キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語

さかいおさむ

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 ネクロマンサーの前にはアスカさんが二人。
 どちらも美しい……などと思ってる暇はなさそうだ。

『なるほど……分身ですか……これは厄介ですね』

 二人のアスカが斬りかかる。
『ぐぅっ!』

 ネクロマンサーの体に剣が突き刺さる。

「すごい……一人でも強いっていうのに分身だなんて……」
 これがトップ冒険者アスカさんの奥義なのだろう。

「キモオタ君! 光魔法いきましょう!」
「ああ!」
 二人のアスカさんに集中しているネクロマンサー。今なら当たるだろう。

 アスカさんの攻撃によろめくネクロマンサー。
「今だ!!!」
 僕は光魔法を放つ。

『な、なにぃぃぃい!? 光魔法だと!?』
 光の弾丸がネクロマンサーを覆う。

『うおおお!』
「くっ……」
 体力の消耗が激しい……。魔力の維持が出来ない……

『くっ……うおおおお』
 その時、ネクロマンサーを覆う光からドス黒い炎が飛び出す。

「……そんな」

 僕の光の弾丸は粉々に砕け散った。

『はぁはぁ……いやぁ今のはさすが危なかったです。まさか光魔法を使えるとは……』
「く、くそ……」

 ネクロマンサーは僕の光魔法を破った。
 僕が全力を続けられなかったのだろう……

「だ、だめか……」
 アスカさんもうつむく。分身を使ったアスカさんの体力も限界だ。

『ふう……だいぶやられましたね……まあ今のあなた達を殺すくらいはなんてことないですが』

 ネクロマンサーは待ってはくれない。
 倒れこむ僕に殴りかかる。

「ぐわぁぁぁあ!!」

 激痛が体を襲う。

 考えてみれば僕はモンスターとの戦いでダメージを負ったことがなかった。
 いつも自分の倒せるモンスターだけ、それもアスカさんにサポートしてもらいながらだ。

 僕は初めて死の恐怖を覚えた。

 憧れの冒険者はいつも死と隣り合わせの職業だった。
 怖い……逃げたい……

 その時、

「木本君……!」
 アスカさんがネクロマンサーに斬りかかる。

「……アスカさん……」
「はぁはぁ……大丈夫か?」
「……」
「……すまないな……君を巻き込んでしまって……」
「そんな……」
「私がネクロマンサーを引き付ける。君は逃げろ」
「え……?」
「なんとかしてダンジョンを脱出するんだ!」
「そんな……アスカさんは?」
「ふふふ、大丈夫だよ。私を誰だと思ってるんだ?」
 僕よりボロボロのアスカさんが微笑む。

「噓だ……大丈夫なわけないですよ……」
「木本君……」
 自分が情けなくなった。

「僕は……冒険者はですよ! 仲間をおいて逃げるわけないじゃないですか!」
 僕は剣を握り立ち上がる。

「アスカさん! 僕の憧れてた冒険者はどんなピンチでも諦めたりしませんでした」
「……そうだったな。まだ戦えるか?」
「もちろんです!」
「よし、もう一度光魔法を食らわせてやろう!」
「はい!」
「もう……二人ともメッチャ熱いじゃないですか……私はこっそり逃げようと思ってたのに……」
 ガイドも僕のポケットから出てくる。

「私の魔法なんて全然弱いんですからね! 全然役に立ちませんよ!?」
「ガイド……ありがとう」

『ふふふ、急にやる気になったみたいですけど、ボロボロのあなた達では勝てませんよ?』

 光魔法を知られてしまったからにはもう簡単には倒せないだろう。
 ボロボロの僕らは剣を握りしめる。

 最終決戦だ。
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