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 それからの数日、3人はレアアイテムマラソンを続けた。
 ボスを倒し、ガチャを回さずパスをする。

 レベル20のダンジョンは楽々クリアできるようになり、徐々にレベルを上げていき、今ではレベル25のダンジョン冒険している。

「よし! ガチャ回すよ!」
『ガチャ!』
『銀の胸当て レア度★★★☆☆』

「ぐわぁぁあああ!! ハズレかぁ……」

 いくらレベル25とはいえ、当然、レアアイテムは簡単には手に入らなかった。
「こ、こうなったら……レベル30に……!」

「アキラさん! 焦らないでください。レベル25だってたまに危ない時あるんですよ?」

「そうですわ! じっくりいきましょう。私たちもレアアイテムが少しずつ使いこなせるようになってきてるんですから」

 少し前と比べ、アキラは『ドラゴンの剣 レア度★★★★☆』、まどかは『雷神の剣 レア度★★★★☆』の扱いに慣れてきていた。
『炎帝のブレスレット』を装備した花子も、炎魔法の加減が上手くなり前のように魔力を使い果たし、体調崩してしまうこともなくなっていた。

 ◇

「そういえば……最近ちょっと思ってたんですけれども……」
 花子は神妙な面持ちで話し出す。

「あの……私たち……最近全然ダンジョン配信できてないですよね?」

「あ……確かに」

「う……私も全く配信してませんでしたわ……」

 レアアイテムを手に入れ、強くなることばかり考えていた3人。
 配信の方はすっかりおろそかになっていた。

「どうでしょう? たまにはそれぞれのチャンネルで配信しませんか? あまりに配信間隔が空いてしまうと、視聴者も離れてしまうと思うので……」

 元々はトップ配信者になるために始めたダンジョン冒険だ。
 視聴者が離れてしまっては元も子もない。

「……そうだね。俺たちは『アキラちゃんねる』、まどかちゃんは『まどかチャンネル』で配信しよう」

「はい……そうしますわ」

 3人は、一旦ダンジョン冒険をストップし、ダンジョン配信をすることにした。

「配信なんて久しぶりだなぁ。花子さん、準備はいい?」

「はい! ……ってアキラさん! ヘルメット忘れてますよっ!」

「ああ! 危ない、久しぶりすぎて忘れたよ。あ、花子さんはマスクしなくてもいいの?」

「うーん、私はもうマスクいいです。よく考えたらもうサラリーマンでもないんだし、バレたって大丈夫です。
 でも、アキラさんはダメですよ!」

 アキラがヘルメットをする理由は、万が一ダンジョン配信で自宅にあるダンジョンの秘密がばれた時、アキラを特定されないようするためだ。

「そうだね。もしバレたら、俺ん家に冒険者が押し寄せちゃうからね……」
 アキラは久しぶりに『黒のヘルメット』を装着する。

「よし、行こうか! ダンジョンのレベルはどうしようか?」

「うーん、久しぶりですし、レベル25のダンジョンで驚かせてやりましょう!」

「オッケー! 2人での冒険は久しぶりだね。まどかちゃんは映ったら大変だから、俺の部屋で待っててよ」

「いいなぁ……私は1人だから、うらやましいですわ」
 寂しそうにつぶやくまどか。

「ふふふ、今度『まどかチャンネル』とのコラボでもしましょうか?」

「え! やりたいですわ!」

「それもいいね! じゃあ行ってきます」
 こうして、久しぶりの『あきらチャンネル』のダンジョン配信が始まった。
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