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三十七、私の幸せ
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「旦那様が一緒にいてくれるのなら怖くありませんわ。ですから後悔なんて微塵も必要ないのです。それよりも旦那様にはするべきことがあるはずですわ! 約束、忘れてしまったんですか!?」
「約束?」
「私のことを忘れても忘れなかった癖に、今更しらばっくれるなんてなしですわよ! 最初に言ったじゃないですか。美味しい物、たくさん食べさせて下さいね。旦那様!」
旦那様は口をぽっかりと開けている。
そんなにおかしなことを言ったかしら? むしろ何度も言ってますよね?
「いや、俺は……てっきり冗談や、俺への慰めだと思っていたんだが……」
「はい? 私は本気です! まだまだ食べたりないんですから、逃がしませんよ!」
その言葉通り、力いっぱい抱き着いてやる。あの日彷徨っていた両腕でしっかりと抱きしめれば、旦那様ももう一度引き寄せてくれた。手放すつもりはないと言ってくれているようで嬉しい。
「私はたとえこの命が尽きたとしても来世があると思うのです。ですからこの人生は旦那様と一緒にいるために、そしてこの世界で美味しいものを食べるために使いますわ。ほら、後悔なんて微塵も必要ないのです!」
「ありがとな、エスティ……」
パチパチパチ――
頭上から聞こえたのは乾いた拍手だ。
「そろそろ上がっていただいてもよろしいかしら?」
言葉と一緒に縄梯子が下ろされる。もちろん下ろしてくれたのは海の魔女で、警戒するなというほうが難しい。
「……これでよろしいかしら?」
無言で睨み付けていると海の魔女はその場に短剣を落とし、自らは船首の方へと歩いて行く。そしてたっぷりと距離を取ってから、もう一度早くと促した。
「どうします?」
私は旦那様に判断を仰いだ。
「ひとまず俺が先に上ろう」
「わかりました。いざとなれば私が泳いで岸まで連れて行くプランもありますから、安心して下さいね!」
「そりゃ頼もしい」
後に続いて梯子を上り、最後は先に上っていた旦那様が引き上げてくれた。海の魔女の姿を確認すると、のんきに歌いながら腰かけている始末。私たちが近付いてくるのを目に止めると、またあの心のこもっていない拍手を繰り返す。
「王子様とお姫様は幸せになりました? おめでとう、めでたしめでたしなのね。まるで私一人が悪者のような展開ですけれど、王子様は後悔されていたのでしょう? 本当にこのお嬢さんと幸せになれると思っているのかしら……」
旦那様は私の肩を抱く。その動きには迷いなんて感じられなかった。
「もう迷わねーよ。エスティは俺が幸せにする」
「そう……わかりましたわ」
ふわりと力を抜いた海の魔女の身体は後ろへ傾いていく。最後に穏やかに笑ったように見えたのは気のせい? 手を伸ばす間もなく、海の魔女は船から落ちていった。
二人揃って海を覗き込んでから、しばらく経って海面に現れたのは緑の人魚だ。顔立は海の魔女と同じなのに、黒かった髪は爽やかな薄緑へと変化している。旦那様と同じ、綺麗な人を惹きつける色だ。目立たないように染めていたのかもしれない。
「お嬢さんがそばにいる限り、もう二度と王子様に手出しはしないと約束するわ。これで満足ね? さあ、早くお帰りになさい」
海の魔女は言うだけ言って海に潜ってしまう。このまま泳いで逃げるつもりかもしれない。
「待って!」
引っ掻きまわして、勝手に旦那様を巻き込んで、こんなところまで連れてきたっていうのにそれで終わり?
それに、その髪の色は……旦那様と同じ……
「待っちなさい!」
ここで飛び込めば私なら追いつける。追いかけて、今度こそ全部問い詰めることも出来る。でも旦那様は飛び込もうとした私を引き止めた。
「行かなくていい」
「でも! もしかしてあの人……」
髪の色が同じというだけで核心はない。でももしかしらたらあの人は、旦那様のお母様かもしれないんですよ?
