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しおりを挟む僕は村田に連れられ定番の体育館裏へ。
学校1の番長と学校最弱の僕の決闘を見ようとギャラリーが集まる。
「おい……あいつ大丈夫か? 殺されるんじゃ……?」
「おい! どっちが勝つか賭けようぜ!」
「バカ野郎! 誰がキモオタに賭けるんだよ」
好き勝手なことを言うギャラリーたち。
「おい、キモオタ。ついこのあいだボコボコにされたの忘れちまったのか?」
「……」
アスカさんに武器と防具をもらい浮かれていたあの日、村田にボコボコにされたのを思い出す。
そういえばあの日、姫島さんと話せたんだったな……感謝するよ村田!
「聞いてんのかよテメェ!」
村田が殴りかかる。
「……嘘だろ?」
なんだこの遅いパンチは?
レベル0の僕はこんなパンチでボコボコにされたのか!?
村田のパンチを片手で掴む。
「なっ、なんだと!?」
驚く村田。
「キモオタ君。こいつムカつくけどやりすぎちゃダメですよ……?」
「ああ、分かってるよガイド」
レベルの差がありすぎるのも戦うのが難しいもんなんだな……
「なにブツブツ独り言いってんだよ!」
こりもせずに殴りかかる。
村田はレベル20の冒険者だ。一般人の中ではかなり強い部類だろう。
それでもこんなもんか……
よし! できるだけケガはさせないように行こう。
僕は手のひらを村田に向ける。
『光魔法』
「ぐわぁあ! なんだ!? キモオタが魔法!?」
強烈な光が村田の視力を奪う。
「お、おい……キモオタが魔法を使ってるぞ? どうなってんだ?」
ギャラリーがざわめく。
「くそ! 何しやがった!?」
視界を奪われた村田は拳をブンブン振り回すが僕に当たるわけがない。
「おいおい、なにやってんだ村田ぁ!」
「あーキモオタに賭けておけば良かったか??」
無様な村田の姿にギャラリーは笑いだす。
「チクショーッツ!!」
村田はポケットに手をやる。
「なんだ……!?」
村田の手にはナイフが握られていた。
「キャーーーッ」
「やばい……村田さんブチ切れだ……」
「はぁはぁ……許さねぇぞ……キモオタ」
「あら……ブチ切れモードみたいですね……大丈夫ですか? キモオタ君?」
「ああ……ナイフまで出されちゃもう遊んでられないな……」
ギャラリーの前で恥をかかれた村田は完全に怒り狂っている。
「死ねぇ!!」
僕に向かって走り出す。
「遅いな……」
僕はナイフを避ける。
これくらいの攻撃は合宿で何千回と捌いてきた。
ナイフをかいくぐり、僕は村田の腹を殴る。
「ぐううぅッ……テ、テメェ……」
村田は悶絶し倒れた。
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