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 扉に入る6人。

 炎の矢が作った地上への緩やかな坂道を上っていく。
 出口には光が見える。
 花子の炎はしっかりと地上まで氷を貫通していた。

『バキバキッ』
 扉通ってきたは地割れに巻き込まれ粉々に砕け散る。

「本当にギリギリだったんですね……」
「うん……もう後戻りはできない」

「さ、寒ィ……!! やっと戻ってきた人間界だってのに死んじまうよ!」
「金剛寺くん! 黙って進んで! ここまで来れただけで奇跡なのよ!」
「炎魔法が通った道だからな……これでもまだ暖かい方だろう……外に出たら極寒だぞ……」
 虎石は心配そうに呟く。

「でもよ……地上に出たってそれからどうするんだよ!?」
「……分からん。政府の者が救助の手配をしてくれてたらいいんだが……」

 6人は光の射す方へ歩く。

「さ、さ、さ、寒い……花子さん……火を出せないかな?」
 アキラは凍えながら言う。

「無理ですよ……『炎帝のブレスレット』はもう壊れちゃったし、それにここは南極、人間界です。もうダンジョンアイテムは使えませんよ」

「そ、そうか……こんなことになるんだったら、厚着してくるだったな……」

「……こんなことになるなんて、想像できませんよ……」

 ようやく炎が作った通り道のゴールが近づいてきた。

「そろそろ出口だ……ん? なんの音だ……?」

『ババババッ……』
 地上に出るとそこには、数台のヘリコプターが飛んでいる。

「ヘ、ヘリコプター……!?」
 空を見上げて驚くアキラたち。

「よしっ……救助を手配してくれていたんだな!」

「よかった……生きて帰ってこれたよ! 花子さん! まどかちゃん!」

 ◇

 無事、生還した6人。
 こうして、30年前、人間界に突如現れたすべてのダンジョンは消滅した。
 ダンジョンアイテムも全て消えてなくなった。
 アキラが神を倒した頃、人間界で暴れるモンスターたちも消滅しており、人間界に日常が戻ってくる。

 ◇

 そして、2ヶ月が過ぎた……

「アキラさーん! まだですかー?」
 アキラの支度を待つ花子。

「はーい、ちょっと待って」
「まったく! 結婚式に遅刻なんて許されませんよ?」
「はいはい! もうちょい待って!」

 支度を終え、アキラと花子は『アキラちゃんねる』の事務所を出る。
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