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 残りの数週間、最後までレベルアップを続けるアキラたち。

 ガチャでこれ以上のレアアイテムを獲得するのは難しいと考え、強化石をひたすら集める。
 レベル99のダンジョンとなると強化石はあちこちに落ちているのだ。

 今日もレベル99のダンジョンで強化石を拾うアキラたち3人。

「くぅー……腰に来るなぁ……」
「口を動かさないでちゃんと拾ってください!」

 世界最強の冒険者になった3人だが、強化石を拾うときだけはキツかった。
 3人で地べたに這いつくばり落ちている石を探す。
 強化石もダンジョンアイテム同様、自分で拾ったものでないと効力が薄まるのだ。

 ここはレベル99のダンジョン。当然、黙々と拾う3人に凶暴なモンスターが襲い掛かる。
 背後から振り下ろされる拳を見ずに回避するアキラ。
 背中に目があるのか? と、ばかりに驚くモンスターは攻撃の手を強める。

「あーうるさいなぁ!」
 アキラは面倒くさそうに剣を軽く振るとモンスターの頭が消し飛ぶ。

「まったく! こっちは真剣に強化石を拾ってるっていうのに!」
「アキラちゃんねるさん! 真面目に拾ってくださいよ!」
何事もなかったかのように世界最強クラスにモンスターを斬り捨てる。

「分かってるよ! モンスターがしつこくて! あ、そうだ!」
 アキラはカブトムシを召喚する。

「よしカブトムシ! 頼むぞ、俺たちを守ってくれ」

 この数ヶ月で、成長したのは冒険者だけではない。
 召喚獣のカブトムシも恐ろしい進化を遂げていた。

 初めは普通のカブトムシサイズだった召喚獣は、成長し手のひらでは収まらないサイズになり、現在は小学生ほどの身長で二本足で立つようになった。

 ロボットのようにアキラの命令を聞き戦う、今のカブトムシは立派な戦力と成長を遂げていた。

 石を拾う3人の背後でカブトムシがモンスターを食い止める。
「頑張れ、カブトムシ!」

 アキラたちは拾った強化石をそれぞれの腰につけた袋に次々と入れていく。
 袋と言ってもただの袋ではない。
 ダンジョンアイテム『アイテムポケット レア度★★★☆☆』だ。
 無限にモノが入るわけではないが、多少のアイテムや強化石なら好きなだけ詰めることができる。

 パンパンに詰めた強化石を錬成師の元へ持っていく。

「ホッホッホ! また来たかい? もうアタシも弟子たちもクタクタじゃよ」
 最近はアキラたちも虎石、金剛寺も強化石を持ち込みアイテムのパワーアップに励んでいる。
 錬成師は大忙しだ。

「それにしても……本当にお前たちは強くなったようじゃな」
 老婆は微笑む。

「そろそろ出発じゃろ?」
「はい」
「頼むぞ……ナオコを……孫を取り戻してくれ」

 出発の直前、アキラたち3人と虎石、金剛寺の5人でダンジョン省の手頃なダンジョンに入る。
 レベル100でのフォーメーションやお互いのアイテム、力の確認だ。
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