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第1章 妹と新学期

第4話 妹は過去について話す

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 失礼なことを言ってきたエボルブをぶん殴ってスッキリしました!

え?体罰じゃないかだって?

同級生だったから合法だと思うよ!たぶん!

そもそも1番気にしてるところを言ってきやがって。

女尊男卑とか男尊女卑はよくないけどさぁ…

やっぱり女性のそういうとことか言及したらダメだと思うんだよね。

………どうやったら大きくなるかな


      ◆◆◆


 ホームルームに着き、生徒たちに会う。

「みんなーちゃんと休めてる?」

「もちろんです!」「早くお話!」「うえええい!」騒がしいね。

めっちゃ元気じゃん。まだ実習できたんじゃないの?

まぁ今更再開したって遅いし黙っておこう。

けっ、決してサボりたいわけじゃないよ!?

生徒に目を向けるとファルカも楽しそうに会話をしている。

みんな友達いるねー誰もぼっちはいない。

わたしはめっちゃ孤立してたのに……

時代の変化なのかな。

「先生は学生のとき強かったの?」

お話!お話!とずっと言っていた生徒が聞いてきた。

えっと名前は…ロウア・フースタレイだ。

「ロウア君、知りたいの?」

「うん!」

話してあげよっか。結構いろんなことがあったし学食までの時間はつぶせるだろう。

「どこから聞きたい?」

一応聞いとく。

「最初から!」

「わかったよ」

わたしは自分の過去を話し始めた。


      ◆◆◆


 5年前のことだ。

わたしはみんなと同じようにこの学園へ入学した。

入学当初…いや、二学期まではぼっち極めてました。

ここまで話すとロウアが聞いてきた。

「入学は何位だったの?」

ふふふ~これは自慢なんだよ?

もちろん主席入学!そして最後まで1位でした!

ん?二学期からはなんでぼっちじゃないの?だって?

それは唯一の親友と出会ったからだよ。思い出すなぁ。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 ー5年前ー



 新学期の昼休み、わたしはいつもどおり独りで昼食をとっていた。

二学期なのになんで友達0人なの?なんて母には言われた。こっちが聞きたいよ。
別に印象が悪くなることなんてしてないのになぁ

試験も1位とってるから”ココが解んなくて~教えてっ!”なんて1人くらい来てもいいのに。

学園って思ってたのと全然違うな…わたしだけか。

なんて思いながらウドンをすする。

ヒノモトノクニの特産なんだっけ。美味しいねこれ。

すると、誰かがわたしの視界を封じた。

「あの、何でしょうか?」

いきなり目の前に立っておいて用が無いわけがないだろう。

恨みをはらしに来たのかな?この人になんかしたかな?

なんて思っていると、

「シアちゃんだよね?わたしアリシアって言うの」

……要件はなんだよ。

「えっと要件はn…「友達になろっ!!!」

わたしの話を遮った挙げ句、食堂いっぱいに響く声でそう言った。

周りの視線が一気に集まる。目立っちゃってるじゃん…

見るとアリシアと名乗った子はキラキラ目を輝かせて返事を待っている。

友達は欲しかったけど急だな。こんな子いたっけ?

「い、良いよ」

「やったあ!シアって呼んでもいいよね!?」

「う、うん」

初対面なのに距離の詰め方が尋常じゃない。

もはや怖い。

というか周りの視線がずっと向けられてる。逃げ出したいよぉ…

「ちょっと違うところで話そうよ!!」

わたしは食べかけのウドンを返却し、アリシアを連れて中庭へ向かった。



      ◇◇◇


 アリシアを中庭に連れてきて話を聞くことにした。

「ねえねえ!何話す?」テンションは高いままだ。

「まず君のことを教えてよ」

「そうだね~私はアリシア!二学期からここに来たの!」

どうりで全く知らなかったわけだ。てか同じクラスじゃないじゃん。

「なんでわたしと友達になろうと思ったの?」

そう聞くと、

「なんとなく!」だそうだ。

なんだこの子すっごい不思議ちゃんだ。

仲良く出来るかなぁ

なんて思っていても初めての友達だ。仲良くしよう。

「まぁこれからもよろしく」

「うん!!」

「じゃあわたし移動教室だから。」

「じゃあね!また放課後!」

ここらで切り上げてアリシアと別れる。

放課後…?何があるんだ?



