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ダンジョンへ行く週末までの数日間、僕はずっとソワソワしていた。
一度は諦めたダンジョン冒険者、一回限りかもしれないが夢が叶う。
「楽しみだなぁ……」
遠足を楽しみにする小学生のように、ウキウキとスキップをする僕をクラスメイトの汚物でも見るような視線が突き刺さる。
見た目は立派な小太りなオタクだ。
嬉しくなりついトレーニングでもしてしまいそうになるがグッと抑える。
レベル0だから僕が選ばれたのだ。うっかりレベル1にでもなってしまったら10倍、つまりレベル10のボスと戦うことになる。
そうなったら瞬殺も瞬殺だろう。
ダンジョンに行くのに強くなっちゃいけないなんて……こんなジレンマをかかる冒険者は僕が初めてだろう。
もっとも、いくらトレーニングしてもずっとレベル0のままなのだから簡単には上がらないのだろう。
レベルが上がる条件、それが分かれば僕もレベルを上げて、普通のダンジョンにも行けるのにな……レベルアップの条件は誰にも分からない。
翌日、家に大きな段ボールが何箱も届く。しかも着払いだ。
なんだろう? アイドルの抱き枕でも買ったかな?
おそるおそる段ボールを開ける。
「おぉっー!」
そこには武器や防具が入っていた。
「これが冒険者の装備か……」
『ピピピピッ』
僕のスマホが鳴る。知らない番号だ。
「もしもし? 木本君か?」
「ア、アスカさん!?」
突然のアスカさんからの電話に驚いた。
「ああ、私だ。君の家に装備品を送っておいた。サイズが合っているか試着をしておいてくれ」
「はい! ちょうど届きました!」
「ふふ、舞い上がって剣で素振りでもしてレベルアップは勘弁してくれよ」
「気をつけます。カッコイイ装備品ありがとうございます。」
「気に入ってくれたみたいでよかったよ」
「あっ……そういえば……着払いで結構送料が高かったんですけ――」
「では、週末また会おう」
『プツッ』
……鉄壁の守備力だ。
◇
庭に出て、防具を身に着ける。うん! サイズはぴったりだ!
政府直属のギルド竜の牙が用意してくれた装備品だ。モノはかなりいいのだろう。
「カ、カッコいい……」
初めての防具に惚れ惚れする。
ちょっとこのまま走ってみたいな……うん! これもダンジョンクリアのためにはやっておかないとダメだろう。何事も試運転というものは大切だ。
僕は防具を身に着けたまま家の外の道を走る。
さすがにずっしりとしていてまだ慣れないが悪くない。
冒険者の使う装備はダンジョンでモンスターが落とすドロップアイテムだったり、武器職人の作った道具だ。
胴体だけを守っている防具だが、顔や指先まで魔法の力で防御力はアップしているはずだ。
「はぁはぁ……少し重いけどいい感じだな」
町中を防具を付けて走る姿を近所の人には見られたくない。そろそろ家に戻ろう。
その時、
「おい」
「え?」
しまった、近所の人に見られたか?
「なにやってんだ? キモオタ」
「あ、、村田君……」
クラスの番長 村田に見つかってしまった。
一度は諦めたダンジョン冒険者、一回限りかもしれないが夢が叶う。
「楽しみだなぁ……」
遠足を楽しみにする小学生のように、ウキウキとスキップをする僕をクラスメイトの汚物でも見るような視線が突き刺さる。
見た目は立派な小太りなオタクだ。
嬉しくなりついトレーニングでもしてしまいそうになるがグッと抑える。
レベル0だから僕が選ばれたのだ。うっかりレベル1にでもなってしまったら10倍、つまりレベル10のボスと戦うことになる。
そうなったら瞬殺も瞬殺だろう。
ダンジョンに行くのに強くなっちゃいけないなんて……こんなジレンマをかかる冒険者は僕が初めてだろう。
もっとも、いくらトレーニングしてもずっとレベル0のままなのだから簡単には上がらないのだろう。
レベルが上がる条件、それが分かれば僕もレベルを上げて、普通のダンジョンにも行けるのにな……レベルアップの条件は誰にも分からない。
翌日、家に大きな段ボールが何箱も届く。しかも着払いだ。
なんだろう? アイドルの抱き枕でも買ったかな?
おそるおそる段ボールを開ける。
「おぉっー!」
そこには武器や防具が入っていた。
「これが冒険者の装備か……」
『ピピピピッ』
僕のスマホが鳴る。知らない番号だ。
「もしもし? 木本君か?」
「ア、アスカさん!?」
突然のアスカさんからの電話に驚いた。
「ああ、私だ。君の家に装備品を送っておいた。サイズが合っているか試着をしておいてくれ」
「はい! ちょうど届きました!」
「ふふ、舞い上がって剣で素振りでもしてレベルアップは勘弁してくれよ」
「気をつけます。カッコイイ装備品ありがとうございます。」
「気に入ってくれたみたいでよかったよ」
「あっ……そういえば……着払いで結構送料が高かったんですけ――」
「では、週末また会おう」
『プツッ』
……鉄壁の守備力だ。
◇
庭に出て、防具を身に着ける。うん! サイズはぴったりだ!
政府直属のギルド竜の牙が用意してくれた装備品だ。モノはかなりいいのだろう。
「カ、カッコいい……」
初めての防具に惚れ惚れする。
ちょっとこのまま走ってみたいな……うん! これもダンジョンクリアのためにはやっておかないとダメだろう。何事も試運転というものは大切だ。
僕は防具を身に着けたまま家の外の道を走る。
さすがにずっしりとしていてまだ慣れないが悪くない。
冒険者の使う装備はダンジョンでモンスターが落とすドロップアイテムだったり、武器職人の作った道具だ。
胴体だけを守っている防具だが、顔や指先まで魔法の力で防御力はアップしているはずだ。
「はぁはぁ……少し重いけどいい感じだな」
町中を防具を付けて走る姿を近所の人には見られたくない。そろそろ家に戻ろう。
その時、
「おい」
「え?」
しまった、近所の人に見られたか?
「なにやってんだ? キモオタ」
「あ、、村田君……」
クラスの番長 村田に見つかってしまった。
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