5 / 7
第1章 妹と新学期
第4話 妹は過去について話す
しおりを挟む失礼なことを言ってきたエボルブをぶん殴ってスッキリしました!
え?体罰じゃないかだって?
同級生だったから合法だと思うよ!たぶん!
そもそも1番気にしてるところを言ってきやがって。
女尊男卑とか男尊女卑はよくないけどさぁ…
やっぱり女性のそういうとことか言及したらダメだと思うんだよね。
………どうやったら大きくなるかな
◆◆◆
ホームルームに着き、生徒たちに会う。
「みんなーちゃんと休めてる?」
「もちろんです!」「早くお話!」「うえええい!」騒がしいね。
めっちゃ元気じゃん。まだ実習できたんじゃないの?
まぁ今更再開したって遅いし黙っておこう。
けっ、決してサボりたいわけじゃないよ!?
生徒に目を向けるとファルカも楽しそうに会話をしている。
みんな友達いるねー誰もぼっちはいない。
わたしはめっちゃ孤立してたのに……
時代の変化なのかな。
「先生は学生のとき強かったの?」
お話!お話!とずっと言っていた生徒が聞いてきた。
えっと名前は…ロウア・フースタレイだ。
「ロウア君、知りたいの?」
「うん!」
話してあげよっか。結構いろんなことがあったし学食までの時間はつぶせるだろう。
「どこから聞きたい?」
一応聞いとく。
「最初から!」
「わかったよ」
わたしは自分の過去を話し始めた。
◆◆◆
5年前のことだ。
わたしはみんなと同じようにこの学園へ入学した。
入学当初…いや、二学期まではぼっち極めてました。
ここまで話すとロウアが聞いてきた。
「入学は何位だったの?」
ふふふ~これは自慢なんだよ?
もちろん主席入学!そして最後まで1位でした!
ん?二学期からはなんでぼっちじゃないの?だって?
それは唯一の親友と出会ったからだよ。思い出すなぁ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ー5年前ー
新学期の昼休み、わたしはいつもどおり独りで昼食をとっていた。
二学期なのになんで友達0人なの?なんて母には言われた。こっちが聞きたいよ。
別に印象が悪くなることなんてしてないのになぁ
試験も1位とってるから”ココが解んなくて~教えてっ!”なんて1人くらい来てもいいのに。
学園って思ってたのと全然違うな…わたしだけか。
なんて思いながらウドンをすする。
ヒノモトノクニの特産なんだっけ。美味しいねこれ。
すると、誰かがわたしの視界を封じた。
「あの、何でしょうか?」
いきなり目の前に立っておいて用が無いわけがないだろう。
恨みをはらしに来たのかな?この人になんかしたかな?
なんて思っていると、
「シアちゃんだよね?わたしアリシアって言うの」
……要件はなんだよ。
「えっと要件はn…「友達になろっ!!!」
わたしの話を遮った挙げ句、食堂いっぱいに響く声でそう言った。
周りの視線が一気に集まる。目立っちゃってるじゃん…
見るとアリシアと名乗った子はキラキラ目を輝かせて返事を待っている。
友達は欲しかったけど急だな。こんな子いたっけ?
「い、良いよ」
「やったあ!シアって呼んでもいいよね!?」
「う、うん」
初対面なのに距離の詰め方が尋常じゃない。
もはや怖い。
というか周りの視線がずっと向けられてる。逃げ出したいよぉ…
「ちょっと違うところで話そうよ!!」
わたしは食べかけのウドンを返却し、アリシアを連れて中庭へ向かった。
◇◇◇
アリシアを中庭に連れてきて話を聞くことにした。
「ねえねえ!何話す?」テンションは高いままだ。
「まず君のことを教えてよ」
「そうだね~私はアリシア!二学期からここに来たの!」
どうりで全く知らなかったわけだ。てか同じクラスじゃないじゃん。
「なんでわたしと友達になろうと思ったの?」
そう聞くと、
「なんとなく!」だそうだ。
なんだこの子すっごい不思議ちゃんだ。
仲良く出来るかなぁ
なんて思っていても初めての友達だ。仲良くしよう。
「まぁこれからもよろしく」
「うん!!」
「じゃあわたし移動教室だから。」
「じゃあね!また放課後!」
ここらで切り上げてアリシアと別れる。
放課後…?何があるんだ?
◇◇◇
本日のすべての講義が終わり帰る支度をしていた。
といっても寮なんだけどね。家が恋しい、餅丸が恋しい。
餅丸っていうのは最近拾ったアサドリなんだけどこれが可愛いのよ。
「ふぅ…あとは図書館で魔法術式の本を借りて、課題をするだけだね」
さーて、図書館に行きましょ。とドアを開けると、
「シアお疲れ様!会いに来たよ!」
元気いっぱいのアリシアがそこにいた。
「アリシアどうしてここに?」
「シアと帰りたかったんだもーん!」
なるほど、だけど図書館に行くんだよなぁ
「わたし図書館に行くから先に帰ってて」
「え?ついていくよ!」
ま・じ・か☆
わたしは愉快な仲間をつれて図書館に行くことになった。
「ひっろーいっ!すごいなあ!」
この子は図書館ではお静かにが見えないのだろうか。
コホンっと司書さんの咳払いが聞こえる。うちの連れがごめんなさい。
「アリシア図書館では静かにしないと…」
「だって見たことなかったから!」
話聞いてないだろ。まだまだボリュームがデカい。
司書さんの目つきがまた厳しくなる。
このままじゃ出禁になっちゃう!!