      ◇◇◇


 本日のすべての講義が終わり帰る支度をしていた。

といっても寮なんだけどね。家が恋しい、餅丸が恋しい。

餅丸っていうのは最近拾ったアサドリなんだけどこれが可愛いのよ。

「ふぅ…あとは図書館で魔法術式の本を借りて、課題をするだけだね」

さーて、図書館に行きましょ。とドアを開けると、

「シアお疲れ様!会いに来たよ!」

元気いっぱいのアリシアがそこにいた。

「アリシアどうしてここに?」

「シアと帰りたかったんだもーん!」

なるほど、だけど図書館に行くんだよなぁ

「わたし図書館に行くから先に帰ってて」

「え?ついていくよ!」

ま・じ・か☆

わたしは愉快な仲間をつれて図書館に行くことになった。





 「ひっろーいっ!すごいなあ!」

この子は図書館ではお静かにが見えないのだろうか。

コホンっと司書さんの咳払いが聞こえる。うちの連れがごめんなさい。

「アリシア図書館では静かにしないと…」

「だって見たことなかったから!」

話聞いてないだろ。まだまだボリュームがデカい。

司書さんの目つきがまた厳しくなる。

このままじゃ出禁になっちゃう!!

「だから静かにしないともう来れなくなっちゃう」と脅すと

「わかったよー」やっとボリュームが下がった。

全く世話がかかるなあ。

そんなアリシアを近くの椅子に座らせ、わたしは目的の本を探す。

「あったあった。これでよしと」

司書さんのところへ持っていき貸出手続きを終わらせてから、アリシアのところへ行く。

「すー……スーーもう、たべられないおお…」

アリシアは椅子に座ったまま寝ていた。

たった数分しか経ってないのにもう寝てるよ。

起こすか、置いていくか。迷うなあ。

「ごおおおお!ごふっっスー…スー……」

起こそう。司書さんに殺されちゃう前に。

「アリシア、アリシア起きて」

「ままーだいすきー」

「ママじゃないよ、シアだよ」

「あ、おはよシア。どうしたの?」

「借り終わったから帰ろう」

「うん…ふぅあ~ぁ」

そうしてわたし達は寮に戻った。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 「終わり?」

ロウアがそう言ってきた。

「いいや、まだまだあるんだけど学食の時間だからね。続きはまた今度」

話し終えるとわたしの周りにはクラスのほとんどがいた。

「えーもっと聞きたかった!」「先生の友達も強いの?」「今度っていつ?」

おぉなんだか大好評だったようだ。

でも話すと本当に長くなっちゃうんだよなぁ。

もうすでにお昼どき、空腹で倒れられても困るからね。

「まあまあお腹も減ったし、食堂に行こうよ」

そう生徒を促し、教員室に戻る。


      ◆◆◆


 教員室に入り、自分の席に座る。

「疲れた……」

体力的にはまだまだ元気だけど、いろんなことがあって大変だった。

とくにファルカに正しさを教えるときとか。

机に緑茶が置かれた。リリアだ。

「シアおつかれ。今日の実習大変だったんでしょ?」

「うん、危うく人が死にかけたりとかね」

「え!?まだ1年生なのにそんなことが!怖いねー」

今年の1年は優秀だね。主席といえどもあのレベルは高い。

さてさて、明日からどうやって教えようかな。

あの子達の持った個性をを伸ばせるに教えたいね。

「アリシア……どうやって教えたら良いかな…」

今はいない親友の名前を虚空に呼ぶ。

あぁ今日話したからか。また思い出しちゃったなぁ。

目を閉じて、思い浮かべる。

”アリシア、わたしは今元気だし、幸せだよ。一緒に分かち合いたかったよ”

形のない親友へ言葉を送る。

そのままわたしの意識は夢の中に溶けていった。





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