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「で、嬢ちゃんはどんな剣を使ってるんだ?」

「えっと私は……通販で買った普通の剣……? ですわ」
 まどかは店長に使っている通販で買った剣の説明をする。

「なるほど……まあそんなに良い武器って訳じゃなさそうだな。その武器だと……レベル7.8のダンジョンで一苦労って感じか?」

「!! は、はい! まさにその通りです」
 店長がただの髭モジャのゴリラではないと気づくまどか。

「そうだろうな。始めたての初心者が安い通販のアイテムを買うってのは仕方ないが、真剣に強くなりたいならもう少し良いアイテムを使ったほうがいいだろうな」

「……はい。そうですわね。あの、今、手持ちがコレしかないんですけど、もっと良いアイテムは買えますか……?」

 まどかは店長に財布を開いて見せる。
 今までの配信でのチップ、アルバイトで貯めた金だ。

「うーん……これだと……あのあたりのアイテムなら買えるモノもあるはずだ」
 店長は安いアイテムの並ぶコーナーを指差す。

「あ、ありがとうございます! 見てみますわ!」
 まどかは乱雑に並べられたアイテムを真剣に物色する。

 中古品だがメンテナンスされたアイテム。
 まどかは現代っ子らしく、インターネットでアイテムの情報を見ることはあるが、これほどの数の実物を手にとって見るのは初めての経験だった。

「これは……? あーちょっと高いわ……これなら……?」

 ブツブツ言いながらアイテムを漁るまどかを見て、花子が話しかける。
「なに? まどかちゃん剣探してるの?」

「え、ええ……」

「あれ? 最近、通販で買ったって言ってなかった?」

「そ、そうなんですけど……もっと強くなりたいんですわっ!」

「……そう。そうよね! 私もそう思ってたわ!」
 真剣なまどかの表情に、熱い気持ちが込み上げてくる花子。

「ま、まあ私は、お2人みたいに資金は多くないですが……」

「何言ってるのよ。私たちだってカツカツよ。だからこうしてダンジョンガチャで出たアイテムや拾った鉱物を売りに来てるんでしょ!」
 花子は査定中の山盛りのアイテムを指差す。

「そうですわね……私も頑張らないといけませんわね!」

「それはそうと……店長、査定はまだかかるの? だいぶ待ってるわよ?」

「おめぇらな! こんなカスみたいなアイテムを山ほど持ってこられて査定に時間がかかってんだよっ!」

「カスですって!?」

「ま、まあまあ、花子さん……あんなにたくさん持ってきたんだから時間はかかるよ」
 アキラは花子をなだめる。

「悪りィがまだ小一時間はかかる。昼メシでも行ってきたらどうだ? 戻ってくる頃には査定終わってるはずだ」

「昼ごはんか……行こっか?」

「そうですね。お腹減りました。まどかちゃんも行きましょう」

「わわ、私もですか!?」
 昼食の誘いにテンパるまどか。

「当たり前でしょ? いきましょう。じゃあ店長よろしくね」

「おう、行ってこい」

 そうして3人は昼食に向かった。
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