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 翌日、さっそくアキラと花子は、昨日まどかの言った『ガチャをパスをすれば運が貯まり、良いアイテムが出るかも』という仮説を確かめることにした。
 まどかは学校のため夕方まで来れないので、2人だけでダンジョンへ向かう。

「じゃあ行こうか。レアアイテムマラソンだ!
 花子さん、くれぐれもガチャひいちゃダメだからね?」
 花子に注意をするアキラ。

「わかってますよ! アキラさんこそ、いつもの癖でうっかり引かないように気をつけてくださいね」

 1人づつ別々のダンジョンへと入っていく。
 何周もするために、レベル10前後のラクなダンジョンだ。

「さて、さっさとクリアしちゃおうか」
 アキラはあっという間にダンジョンをクリアする。
 レベル10くらいでは、アキラを苦しめるもうモンスターはいない。

 ボスを倒し、いつものようにダンジョンガチャが現れる。
 今までは飛びついてガチャを回していたが、今日は違う。

「えーっと、ガチャに近づかないで、回す意思を見せなければ……」
 まどかのパス機能を実践するアキラ。

 10秒後、回されないと分かったのか、ガチャが姿を消す。
「お! 消えた!?」
 それと同時に、クリアしたアキラはダンジョンの入り口に飛ばされた。

「パスか……本当にできた……」
 ほぼ同時に花子も戻ってきた。

「あ、アキラさん! パスできましたよ!」
 花子も成功したようだ。

「俺もできたよ。せっかくのガチャを回さないなんて、ちょっともったいない気になっちゃうけどね……」

「仕方ないんです。とりあえず5回目までパスしてみましょうか?」

「そうだね。パスをすると、レアアイテムが出やすくなるのか確かめよう」

 2人はそれからも、黙々と同じダンジョンをクリアする。
 当然、ガチャが現れても回さずにパスだ。

 そして5回目のダンジョンガチャが現れた。
「よし! 頼むぞぉ」

 アキラの体感的には、このレベルのダンジョンガチャで出てくるアイテムは
 レア度★が90%
 レア度★★が10%以下
 レア度★★★以上は数%というイメージだ。

『ガチャ!』
 アキラは期待を込めて力強くガチャを回す。すると、

『レア度★★★☆☆ 素早さのブーツ』
「おぉ!? レア度★★★☆☆!? これは……成功か!?」

 アキラがロビーに戻ると、先に嬉しそうに花子が待っていた。
「アキラさん! 見てください。レア度★★☆☆☆のアイテムが出ましたよ! ……って、アキラさん? それは?」
 花子はアキラが持っている『素早さのブーツ』を見た。

「ふふふ、俺はレア度★★★☆☆だぜっ!」
 アキラは勝ち誇ったように花子に見せつける。

「す、すごい! 普段ならレア度★★★☆☆のアイテムなんて、ほとんど出ませんよね!?」
 驚く花子。

「うん、花子さんのレア度★★☆☆☆のアイテムだって、10回に1回引けるかどうかってトコだよね」
 パスをした2人とも普段の確率より良いアイテムを手に入れた。

「まだ、サンプル回数が少ないので、何とも言えませんが……まどかちゃんのこの裏技、使えそうですね」
 花子はニヤリと笑った。

「……そうだね。コレはすごい発見かもしれない……」

「もう少し試してみましょう。
 あの、よかったら2人で一緒に行きませんか?
 その方が高いレベルのダンジョンクリアできますし!」

「よし、2人で行こうか!」
 花子はアキラに時間短縮のため2人で行こうと提案する。

「次はレベル15のダンジョンで、10回ガチャをパスしてから回してデータを取りましょうか!」

 この技を使えばレアアイテム出現確率を上げられそうだ!
 2人は興奮をしながら、ダンジョンへ入っていった。
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