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「今までのダンジョンとは全然違う種類のダンジョンだ。親切にアナウンスまでしてくれる。このダンジョンをクリアすれば、謎に包まれているダンジョンの秘密に一歩近づくのではないかと思っている。」
幼い頃、憧れていたダンジョン冒険者。自分がなることはできないと諦めていた夢だ。
「世界中にダンジョンが出来てから多くの人がモンスターの犠牲になっている。早くこのダンジョンをなんとかしなければならない」
アスカさんの真剣な眼差しで言う。
「実はな、私の家族もな……ダンジョンのせいで寝たきりになっているんだ……」
「そうなんですか……」
拳を強く握るアスカさん。
トップ冒険者アスカさんの強さの秘密を垣間見た気がした。美しい……
「我々が全力でサポートする。当然、無理強いは出来ない。未知のダンジョンだ。危険な目にあう事も考えられる」
もちろん、助けてあげたい。でも……
「……少し考えさせてもらってもいいですか……」
「そうか、ありがとう」
「え?」
「快く引き受けてくれて助かるよ」
「いやいや! ちょっと待ってくださいよ」
政府の連中は人の表情を読み取るのが苦手な傾向にあるのか?
「……正直言うとな、税府が全力でレベル0の者を探し回ったが、全く見つからないんだ……君しか世界を救えないんだ!」
「ぼ、僕が……世界を!?」
「ああ! 世界を救うんだ木本君!!」
くっ! 英雄願望のある中二病の僕に一番刺さるフレーズを使いやがる!!
「もちろん、かなりの生死に関わらず報酬は約束する」
生死に!? 僕死ぬの!?
「で、でもすぐには決めれませんよ……両親にも相談しないと」
「その点は大丈夫だ! すでに先程、政府の人間が君の家にも挨拶に行っているよ」
「え?」
「ご両親には快諾頂いたよ」
「そ、そうですか……」
それはほんとに快諾してそうだな……
「頼む! 金銭以外でもなにか希望があればなんでも用意させてもらうよ」
「な、なんでも……?」
ゴクリ……、話が変わったぞ? 思春期真っ盛りの童貞男子になんてこと言ってるのか分かってるのか!?
「じゃ、じゃあ例えば……アスカさんと――」
「あっ、そういえば君はアイドルが好きだったな!」
「え? は、はい」
「君の好きなアイドルとデートでもするというのはどうだろうか?」
「なるほど……それも魅力ですね……でも……例えば、アス――」
「君の好きなアイドルは誰なんだい?」
「……」
ナチュラルな鉄壁のガードを見せられた。これが ディフェンスに定評のあるトップ冒険者か……
「分かりました。アイドルなら誰でもいいですね?」
「ああ! 我々竜の牙は政府直属のギルドだ。たいていのことはなんとかなる」
……凄いな。これが上級国民というものなんだろうか? 政府の命令で僕とデートをさせられるアイドルが不憫でしょうがないが。
「じゃあ……白野サクラちゃんとデートさせてください」
「……え?」
アスカさんの表情が曇る。
「え? 誰でもいいって……」
「……ああ、そうだな。うーん……」
さっきまでの勢いがなくなり、歯切れが悪くなるアスカさん。
「分かった……無事にダンジョンをクリアしたらなんとかしよう」
「……あの……先払いはダメなん―」
「必ず、無事に帰ってこような!!」
「……はい……」
憧れの冒険者のわがままな一面に振り回される。トップアスリートはわがままというが間違いないのだろう。
冒険者になる。一度は諦めた長年の夢がこんな形で叶うとは――
「はっはっは、一件落着ってところかな?」
緊張感無くヘラヘラと笑う鑑定士の蛸沼さん。お前、まだいたのか……
幼い頃、憧れていたダンジョン冒険者。自分がなることはできないと諦めていた夢だ。
「世界中にダンジョンが出来てから多くの人がモンスターの犠牲になっている。早くこのダンジョンをなんとかしなければならない」
アスカさんの真剣な眼差しで言う。
「実はな、私の家族もな……ダンジョンのせいで寝たきりになっているんだ……」
「そうなんですか……」
拳を強く握るアスカさん。
トップ冒険者アスカさんの強さの秘密を垣間見た気がした。美しい……
「我々が全力でサポートする。当然、無理強いは出来ない。未知のダンジョンだ。危険な目にあう事も考えられる」
もちろん、助けてあげたい。でも……
「……少し考えさせてもらってもいいですか……」
「そうか、ありがとう」
「え?」
「快く引き受けてくれて助かるよ」
「いやいや! ちょっと待ってくださいよ」
政府の連中は人の表情を読み取るのが苦手な傾向にあるのか?
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「ああ! 世界を救うんだ木本君!!」
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「もちろん、かなりの生死に関わらず報酬は約束する」
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「で、でもすぐには決めれませんよ……両親にも相談しないと」
「その点は大丈夫だ! すでに先程、政府の人間が君の家にも挨拶に行っているよ」
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「ご両親には快諾頂いたよ」
「そ、そうですか……」
それはほんとに快諾してそうだな……
「頼む! 金銭以外でもなにか希望があればなんでも用意させてもらうよ」
「な、なんでも……?」
ゴクリ……、話が変わったぞ? 思春期真っ盛りの童貞男子になんてこと言ってるのか分かってるのか!?
「じゃ、じゃあ例えば……アスカさんと――」
「あっ、そういえば君はアイドルが好きだったな!」
「え? は、はい」
「君の好きなアイドルとデートでもするというのはどうだろうか?」
「なるほど……それも魅力ですね……でも……例えば、アス――」
「君の好きなアイドルは誰なんだい?」
「……」
ナチュラルな鉄壁のガードを見せられた。これが ディフェンスに定評のあるトップ冒険者か……
「分かりました。アイドルなら誰でもいいですね?」
「ああ! 我々竜の牙は政府直属のギルドだ。たいていのことはなんとかなる」
……凄いな。これが上級国民というものなんだろうか? 政府の命令で僕とデートをさせられるアイドルが不憫でしょうがないが。
「じゃあ……白野サクラちゃんとデートさせてください」
「……え?」
アスカさんの表情が曇る。
「え? 誰でもいいって……」
「……ああ、そうだな。うーん……」
さっきまでの勢いがなくなり、歯切れが悪くなるアスカさん。
「分かった……無事にダンジョンをクリアしたらなんとかしよう」
「……あの……先払いはダメなん―」
「必ず、無事に帰ってこような!!」
「……はい……」
憧れの冒険者のわがままな一面に振り回される。トップアスリートはわがままというが間違いないのだろう。
冒険者になる。一度は諦めた長年の夢がこんな形で叶うとは――
「はっはっは、一件落着ってところかな?」
緊張感無くヘラヘラと笑う鑑定士の蛸沼さん。お前、まだいたのか……
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