社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた！？ ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます

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　ダンジョン省に呼ばれる3人。
　今日は虎石たちとレベル100のダンジョンへ向けての話し合いだ。

　虎石が話し始める。
「いよいよレベル100へのダンジョン遠征が1ヵ月を切った。
　レベル100の扉ももうじき掘り起こされる」

　富士山の地下に眠っていたレベル100のダンジョンへの入り口。
　アキラたち3人なら、部屋のダンジョンからもレベル100に行けるが、他の冒険者も同行する今回の遠征では正規ルートでの扉が必要不可欠だ。

「そこで、そろそろ遠征に行く冒険者連合のメンバーを決めておきたい」
　世界中から有力な冒険者を集めてレベル100のダンジョン遠征に行く計画。しかし……

「が……、思ったより……有力な冒険者は少ないな……」
　虎石は頭を抱える。

『パス機能』が知れ渡り、世界中の冒険者のレベルはグッと上がった。
　少し前まではレア度★★☆☆☆ほどのアイテムが主流だったが、今ではレア度★★★★☆のアイテムを持っている冒険者も少なくない。

「ああ……全体的に強くはなった。
　街中で起こるモンスター災害に対応できる冒険者も増えた。それは本当にいい事だ。
　だが……レベル80や90で苦戦しているような奴らを連れて行ったところで、レベル100のダンジョンじゃあ何の意味もねェだろうな……」
　金剛寺も残念そうに言う。すっかりダンジョン省の人間として、冒険者全体のことを考えるようになっていた金剛寺だった。

「確かにそうですね……でも、いるじゃないですか？
　この数ヶ月でレベル100でも通用する力を手に入れた、虎石さんと店長が！」
　アキラは虎石と金剛寺に言った。

　世界中から高レベルのダンジョンの扉をレンタルし、圧倒的な集中力で何百何千とクリアをしてきた虎石と金剛寺。
　レンタルだけでは飽き足らず、この3ヶ月は外国にある世界最高難易度レベル90のダンジョンのそばに住み、トレーニングを続けた2人。
　噂ではレベル90をソロで1時間を切る早さでクリアできるまでになったらしい。

「ガッハッハ！　よく分かってるじゃェかアキラ！
　今の俺たちは20年前よりはるかに強ェえ！　今が全盛期だぜっ！」
　自信満々の金剛寺。

　元世界最強パーティーの2人も、遠征に向け最高の状態を仕上げてきた。
　もちろんレア度★★★★★のアイテムも獲得済みだ。

「あの、イケ……御剣くんとかはどうでしょうか？」
　花子は虎石に尋ねる。

「ああ、御剣くんも最近じゃ柳生さんと一緒にトレーニングに打ち込んでいるよ。
　元々剣の腕前はトップクラスの御剣くんと、柳生さんだからな。レベル90くらいなら朝メシ前の強さになってるよ。
　まあでも……柳生さんももう歳だからな。
　あの2人にはレベル100のダンジョンには行かずに、俺たちが遠征している間、この国をモンスター災害から守ってもらおうと思ってるよ」

「そうですか……確かにその役割も重要ですもんね」

「しかし……そうなるとレベル100のダンジョンに行くのは……アキラ君たち3人と俺と金剛寺だけか……
　せっかくダンジョンのレンタルまでして、冒険者を育てようとしたのになぁ」

「いいじゃねぇか！　少数精鋭ってやつよ！
　この数ヶ月、ダンジョン無料開放のおかげで冒険者たちは強くなった。
　だから、そいつらに俺たちの留守を任せることができる！　無駄じゃなかったぜ！」
　金剛寺は虎石の背中を叩く。

「この5人か……やってやりましょう！
　ナオコさんを取り戻して、異世界の神を倒す！　そして、モンスター災害を無くすためにも人間界からダンジョンを消しましょう！」

　こうして、レベル100のダンジョンへ向かうメンバーは決まった。
　いつも通りのメンバーだが、間違いなく世界最強の5人が揃った。