「ここにいてくれ。たとえあれが誰であったとしても、俺はお前にそばにいてほしい。エスティがいればそれだけでいいんだ」
私よりも訊きたいことがたくさんあるはずなのに。それなのにこの人は私を選んでくれた。私にそばにいてほしいと望んでくれた。
もう、あの人のあとを追いかけようとは思わなかった。私たちはずぶ濡れだったけど、旦那様といられるのなら温かいもの。私はこの温もりから離れられなかった。
「ずっとお前に言えなかったことがある」
「はい」
「俺の母は人魚だったと、昔父に教えられたんだ」
それで人魚が人間になれると知っていたんですね。
「けど俺は、おそらく父もだが、人魚の永遠の命を持つとは知らなかったんだ。ずっと捨てられた理由を考えていたんだが、そうか……あの人は後悔していたんだな」
「旦那様、それは!」
「いや、聞いてくれ。俺は許されたかったんだよ」
「え?」
「母に捨てられて、海で溺れて、俺は誰からも必要とされていない人間なのかって絶望してた。そんな俺を救ってくれたのがお前だ」
「私、ですか?」
「お前は綺麗だったよ。青い瞳に俺だけを映して、母からさえ与えられたことのない歌を、俺だけのために歌ってくれた。あの感動がずっと忘れられなかった。同じ人魚であるお前に愛してもらえたら許される気がしたよ。だからお前に愛されたかった。もう一度、俺だけのために歌ってほしいと思った。……悪い。気分のいい話じゃなかったな」
「いいえ! 私はもっと旦那様のことが知りたいのです! 何を考えているのか、昔何があったのか、誰よりも知っていたいのですわ。ですからどんなことでも話して下さい。それがきっと、夫婦というものなのでしょう?」
「ああ。エスティこそ、愛のこもった歌、聴かせてくれよ」
「これから何度だって歌いますわ。飽きるほどたくさん聴かせて差し上げます! ああ、でもそういえば……」
すっかり忘れていたけれど、歌は人魚の求愛方法なのよね。
「私は人間になったのですから、人魚の求愛方法は古いかもしれませんね」
でもご安心下さい! 私は人間の求愛方法も心得ているのです!
旦那様の首に腕を回して引き寄せて、自分は背伸びをして唇を重ねた。それが人間の、愛の示し方だ。触れるだけのキスをして目を開くと驚いた旦那様の顔が一番に見える。
吐息の感じる距離で微笑み、私たちはもう一度キスをした。
~☆~★~☆~★~☆~★~☆~
けれど幸せな時間が過ぎるのは早い。そう……いつまでも甘い時間に浸ってはいられないのよ!
残してきた問題がね? お城の方とか、ニナとかエリクとか……今頃心配しているわよね!?
まず驚いたことに、船には私たち以外の人間は乗っていなかった。
え、じゃあどうやって動かしていたのと目を見張る私に、旦那様も原理を知らないと言う。
え、海の魔女の力とかですか? そんな力はないと思うけど、泳ぎ去ってしまった後なので真相は闇に消えた。
やはりここは私が旦那様を連れて陸まで泳ぐべきかしらと考え始めたところで船は進路を変える。陸から離れるばかりだったのに、波に揺られてくるりと向きを変えていた。
風のせいではないようね。私たちは不思議な体験を目の当たりにしていた。まるで海から追い出されているみたいね。
私はとっさに海を振り返り、遠く海の底にまで届くよう声を張る。
「海の魔女! マリーナ姉さん! みんな、そこで見ていてー!」
私の幸せを、この人の隣で笑っている姿を。人魚が永遠に生きるというのなら、その瞳に刻んでいて下さいね。
~☆~★~☆~★~☆~★~☆~
港に戻った私たちは泣きながら怒るエリクに迎えられる。今回の一件では誰よりも苦労をかけてしまった相手を私も労った。旦那様はひたすら謝り倒しているし、ぽかぽかと殴られている。そんな騒動を聞きつけてか、ちょうど港に到着していたイデットさんと顔を合わせてしまった。
「これは一体、なんの騒ぎです?」
問い詰められた私は苦し紛れに言った。
「イデットさんを迎えに来たんですよ。早く会いたくて!」
旦那様も上手に便乗してくれました。
「ああ、エスティの言う通りだ。荷物も重くて大変だろうからな。荷物持ちにと俺も立候補したんだ」
「坊ちゃまっ! ああっ、わたくしのために港まで足を運んでくださるなど、イデットは幸せで泣いてしまいそうです!」
イデットさんにとって旦那様の言葉は何よりも説得力があるんですね。目に見えて喜んでいるのがわかる。
「おや、エリクも荷物持ちですか?」
「いや僕は荷物とか持ちたくないんだけど」
素で答えないのエリク! そこは嘘でも誤魔化して! 仕方ないので私がフォローを入れておく。
「エリクはケーキを買いに来ました。イデットさんは長旅でお疲れでしょうから、甘い物でも食べて疲れを癒してもらいたいと、自ら名乗り出てくれたのですわ」
「そういうことでしたか。またみなでケーキを食べるのも悪くはありませんね」
悪くないどころの提案じゃない。私にとっては夢のような提案だ。食べ物はいつだって囲んでいたい主役だ。
「そうですね。早く帰ってみんなで美味しい物を食べましょう!」
「賛成だ」
一番に賛同してくれた旦那様。
成り行きでケーキを買いに行かされたエリク。
旦那様の優しさに感涙するイデットさん。
これが私のハッピーエンドなんだけど……どうだった、エリク? 満足してもらえたらいいわね。
私? 私はね――
最高に幸せよ!!
私たちは微笑ましい気持ちでお城に帰った。イデットさんがニナに縋りつかれ、騒ぎの全貌を知って腰を抜かすまであと少し。
「約束?」
「私のことを忘れても忘れなかった癖に、今更しらばっくれるなんてなしですわよ! 最初に言ったじゃないですか。美味しい物、たくさん食べさせて下さいね。旦那様!」
旦那様は口をぽっかりと開けている。
そんなにおかしなことを言ったかしら? むしろ何度も言ってますよね?
「いや、俺は……てっきり冗談や、俺への慰めだと思っていたんだが……」
「はい? 私は本気です! まだまだ食べたりないんですから、逃がしませんよ!」
その言葉通り、力いっぱい抱き着いてやる。あの日彷徨っていた両腕でしっかりと抱きしめれば、旦那様ももう一度引き寄せてくれた。手放すつもりはないと言ってくれているようで嬉しい。
「私はたとえこの命が尽きたとしても来世があると思うのです。ですからこの人生は旦那様と一緒にいるために、そしてこの世界で美味しいものを食べるために使いますわ。ほら、後悔なんて微塵も必要ないのです!」
「ありがとな、エスティ……」
パチパチパチ――
頭上から聞こえたのは乾いた拍手だ。
「そろそろ上がっていただいてもよろしいかしら?」
言葉と一緒に縄梯子が下ろされる。もちろん下ろしてくれたのは海の魔女で、警戒するなというほうが難しい。
「……これでよろしいかしら?」
無言で睨み付けていると海の魔女はその場に短剣を落とし、自らは船首の方へと歩いて行く。そしてたっぷりと距離を取ってから、もう一度早くと促した。
「どうします?」
私は旦那様に判断を仰いだ。
「ひとまず俺が先に上ろう」
「わかりました。いざとなれば私が泳いで岸まで連れて行くプランもありますから、安心して下さいね!」
「そりゃ頼もしい」
後に続いて梯子を上り、最後は先に上っていた旦那様が引き上げてくれた。海の魔女の姿を確認すると、のんきに歌いながら腰かけている始末。私たちが近付いてくるのを目に止めると、またあの心のこもっていない拍手を繰り返す。
「王子様とお姫様は幸せになりました? おめでとう、めでたしめでたしなのね。まるで私一人が悪者のような展開ですけれど、王子様は後悔されていたのでしょう? 本当にこのお嬢さんと幸せになれると思っているのかしら……」
旦那様は私の肩を抱く。その動きには迷いなんて感じられなかった。
「もう迷わねーよ。エスティは俺が幸せにする」
「そう……わかりましたわ」
ふわりと力を抜いた海の魔女の身体は後ろへ傾いていく。最後に穏やかに笑ったように見えたのは気のせい? 手を伸ばす間もなく、海の魔女は船から落ちていった。
二人揃って海を覗き込んでから、しばらく経って海面に現れたのは緑の人魚だ。顔立は海の魔女と同じなのに、黒かった髪は爽やかな薄緑へと変化している。旦那様と同じ、綺麗な人を惹きつける色だ。目立たないように染めていたのかもしれない。
「お嬢さんがそばにいる限り、もう二度と王子様に手出しはしないと約束するわ。これで満足ね? さあ、早くお帰りになさい」
海の魔女は言うだけ言って海に潜ってしまう。このまま泳いで逃げるつもりかもしれない。
「待って!」
引っ掻きまわして、勝手に旦那様を巻き込んで、こんなところまで連れてきたっていうのにそれで終わり?
それに、その髪の色は……旦那様と同じ……
「待っちなさい!」
ここで飛び込めば私なら追いつける。追いかけて、今度こそ全部問い詰めることも出来る。でも旦那様は飛び込もうとした私を引き止めた。
「行かなくていい」
「でも! もしかしてあの人……」
髪の色が同じというだけで核心はない。でももしかしらたらあの人は、旦那様のお母様かもしれないんですよ?
「ここにいてくれ。たとえあれが誰であったとしても、俺はお前にそばにいてほしい。エスティがいればそれだけでいいんだ」
私よりも訊きたいことがたくさんあるはずなのに。それなのにこの人は私を選んでくれた。私にそばにいてほしいと望んでくれた。
もう、あの人のあとを追いかけようとは思わなかった。私たちはずぶ濡れだったけど、旦那様といられるのなら温かいもの。私はこの温もりから離れられなかった。
「ずっとお前に言えなかったことがある」
「はい」
「俺の母は人魚だったと、昔父に教えられたんだ」
それで人魚が人間になれると知っていたんですね。
「けど俺は、おそらく父もだが、人魚の永遠の命を持つとは知らなかったんだ。ずっと捨てられた理由を考えていたんだが、そうか……あの人は後悔していたんだな」
「旦那様、それは!」
「いや、聞いてくれ。俺は許されたかったんだよ」
「え?」
「母に捨てられて、海で溺れて、俺は誰からも必要とされていない人間なのかって絶望してた。そんな俺を救ってくれたのがお前だ」
「私、ですか?」
「お前は綺麗だったよ。青い瞳に俺だけを映して、母からさえ与えられたことのない歌を、俺だけのために歌ってくれた。あの感動がずっと忘れられなかった。同じ人魚であるお前に愛してもらえたら許される気がしたよ。だからお前に愛されたかった。もう一度、俺だけのために歌ってほしいと思った。……悪い。気分のいい話じゃなかったな」
「いいえ! 私はもっと旦那様のことが知りたいのです! 何を考えているのか、昔何があったのか、誰よりも知っていたいのですわ。ですからどんなことでも話して下さい。それがきっと、夫婦というものなのでしょう?」
「ああ。エスティこそ、愛のこもった歌、聴かせてくれよ」
「これから何度だって歌いますわ。飽きるほどたくさん聴かせて差し上げます! ああ、でもそういえば……」
すっかり忘れていたけれど、歌は人魚の求愛方法なのよね。
「私は人間になったのですから、人魚の求愛方法は古いかもしれませんね」
でもご安心下さい! 私は人間の求愛方法も心得ているのです!
旦那様の首に腕を回して引き寄せて、自分は背伸びをして唇を重ねた。それが人間の、愛の示し方だ。触れるだけのキスをして目を開くと驚いた旦那様の顔が一番に見える。
吐息の感じる距離で微笑み、私たちはもう一度キスをした。
~☆~★~☆~★~☆~★~☆~
けれど幸せな時間が過ぎるのは早い。そう……いつまでも甘い時間に浸ってはいられないのよ!
残してきた問題がね? お城の方とか、ニナとかエリクとか……今頃心配しているわよね!?
まず驚いたことに、船には私たち以外の人間は乗っていなかった。
え、じゃあどうやって動かしていたのと目を見張る私に、旦那様も原理を知らないと言う。
え、海の魔女の力とかですか? そんな力はないと思うけど、泳ぎ去ってしまった後なので真相は闇に消えた。
やはりここは私が旦那様を連れて陸まで泳ぐべきかしらと考え始めたところで船は進路を変える。陸から離れるばかりだったのに、波に揺られてくるりと向きを変えていた。
風のせいではないようね。私たちは不思議な体験を目の当たりにしていた。まるで海から追い出されているみたいね。
私はとっさに海を振り返り、遠く海の底にまで届くよう声を張る。
「海の魔女! マリーナ姉さん! みんな、そこで見ていてー!」
私の幸せを、この人の隣で笑っている姿を。人魚が永遠に生きるというのなら、その瞳に刻んでいて下さいね。
~☆~★~☆~★~☆~★~☆~
港に戻った私たちは泣きながら怒るエリクに迎えられる。今回の一件では誰よりも苦労をかけてしまった相手を私も労った。旦那様はひたすら謝り倒しているし、ぽかぽかと殴られている。そんな騒動を聞きつけてか、ちょうど港に到着していたイデットさんと顔を合わせてしまった。
「これは一体、なんの騒ぎです?」
問い詰められた私は苦し紛れに言った。
「イデットさんを迎えに来たんですよ。早く会いたくて!」
旦那様も上手に便乗してくれました。
「ああ、エスティの言う通りだ。荷物も重くて大変だろうからな。荷物持ちにと俺も立候補したんだ」
「坊ちゃまっ! ああっ、わたくしのために港まで足を運んでくださるなど、イデットは幸せで泣いてしまいそうです!」
イデットさんにとって旦那様の言葉は何よりも説得力があるんですね。目に見えて喜んでいるのがわかる。
「おや、エリクも荷物持ちですか?」
「いや僕は荷物とか持ちたくないんだけど」
素で答えないのエリク! そこは嘘でも誤魔化して! 仕方ないので私がフォローを入れておく。
「エリクはケーキを買いに来ました。イデットさんは長旅でお疲れでしょうから、甘い物でも食べて疲れを癒してもらいたいと、自ら名乗り出てくれたのですわ」
「そういうことでしたか。またみなでケーキを食べるのも悪くはありませんね」
悪くないどころの提案じゃない。私にとっては夢のような提案だ。食べ物はいつだって囲んでいたい主役だ。
「そうですね。早く帰ってみんなで美味しい物を食べましょう!」
「賛成だ」
一番に賛同してくれた旦那様。
成り行きでケーキを買いに行かされたエリク。
旦那様の優しさに感涙するイデットさん。
これが私のハッピーエンドなんだけど……どうだった、エリク? 満足してもらえたらいいわね。
私? 私はね――
最高に幸せよ!!
私たちは微笑ましい気持ちでお城に帰った。イデットさんがニナに縋りつかれ、騒ぎの全貌を知って腰を抜かすまであと少し。
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