キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語

さかいおさむ

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 冒険者になって初めての登校だ。やはり今までとは景色が違うな。

「この世界の学校は初めて行きます! 楽しみですね!」
 ウキウキのガイド、違うのは景色だけではないようだ……
 憧れの女子との初登校が精霊相手になってしまった。

 教室に入る僕ら。
「おーこれが学校ってやつですね!」

 僕のポケットから顔を出して周りを見渡すガイド。

「ガイド! ちゃんと隠れてろ!」
 僕はガイドをポケットに押し込む。

「痛ッ! 乱暴ですね!
 精霊の世界にはこういう学校はありませんから羨ましいです。いいですね、青春ですね!」

 人間界の生活は精霊には珍しいようだ。

「ところでキモオタ君は女子との青春は無いんですか!?」

「うーん……なぜだか僕にはないんだよね……」

「そうなんですか……」
 それ以上は何も言わないガイドであった。


「おいキモオタ」
 番長の村田がバカに声をかける。

「は、はい……」

「相変わらずキモいツラしてんなぁ」

「はは……」
 村田は相変わらず横暴だ。

「ちょっと! キモオタ君! なんなんですか、あいつ?」

「ちょ、ちょっとガイド!」
 ガイドがポケットから顔を出す。

「バレたらどうするんだ! 隠れてろ!」

「でもぉ……あいつムカつきますよ!」

「あいつは番長の村田っていうんだ……高校生だけどレベルの高い冒険者だよ……」

「えー? ちょっと待ってくださいね」
 ガイドが村田を遠目に眺める。

「レベルは……20ですかね?」
 ガイドの目には人間のレベルが映るらしい。

「そっか、ガイドはレベルが分かるんだよね。
 そう、レベル20でこの学校じゃアイツが番長だよ」

「……たったレベル20であんなに偉そうにしてるんですか?」
 
「え?」
 たったレベル20? レベル20っていったら一般人じゃなかなかいないぞ?

「ムカついてきました……キモオタ君! もう帰りましょう! すぐレベル上げに行きましょう!」
 怒りが収まらない様子のガイド。

「さっきまで学校行けって言ってなかったっけ……?」

「いいんです! 早くあの村田とかいうやつをギャフンと言わせるんです!」
 火のついたガイドの怒りは収まらないようだ。

 さっそく、早退を決め込む僕。そういえば早退なんて初めてだな……
 ヤンキーになった気分だ。

「あれ? キモオタ君?」
 廊下で珍しく女子に声をかけられる。

「ひ、姫島さん!」
 声をかけたのは以前、村田にボコボコにされた時に傷を治してくれた天然系美少女だ。

「どうしたの?」

「ちょ、ちょっと早退しようと思ってね」

「え? まだ朝だよ? ファンキー過ぎない?」
 そりゃそう思われるよな……
 
「ちょっと具合悪くてね……じゃ、じゃあね!」

「そうなんだ、ばいばーい」
(なんかキモオタ君、雰囲気変わったな……)

 いきなりクラスのアイドルに話しかけられるなんて、緊張したな。

「ちょっと! キモオタ君?」
 ポケットからガイドの声が漏れてくる。

「な、なんだよ?」

「今の女は誰ですか?」
 ガイドが不機嫌そうに聞いてくる。

「だ、誰って……ただのクラスメイトだよ」

「ふーん……デレデレしちゃってみっともないわね!」

「デレデレなんて」

「いかにも男が好きそうなタイプの、バカそうな女って感じでしたね!」

「口が悪いなぁ。別にそんなんじゃないよ!」
 なんだなんだ? モテ期到来か?
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