君はまだ魔法を使ってないぞ」
「あ……」
「魔法を使えばもっと簡単にサクラに勝てただろうに、剣だけでお前に勝ったんだよ。完敗だな」
「うぅ……」
悔しがるサクラちゃん。
リベンジマッチは僕の勝利で終わった。
「本当に成長したな木本君」
「いえいえ、みんなおかげですよ」
本当にみんなのおかげだ。
サクラちゃんのおかげで実戦経験の少なさを知り、アスカさんの連れてきてくれたこの施設でバーチャルモンスターとの戦えた。
「もちろん、サクラやバーチャルモンスターとの戦いも効果はあっただろう。
それでも普通はここまで一気に成長したりすることは無い。木本君の元々のレベルの高さが土台にあってのことだろう」
「そうですか……」
「まあやっとレベルに強さが追いついたと言ったところか?」
「い、いやぁ……」
「まだですよ!」
照れる僕にガイドはすかさず言う。
「え?」
「キモオタ君は魔法の使い方が下手すぎます!」
「ああ……確かに……」
さすが精霊、僕の弱点を的確に見抜いている。
「剣に比べて魔法を使わなすぎです。魔法を使うとすぐバテちゃうじゃないですか」
「うぅ……」
「うーん……たしかに魔法を使い過ぎると気を失うからな……よし! ここで魔法も鍛えておこう」
「は、はい……。ちなみに魔法の訓練っていうとなにをするんですか?」
「魔力を上げるにはとにかく魔法を使いまくることです! 使いまくって魔力を空っぽにする。回復したらまた魔力を空っぽにする。その繰り返しで魔力は上がっていきますよ」
「なるほど……だいぶ疲れそうなトレーニングになりそうだな……」
こうして、剣での戦いを極めた? 僕だが、次は魔法の訓練に移っていった。
1
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説

男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…


異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

Link's
黒砂糖デニーロ
ファンタジー
この世界には二つの存在がいる。
人類に仇なす不死の生物、"魔属”
そして魔属を殺せる唯一の異能者、"勇者”
人類と魔族の戦いはすでに千年もの間、続いている――
アオイ・イリスは人類の脅威と戦う勇者である。幼馴染のレン・シュミットはそんな彼女を聖剣鍛冶師として支える。
ある日、勇者連続失踪の調査を依頼されたアオイたち。ただの調査のはずが、都市存亡の戦いと、その影に蠢く陰謀に巻き込まれることに。
やがてそれは、世界の命運を分かつ事態に――
猪突猛進型少女の勇者と、気苦労耐えない幼馴染が繰り広げる怒涛のバトルアクション!

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる