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「木本君! ちょっと待て! サクラと君じゃレベルが違い過ぎる! 危険だ!」
アスカさんは必死に止める。もちろん、そんなことは分かっている。
ツンデレも可愛いが、痛い目にあわせることも、サクラちゃんの今後の成長に必要だろう……ということにして僕は憧れのアイドルとの勝負に期待していた。
「サクラちゃん……僕は甘くないぜ!」
「……キモ……」
サクラちゃん……強烈な寝技をプレゼントしてやるぜ!!
◆
サクラちゃんと対峙する僕。
「あの……アスカさん、妹さん大丈夫ですかね?」
ガイドが心配そうにアスカさんに聞く。
「まあ……木本君だって本気でサクラを斬ったりはしないだろう……サクラも実戦は久しぶりだし良い勉強になれば」
「そうですね……えっと、妹さんのレベルは……35ですか。すごいですね」
「ああ、私よりは低いがなかなかのレベルだ。それに戦闘のセンスが良い。私でも手こずることがあるよ」
「さあ、かかってきないサクラちゃん」
「コイツ……ボコボコにしてやるわ!」
サクラちゃんが僕に飛び掛かる。かなりのスピードだ。
「おおっ!」
サクラちゃんの拳を避ける。
アスカさんよりレベルは低いと聞いたが、かなりのレベルだ。
「くっ! 太っちょのくせに速いわね! それなら……」
サクラちゃんは僕の背後にまわりこみ、足を払う。
僕は大きくバランスを崩す。
「うおおぉ!」
「フッ! しょせん運動不足のオタクね!」
サクラちゃんは僕の腹に強烈なパンチを打ち込む。
「ぐわぁぁああ!」
「ああ……キモオタ君……!」
「うーん……久しぶりの実戦なのに……やるなサクラのやつ」
妹の成長を喜んぶアスカさん。
「フフフ、やっぱりアンタ、大したことないわね!」
「うぅぅ……いやぁ、ちょっと油断しちゃったよ……そろそろ本気出しちゃおうっかなぁ……」
ボディブーローのダメージが残っている……本当の強いな……
僕は木刀を構える。さすがに人間との対決で真剣は使えない。
「フフ、遠慮してないで真剣を使えばいいの」
サクラちゃんは馬鹿にしたように笑う。
「ぐっ……サクラちゃん……一発入れたくらいで調子にのっちゃダメだよぉ!」
作戦変更だ! レベルの差にモノを言われてぶっ飛ばしてやる!!
「くらえ!!」
木刀を振り下ろすがサクラちゃんは回避する。
「……くっ、確かに速いわね……これがレベル54……」
「サクラちゃん! 逃がさないよぉぉお!」
「ひぃ……キモい!!」
「ぐへへへへ!」
恐怖におののくサクラちゃんの表情もたまらない! まるで変態になった気分のようだ。
「い、妹さん大丈夫ですか……? あれは完全に変態に追われるアイドルですよ!?」
「う、うむ……しかし……レベルの差があるというのに確かに木本君のほうがやられているな」
「……たしかに……」
「はぁはぁ……」
「フフ、もう疲れたのかしら? 背後がガラ空きよ!」
「ぐわぁぁあ!」
おかしい。これだけのレベル差があるというのにサクラちゃんにすっかり翻弄されている。
なんならネクロマンサーと戦った時より追い詰められているような……?
「くそぉぉお!」
「まったく、ホントに単調な攻撃ね!」
『ジャッ!』
サクラちゃんは足元の砂利を掴み、斬りかかる僕の顔にかける。
「くぅっ! 目がぁ、目がぁ!!」
「フフ、哀れなオタクね……食らいなさい!」
『ドンッ!』
「ぐええぇぇぇええ!」
サクラちゃんの強烈な蹴りが股間の入る。
「サ、サクラ……なんてことを……」
「ひい……恐ろしい子……」
ギャラリーの二人は青ざめる。
そうして、僕は魔王(分身)戦以来の3日ぶり2度目の失神をした。
アスカさんは必死に止める。もちろん、そんなことは分かっている。
ツンデレも可愛いが、痛い目にあわせることも、サクラちゃんの今後の成長に必要だろう……ということにして僕は憧れのアイドルとの勝負に期待していた。
「サクラちゃん……僕は甘くないぜ!」
「……キモ……」
サクラちゃん……強烈な寝技をプレゼントしてやるぜ!!