「だから静かにしないともう来れなくなっちゃう」と脅すと
「わかったよー」やっとボリュームが下がった。
全く世話がかかるなあ。
そんなアリシアを近くの椅子に座らせ、わたしは目的の本を探す。
「あったあった。これでよしと」
司書さんのところへ持っていき貸出手続きを終わらせてから、アリシアのところへ行く。
「すー……スーーもう、たべられないおお…」
アリシアは椅子に座ったまま寝ていた。
たった数分しか経ってないのにもう寝てるよ。
起こすか、置いていくか。迷うなあ。
「ごおおおお!ごふっっスー…スー……」
起こそう。司書さんに殺されちゃう前に。
「アリシア、アリシア起きて」
「ままーだいすきー」
「ママじゃないよ、シアだよ」
「あ、おはよシア。どうしたの?」
「借り終わったから帰ろう」
「うん…ふぅあ~ぁ」
そうしてわたし達は寮に戻った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「終わり?」
ロウアがそう言ってきた。
「いいや、まだまだあるんだけど学食の時間だからね。続きはまた今度」
話し終えるとわたしの周りにはクラスのほとんどがいた。
「えーもっと聞きたかった!」「先生の友達も強いの?」「今度っていつ?」
おぉなんだか大好評だったようだ。
でも話すと本当に長くなっちゃうんだよなぁ。
もうすでにお昼どき、空腹で倒れられても困るからね。
「まあまあお腹も減ったし、食堂に行こうよ」
そう生徒を促し、教員室に戻る。
◆◆◆
教員室に入り、自分の席に座る。
「疲れた……」
体力的にはまだまだ元気だけど、いろんなことがあって大変だった。
とくにファルカに正しさを教えるときとか。
机に緑茶が置かれた。リリアだ。
「シアおつかれ。今日の実習大変だったんでしょ?」
「うん、危うく人が死にかけたりとかね」
「え!?まだ1年生なのにそんなことが!怖いねー」
今年の1年は優秀だね。主席といえどもあのレベルは高い。
さてさて、明日からどうやって教えようかな。
あの子達の持った個性をを伸ばせるに教えたいね。
「アリシア……どうやって教えたら良いかな…」
今はいない親友の名前を虚空に呼ぶ。
あぁ今日話したからか。また思い出しちゃったなぁ。
目を閉じて、思い浮かべる。
”アリシア、わたしは今元気だし、幸せだよ。一緒に分かち合いたかったよ”
形のない親友へ言葉を送る。
そのままわたしの意識は夢の中に溶けていった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
めっちゃモテスーパーヒロインは義兄&悪の王子と三角関係にお悩みのご様子で
奇談エバンジェリスト
ファンタジー
冴えない大学生篠宮光輝がこよなく愛するスーパーヒロイン守りたガール(MG)の正体、それは血縁のない妹、美波だ。
そんな妹ヒロインが悪の組織に捕まり大ピンチ!!
あろうことか、秘密結社の王子様に見初められ…
正義の乙女と悪のプリンス、そして平民大学生の三角関係が始まった!?
恋の顛末はいかに…
主人公は魔法が使えないのである。
ice cocoア
ファンタジー
魔法を使う、それはこの世界では当たり前の事であった。
しかし捨て子として登場する主人公クリストファー=プラッセには魔法が全く使えなかった。その代わりに常人離れした運動神経、筋力、判断力を持っていた。死んだと言われる父親を生き返らせるため四大魔聖器を集める旅に出たプラッセは魔法を使う敵と戦い、仲間を作り成長して行く。
月見里さん家の十人兄妹
冰彗
ファンタジー
月見里家は町内でも有名な一家だ。父親である月見里一希は大企業の社長、母親である月見里望雨は有名な弁護士。そんな二人には十人の子どもがいる。
長男の夕吏、二男の詠、三男の詩、四男の雫、五男の霜、六男の星那、七男の琥珀、八男の三夜、九男のほたる、長女の千夜。
両親は仕事が忙しく家にはほとんど居ない。兄妹仲良く暮らしてはいる、たまに喧嘩はするけど。
これはそんな兄妹の仲良く暮らしているという事を話すだけの物語である。
by長男(๑•̀ㅂ•́)و✧
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
八百年生きた俺が十代の女に恋をするのはやはり罪ですか?
松岡夜空
ファンタジー
異世界に呼び出されて八百年が経った。チートは老いることのない身体。人の八倍の一生を生きた俺に敵はない。しかし俺の隣に並べる者もまたいない。
ある日、S級難度(生死保証せず)の依頼を受けて、観光の街エルメルリアへと俺は向かった。
そこで出会った二人の少女。
世界に二十一人しかいないとされるS4(最高位)魔術師、白亜のティアラナと、謎の少女パミュ。
俺は依頼主である白亜のティアラナに、パミュとエルメルリアの街を観光してきてくれ、という依頼を受けた。
観光の街エルメルリアで出会う数多の人々。
この街で一般人のように暮らせたら。
そう思いながら観光を終えた時、白亜のティアラナが俺に言った。
「もしよかったらなんだけど、あたしのところで住み込みで働いてみるつもりはないかしら?」
観光の街、エルメルリアで繰り広げられる、恋と魔術のギャグ・コメディ。時々シリアス。
男も女も楽しめる、そんな恋愛模様を描くことを目標としています。
※ 小説家になろう様の方でも、連載しています。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる