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 それからもアキラたちはレアアイテム獲得のため、ダンジョンに籠りきりだった。
 レベル15のダンジョンを10回目でガチャを回すというやり方を数週間やり続けた。

 肝心のレア度★★★★☆のアイテムだが、
 アキラは2つ、
 まどかは3つ引くことができた。
 裏技を使っても、レアアイテムはなかなか珍しいものだった。

「どうして……私だけ引けないのよぉ!?」
 そんな中、花子だけはまだレア度★★★★☆のアイテムを引けずにいた。

 こごでの検証での、レベル15のダンジョンを10回パスしたときの出現アイテムは
 レア度★☆☆☆☆ 0%
 レア度★★☆☆☆20%
 レア度★★★☆☆70%
 レア度★★★★☆10%
 レア度★★★★★ 0%
 という結果だった。

「は、花子姉さん……」 
 気まずいまどか、落ち込む花子にかける言葉もない。

「ほ、ほら花子さん。パチンコなんかでもさ、1000円で大当たりする時もあれば、50,000円使っても当たらない時もあるじゃないか……? 花子さんは今、運が悪い状態なだけだよ」 

「……そんなギャンブラーみたいな慰め方しないでください! どうして? 私には冒険者の素質がないっていうことなの!?」
 頭を抱えるまどかだった。

 アキラの言うとおり、この裏技はあくまでレアアイテムの確率を上げるだけのもの。
 花子は今、運の悪い方に偏っている状態だった。
 レアアイテムを獲得しやすくするには、ダンジョンのレベルを上げて、この裏技をするしかないことはわかっているが……

「うぅ……もう一回行きましょう!
 ……と言いたいところですけど……そろそろコレをなんとかしましょうか?」
 花子は山のように積まれたアイテムを指差す。

 今のアキラたちはレア度★★★★☆以外のアイテムには目もくれずに冒険をし続けた結果、大量のアイテムが溜まってしまっている。

「そうだね……そろそろ、アイテムショップに売りに行こうか?」

「そうしましょう。レア度★★★☆☆のアイテムが山ほどありますからね。髭モジャ店長も喜んでくれるんじゃないですか?」

 少し前まではレア度★★☆☆☆のアイテムを使い、レア度★★★☆☆のアイテムは高級品だった3人だが、レアアイテムバブルを迎えている彼らには必要のないアイテムだった。

「あの……アイテムを売ったお金で、能力アップ系のアイテムを買えないでしょうか?」
 珍しくまどかが提案する。
 能力アップ系のアイテムとは、『防御の指輪』や『スピードの指輪』のような装備する人間の能力を上げるアイテムだ。

「これだけ売れば、結構良いアイテムも買えるんじゃないかな?
 確かに今の俺たちに必要なのは、能力アップアイテムだね」

 裏技ガチャのおかげで、良い武器や防具は山ほどある。
 しかし、今のアキラたちに必要なのは使わない武器ではなく、使える能力アップアイテムだ。

「じゃあ、そうしましょう! そしてもっと上のレベルに行きましょう。そうすれば花子姉さんも、レアアイテムをゲットしやすくなるはずですわ」

「うう……まどかちゃん、あんたって子は……」
 自分の運のなさに絶望する花子は、まどかの言葉に目を潤ませる。
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