◆
サクラちゃんと対峙する僕。
「あの……アスカさん、妹さん大丈夫ですかね?」
ガイドが心配そうにアスカさんに聞く。
「まあ……木本君だって本気でサクラを斬ったりはしないだろう……サクラも実戦は久しぶりだし良い勉強になれば」
「そうですね……えっと、妹さんのレベルは……35ですか。すごいですね」
「ああ、私よりは低いがなかなかのレベルだ。それに戦闘のセンスが良い。私でも手こずることがあるよ」
「さあ、かかってきないサクラちゃん」
「コイツ……ボコボコにしてやるわ!」
サクラちゃんが僕に飛び掛かる。かなりのスピードだ。
「おおっ!」
サクラちゃんの拳を避ける。
アスカさんよりレベルは低いと聞いたが、かなりのレベルだ。
「くっ! 太っちょのくせに速いわね! それなら……」
サクラちゃんは僕の背後にまわりこみ、足を払う。
僕は大きくバランスを崩す。
「うおおぉ!」
「フッ! しょせん運動不足のオタクね!」
サクラちゃんは僕の腹に強烈なパンチを打ち込む。
「ぐわぁぁああ!」
「ああ……キモオタ君……!」
「うーん……久しぶりの実戦なのに……やるなサクラのやつ」
妹の成長を喜んぶアスカさん。
「フフフ、やっぱりアンタ、大したことないわね!」
「うぅぅ……いやぁ、ちょっと油断しちゃったよ……そろそろ本気出しちゃおうっかなぁ……」
ボディブーローのダメージが残っている……本当の強いな……
僕は木刀を構える。さすがに人間との対決で真剣は使えない。
「フフ、遠慮してないで真剣を使えばいいの」
サクラちゃんは馬鹿にしたように笑う。
「ぐっ……サクラちゃん……一発入れたくらいで調子にのっちゃダメだよぉ!」
作戦変更だ! レベルの差にモノを言われてぶっ飛ばしてやる!!
「くらえ!!」
木刀を振り下ろすがサクラちゃんは回避する。
「……くっ、確かに速いわね……これがレベル54……」
「サクラちゃん! 逃がさないよぉぉお!」
「ひぃ……キモい!!」
「ぐへへへへ!」
恐怖におののくサクラちゃんの表情もたまらない! まるで変態になった気分のようだ。
「い、妹さん大丈夫ですか……? あれは完全に変態に追われるアイドルですよ!?」
「う、うむ……しかし……レベルの差があるというのに確かに木本君のほうがやられているな」
「……たしかに……」
「はぁはぁ……」
「フフ、もう疲れたのかしら? 背後がガラ空きよ!」
「ぐわぁぁあ!」
おかしい。これだけのレベル差があるというのにサクラちゃんにすっかり翻弄されている。
なんならネクロマンサーと戦った時より追い詰められているような……?
「くそぉぉお!」
「まったく、ホントに単調な攻撃ね!」
『ジャッ!』
サクラちゃんは足元の砂利を掴み、斬りかかる僕の顔にかける。
「くぅっ! 目がぁ、目がぁ!!」
「フフ、哀れなオタクね……食らいなさい!」
『ドンッ!』
「ぐええぇぇぇええ!」
サクラちゃんの強烈な蹴りが股間の入る。
「サ、サクラ……なんてことを……」
「ひい……恐ろしい子……」
ギャラリーの二人は青ざめる。
そうして、僕は魔王(分身)戦以来の3日ぶり2度目の失神をした。
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