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「さあ、今日は私が10回パスしてレアアイテムを頂くわ!」
 昨日のアキラのレアアイテムを見て、張り切る花子だった。

 再びレベル15のダンジョンでレアアイテムマラソンが始まった。
 まどかは学校でいないので、今日も2人で始める。

「花子さん、今日は俺に戦闘は任せてくれよ」
 新アイテム『ドラゴンの剣』を早く使いたいアキラだった。

「はぁ……まぁお願いしますね」

「ふふふ、この剣がモンスターの血を求めていてね……」
『ドラゴンの剣』をペロッと舐めるアキラ。

「……キモ。よく分からないですけど、慣れてない武器ですから気をつけてくださいね」

 2人はレベル15のダンジョンへと入る。

 早速、アキラに襲いかかるモンスターたち。
「来たな! くらえッ!」

 自慢の新アイテム『ドラゴンの剣』を振り下ろす。しかし、

「うっ! お、重い……!」
 ノロノロと攻撃するアキラに、モンスターは噛み付く。

「痛っ!! は、花子さん、助けてぇぇえ!」

「まったく……だから言ったんですよ!」
 アキラは後ろに構える花子に助けを求める。

 花子は『火の杖』を振り、炎魔法でモンスターを撃破する。
「アチチチ……あ、ありがとう……助かったよ……」

「……アキラさん! 新しい武器を手に入れたからって舞い上がらないでください! ここはレベル15のダンジョンなんですよ。油断したら死にますよ!」

「うぅ……ごめんなさい」
 花子に睨まれ、おとなしくなるアキラだった。

「今まで使っていた剣は持って来てないんですか?」

「うん……もう使わないと思ってロビーに置いてあります……」

「まったく、しょうがないですね。今回は私の後ろに隠れてください」

「……お願いします。すみません、役立たずですみません……」

 それからは花子が先頭に立ち、モンスターを撃破する。
 使い物にならないアキラの分も花子が戦うため、時間のかかる冒険となった。

 苦戦しながらも、ボスモンスターを倒した花子。
 当然ガチャ回さずにパスをする。

 ロビーに戻ってきた2人。
「アキラさん! 早く『鋼の剣』を持ってきてください!」

「は、はい! すぐに持ってきます!」
 アキラはずっと愛用していた『鋼の剣 レア度★★☆☆☆』に持ち変える。

「でも、不思議なもんだね。レア度★★★★☆の剣より、レア度★★☆☆☆の剣の方が使いやすいなんて……」

「きっと慣れなんでしょうね。使えば使うほど馴染んできて、強くなるなんて店長も言ってましたしね」
 髭モジャ店長の言っていたことを思い出す。

「俺も落ち着いたら、まどかちゃんみたいにレベル1のダンジョンでスライムを斬ってトレーニングしようかな……」

 いくらレアアイテムといっても、手に入れただけで強くなれるほど甘くはないようだ。
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