キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語

さかいおさむ

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 飛び出すアスカさん。いつも速いが今日は今までで一番速い。

『おっ!?』
 ネクロマンサーは持っていた杖でアスカさんの剣を受け止める。

『すごいスピードですね……思い出した。前に姉妹でここに来た女戦士ですね』
「……ああ! キサマを倒しに来たんだよ!」
『そうだ! 妹の方に私の呪いをかけたんでしたね。そろそろ死にましたか?』
「くっ! キサマぁ!!」
 アスカさんは怒りの形相で斬りかかる。

『くっ……速いな……前より速い!』

 アスカさんもこの数か月戦い続けて成長しているのだ。
 ますますスピードを上げるアスカさんの斬撃はネクロマンサーに当たる。

 すごい! これがアスカさんの本気か。もしかして僕の光魔法は必要ないんじゃ……?

 そんな期待をしている時、

「くそ! 全然効いていない!」
『ふふふ、私の体はガスで出来ています。剣の攻撃じゃ致命傷は与えられませんよ』
「くっ!」
 ネクロマンサーは物理攻撃だけでは倒せないようだ。

『うーん……とは言っても肉弾戦じゃ分が悪いですね……』
 ネクロマンサーは後ろに飛び距離をとる。

『スッ……』
 ネクロマンサーはアスカさんを指さす。

「なんだ!?」
「アスカさん! あぶない!」

 ネクロマンサーの指からドス黒い閃光が飛ぶ。
「ぐっっ!!」
「アスカさん!!」

 黒い閃光はアスカさんの足をかすめる。
「ううぅ……」
 倒れるアスカさん。

『いやぁ、ここまで強い人間は初めてですよ。お見事でした。』
「キサマ……」
『でもここまでです。さようなら』
 ネクロマンサーは再びアスカさんを指を指す。

「くそ……」
 ネクロマンサーの指先が光るその時、
「うおおおお」
『む!?』
 僕はネクロマンサーに斬りかかる。

『ほう、そっちの小デブもなかなかのスピードですね』
 ひらりとかわされる。

 小デブ……!?

「アスカさん! 大丈夫ですか?」
「ああ……すまない。もう大丈夫だ。ヤツは遠距離攻撃もあるぞ。気をつけろ」

『これは人間だからといって放って置くわけにはいきませんね。ここで殺します。
 魔王様の障害になりそうモノは全て消し去らなければなりません』

 本気になるネクロマンサー。

 黒い炎を放つ。
「くっ!」

 避ける僕をネクロマンサーが杖で襲い掛かる。
『逃がすかぁ!!』
「ぐうぅ!」

 魔法だけなく力・スピードもかつてない強さ。
 杖を必死で受け止めるのが精いっぱいだ。

「キモオタ君……」
 ガイドが小声で話しかける。

「このまま戦ってもネクロマンサーは倒せません! 光魔法を使いましょう」
「ああ……そうだな……でも」
 光魔法は体力の消耗が激しい。一撃で決めないと大ピンチだ。

「木本君! 私がいく! 頼むぞ」
「でも……剣じゃ倒せないって……」
「ああ……私がスキを作るよ。それに……私にだってスキルはあるんだぞ?」
「え?」

 アスカさんのスキル。
 普段から強すぎて考えたことがなかったが、僕に光魔法のスキルがあったように人それぞれスキルがある。

「アスカさんのスキルって……?」

 アスカさんが敵に飛び掛かる。
 足のダメージもあるだろう……長くは戦えないはずだ。
 スキを見て光の弾丸を打ち込んでやる!

 アスカさんの剣は完全にネクロマンサーを圧倒している。
 剣のダメージが効きにくいネクロマンサーじゃなければ倒しているだろう。

『ふふふ、大したスピードですけどね。でもそれだけじゃ私は倒せませんよ?』
「ああ、そうみたいだな。だが……」

 アスカさんの体が光り出す。

『な、なんですか!?』
「これがアスカさんのスキル……!?」

 アスカさんの横に誰かが現れた。

「え……アスカさんが二人!?」

「これが私のスキル、【分身】だ」
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