キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語

さかいおさむ

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 夏休みも終わり登校日だ。

 僕は世界を救う勇者だが、その正体は横浜の高校に通う高校生三年生。
 憧れのヒーロー漫画のようなシチュエーションだ!

 久しぶりに学校は今までとは違う景色だった。
 世界最弱のレベル0ということもあり、惨めな学校生活だったが、今の僕は違う。

 ふふふ、気のせいかクラスメイトがみんな子供に見えるな……
「……それはさすがに気のせいじゃないですかね?」
 もちろん、ガイドも一緒に登校だ。


「いやーこの夏休みはダンジョン行きっぱなしだったわぁ!」
「さすが村田君! すごいですね!」
「まあ俺くらいになればあちこちのギルドから引っ張りダコだわ」
 ……番長の村田も取り巻きも相変わらずだ。

「おい、キモオタ」
「は、はい……!」
「なんだニヤニヤして気持ち悪いな。昼になったから購買でパン買って来いよ」
「ま、任せてよ……!」

「ちょっとキモオタ君!? いつまであの村田って奴にペコペコしてるんですか?」
 ポケットのガイドが僕に言う。
「つ、つい癖で……」

 何年間も染みついた習慣はなかなか変わらないのだ……


「おはよう! キモオタ君」
「あ、姫島さん! おはよう」
「こないだはありがとうね」
「い、いやぁ」
 別荘でドラゴンに襲われた姫島さん。相変わらず美しい……
 そしてすっかり元気そうだ。

「……あの子、完全に恋する乙女の瞳をしてますね……」
「ん? ガイド、なんか言った?」
「いえ……なんでも」


 ◇


「キモオタ。昼だぞ」
「……」
「おい! 聞いてんのか!?」
 村田が僕を怒鳴りつける。

「あんな奴の言うこと聞いてたらダメですよ!」
「で、でも……」
「考えてもみてくださいよ! あの村田とかいう奴はレベル20ですよ!?」
「レベル20……」
「そうです! キモオタ君が合宿で何千体と倒したメタルガーゴイルと同じようなもんですよ!」
「! あの……メタルガーゴイルと!?」
 メタルガーゴイル、どれだけ切り刻んできたモンスターだろうか……

「おい! シカトかよっ! キモオタ!!」
「ふー……やれやれ。うるさいぞ村田君?」
 決まった!! 死ぬまでに1度は言いたいセリフの1つだった。

「……はぁ!? なんだとテメェ?」
 僕は初めて村田に逆らった。


「お、おい……村田君とキモオタやべぇぞ……」
「どうしちまったんだキモオタ!?」
 教室のギャラリーが騒ぎ出す。

 当然だ。レベル0のオタクが番長と揉めているのだ。

「キモオタ! てめぇ夏休みの間に頭おかしくなっちまったみてぇだな。表出ろや!
 」
「ああ、望むところだよ」
 もちろんコレも死ぬまでに1度は言いたいセリフの1つだ!

 僕は村田と教室を出る。


 村田に処刑されると思ってるクラスメイト達はざわついている。

「やばいねキモオタ……救急車呼んどいてあげたほうがいいかな? ねえ、姫島さん?」
「うーん……救急車は大丈夫じゃないかな……?」
「え? あの村田とキモオタだよ?」
「私もよく分からないんだけどねぇ……多分大丈夫……。あっ!」
「なになに?」

「やっぱ救急車いるかも! 村田君の!」
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