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本日50回目のレベル1のダンジョン。
まどかはスライムを華麗に捌いていく。
はじめは重かった剣だったが、徐々に慣れてきた。
モンスターをすべて倒し、ボススライムを一撃で倒す。
剣を振るうスピードが上がっているのが、自分でもわかる。
「ふぅ……ちょっとは強くなってるみたいだわ! さあ、戻りましょ!」
ボススライムを倒したまどかの前にダンジョンガチャが現れる。
かれこれ50回パスし続けたガチャだ。
今まではこのガチャに目もくれず、無視し続けたまどかだったが……
「うーん、これが今日最後のガチャだし……1回くらい引いておこうかしら?」
『ガチャ!』
久しぶりにダンジョンガチャを回す。
ここはレベル1のダンジョン、どうせ出てくるアイテムは木の棒に決まっている。
しかし、
『スライムの剣 レア度★★☆☆☆』
「え……? 木の棒じゃないの!?」
久しぶりに引いたダンジョンガチャから、思いもよらないアイテムが飛び出た。
当然、このスライムの剣も、木の棒に比べればいいアイテムと言うだけで、大したアイテムではない。
「久しぶりやったガチャが……コレって……?」
50回ぶりに回したガチャで、このダンジョンではめったに出ないレア度のアイテムを引けた。
そんな、偶然あるのだろうか? まどかはスライムの剣を握り締めダンジョンの外へ出る。
◇
「あ、お疲れ様。本当にあっという間だったね」
ロビーに戻ってくると、アキラと花子が待っていた。
「すみません。お待たせしました」
「あれ? まどかちゃん、その剣はどうしたの?」
花子はスライムの剣に目をやる。
「実は……これたった今、ダンジョンガチャで出てきたんです。今日最後だから引いておこうかな、って思って。
レア度★★☆☆☆で、大したアイテムでは無いんですけれども……珍しいですよね。レベル1のダンジョンでこのアイテムは……」
「確かに不思議ね……。まどかちゃんは50回パスし続けて、久しぶりにガチャを回したらこれが出たのよね?」
花子は神妙な面持ちで言う。
そして、アキラは何かを閃いたように口を開く。
「もしかして……ガチャを引かずにパスをすると、運が溜まるというか……パスした分がまとめて次回のガチャにいくなんてことないかな……!?」
「ええ。私もそうじゃないかと思っていたんですわ。もしそれが本当だったら……すごいことになりますわよね?」
「すごい! まどかちゃん! 大発見じゃないの?」
花子はまどかに飛びつき喜ぶ。
「いえいえ、まだ分かりませんよ……でも早く試してみたいですわ!」
「ああ……! 今日はもう遅い。明日検証してみようか」
期待に胸を膨らませる3人だった。
まどかはスライムを華麗に捌いていく。
はじめは重かった剣だったが、徐々に慣れてきた。
モンスターをすべて倒し、ボススライムを一撃で倒す。
剣を振るうスピードが上がっているのが、自分でもわかる。
「ふぅ……ちょっとは強くなってるみたいだわ! さあ、戻りましょ!」
ボススライムを倒したまどかの前にダンジョンガチャが現れる。
かれこれ50回パスし続けたガチャだ。
今まではこのガチャに目もくれず、無視し続けたまどかだったが……
「うーん、これが今日最後のガチャだし……1回くらい引いておこうかしら?」
『ガチャ!』
久しぶりにダンジョンガチャを回す。
ここはレベル1のダンジョン、どうせ出てくるアイテムは木の棒に決まっている。
しかし、
『スライムの剣 レア度★★☆☆☆』
「え……? 木の棒じゃないの!?」
久しぶりに引いたダンジョンガチャから、思いもよらないアイテムが飛び出た。
当然、このスライムの剣も、木の棒に比べればいいアイテムと言うだけで、大したアイテムではない。
「久しぶりやったガチャが……コレって……?」
50回ぶりに回したガチャで、このダンジョンではめったに出ないレア度のアイテムを引けた。
そんな、偶然あるのだろうか? まどかはスライムの剣を握り締めダンジョンの外へ出る。
◇
「あ、お疲れ様。本当にあっという間だったね」
ロビーに戻ってくると、アキラと花子が待っていた。
「すみません。お待たせしました」
「あれ? まどかちゃん、その剣はどうしたの?」
花子はスライムの剣に目をやる。
「実は……これたった今、ダンジョンガチャで出てきたんです。今日最後だから引いておこうかな、って思って。
レア度★★☆☆☆で、大したアイテムでは無いんですけれども……珍しいですよね。レベル1のダンジョンでこのアイテムは……」
「確かに不思議ね……。まどかちゃんは50回パスし続けて、久しぶりにガチャを回したらこれが出たのよね?」
花子は神妙な面持ちで言う。
そして、アキラは何かを閃いたように口を開く。
「もしかして……ガチャを引かずにパスをすると、運が溜まるというか……パスした分がまとめて次回のガチャにいくなんてことないかな……!?」
「ええ。私もそうじゃないかと思っていたんですわ。もしそれが本当だったら……すごいことになりますわよね?」
「すごい! まどかちゃん! 大発見じゃないの?」
花子はまどかに飛びつき喜ぶ。
「いえいえ、まだ分かりませんよ……でも早く試してみたいですわ!」
「ああ……! 今日はもう遅い。明日検証してみようか」
期待に胸を膨らませる3人だった。
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