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二、取引しましょう?
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これは陸に暮らす彼らにとって、そして海に暮らす私たちにとって、歴史的な事件となることでしょう。
引き金を引くのは、私――
海面へと浮上すれば、巨大な帆船は砂浜に打ち上げられるように停泊していた。船底には大きな穴が、強い風を受けるための帆は力なく垂れ下がっている。この船の状態では再び海を進むことは難しいだろう。
乗船していた者たちはすでに船から下り、島には多くの男性たちが立ち尽くしていた。ただし島といってもここは砂浜と僅かばかりの草木で構成された小さな島だ。そんな心許ない状況が彼らの表情に影を落とさせる。空気には絶望の色が濃く浮かんでいた。
まさに声を掛けるのを躊躇われるような静寂ではあるけれど、怖気付いてはいられない。私は彼らの注目を集めるためにわざと尾ひれで派手な水音を立てた。
「おいあれ、人魚じゃないか!?」
作戦は成功。私の存在に気付いた人間たちの表情は困り顔から瞬く間に驚きへと塗り替えられていく。
疑問系であることは仕方がないことだ。なにしろ上半身だけを見せたところで私たちは人間と変わらない。人魚であることを証明したいのなら足を見せなければ。
自分の中でもとびきり友好的な笑みを作り、自信たっぷりに声を発することから始めた。幸い私の顔立ちは得意げな表情が様になると身内からの評判も高く交渉にはうってつけらしい。
「ご機嫌よう。人間のみなさま」
気まぐれで姿を見せたわけではない。会話をする意思があることを伝えるため、まずは挨拶を交わす。生憎彼らの前に立つことは出来ないので、そばに飛び出していた大きめの岩に腰掛けた。
腰を落ち着け髪をなびかせ、優雅に尾ひれの存在を見せつける。すると見計らったように海中から仲間たちが姿を現し背後に並ぶ。人間を相手に取引を持ちかけようという私の心強い護衛だ。
「青い人魚だ……」
距離が近づいた分、人間たちの表情をより鮮明に判断することが出来る。彼らの視線は私へと注がれているのだから、もちろん私のことだろう。今回護衛としてついてきてくれた仲間たちの中でも青という色彩を持つ人魚は私だけだ。
青い鱗に被われた鰭、青い瞳、神秘的な美しさだと仲間たちはよく褒めてくれた。けれどこの色の何がそれほど気になるのか。疑問ではあるけれど、今は話を進めることを優先する。
「お困りのようね。どうかしら、私たちと取引をする気はない?」
彼らの間に動揺が走る。人間に交渉する人魚など初めてのはず。動揺を仕方のないことだと受け流し、私は笑顔を崩さなかった。
この世界において、人魚は空想上の生き物ではない。一見してお伽噺のような存在ではあるけれど、その存在は確かなものとして人々の間で語られている。
上半身は人間と同じ。けれど下半身は魚の鱗に覆われ鰭を持つ。海の中を自在に泳ぎ回り、海の世界に生きる海の支配者――それが私たち人魚であると、この世界の人間たちには伝わっているらしい。陸に生きる者と海に生きる者、両者は相容れることはなく、その必要もないとされている。
けれど私は違う。嵐に遭遇した人間がいれば助けたいと思うのだ。
「お困りなのでしょう?」
私たちだって嵐は好まない。海の生き物たちは怯え、嵐の海に光は届かない。海全体にもどんよりとした空気が立ち込め、嵐の日にはいいことがないというのは人魚の間では有名な格言だ。私もお気に入りのイヤリングを失くし、大切なものを流されてしまったことがある。
だからこそ、彼らについても同じ嵐を快く思わない者としては可哀想だと思うし、無償で助けてあげたいという元人間の良心もある。けれど人魚たちの未来のためにも今回ばかりはそうはいかない。
「交渉するつもりがあるのなら、そちらの代表者の名前を伺いたいわ」
お前たちの状況は理解している。断れると思うなよ? という思惑を滲ませながら私は対等な、あるいは有利な位置を確保しようと言葉を選ぶ。どんなに人と同じ見た目をしていても、彼らにとって人魚は自分たちとは違う異質な存在だということは理解しているつもりだ。
さあ、誰が名乗りを上げるのかしら?
疑問に答えるように動きを見せたのは、一番若く見える青年だった。
船乗りらしい格好をしてはいるが、船長にしては明らかに若く感じてしまう。他の船乗りたちが屈強な体格をしているせいか随分と身体つきも細くも見える。さらに言うと人当たりの良さそうな顔立ちに、爽やかな薄緑の髪は優し気だ。
本当に彼が代表者で間違いないのかしら。明らかに彼よりも年長で、強そうな人物が大勢控えているのだけれど……。
「貴方が話し相手になって下さるの?」
舐められないように挑発的にもとれる口調で問いかける。
彼は一歩前に出るだけかと思えば、長い脚を交互に動かしたまま、止まることなくこちらへと進んだ。まっすぐに私の姿だけを目に映し、一直線に向かってくる。瞳は大きく見開かれ、誰よりも私の存在に驚愕しているようだった。
声は聞こえるはずだけれど、限界まで近付いてくれるつもりなのかしら?
そんな風にのんびりと構えていた私だけれど、彼が躊躇わず海の中に足を踏み入れたことで疑問は驚きへと変わる。そしてやはり疑問は疑問のままだ。
「あの、海に入っているわよ?」
えっと……この人は何をしているのかしら? 濡れてるわよ?
「……ちょっと、ねえ! もうっ、聞いているの!?」
押し寄せる波をかき分けるように進み、いよいよ私の元へと迫っていた。腰まで海に浸かっている癖に、気にも留めようとしない。人間は服や靴が濡れることを煩わしく思うはずなのに、それよりも別のことに集中しているようだった。
「姫!」
おそらく彼の目的は私。周囲を警戒している仲間たちにも緊張が広がっていた。手にした槍状の武器を構え、今にも彼を敵として排除しようとしている。彼も非道な人間と同じ。人魚を捕らえるつもりかもしれないと、そんな心配を抱いたのだろう。けれど私はまだ希望を捨てられない。
「待って。私は大丈夫よ」
せっかく良い交渉相手が見つかったんですもの!
それにまだ、この行動の真意を掴めていない。いざとなれば奥の手もあることは仲間たちも知っている。この力があるからこそ、私なら大丈夫だと説き伏せ人間との交渉を許されたのだから。
「そんなに人魚が珍しいのかしら」
目前にまで迫られた私は少し低い位置にある青年の顔を見つめながら言った。人間としてなら彼の方が背は高いのだろうけれど、岩に座っている分、今は私の方が目線が高い。しかし彼の視線は私の鰭ではなく顔に固定されていた。
彼が肯定も否定もせずに腕を伸ばしたことで仲間の敵意が私たちの肌を刺す。静まりかえった海で、波音だけがこの現実を見守っていた。
私を捕らえようとしたって無駄よ。いざとなれば――
何をするつもりかと挙動を観察していると、彼は私の腕を掴んで自らに引き寄せた。私は悲鳴を上げる間もなく体制を崩し、あっけなく前のめりに倒れて行く。岩から滑り落ち、その先には白いシャツが待ち受けていた。固い異性の身体に受け止められた衝撃に僅かに目を瞑る。
「ふえ?」
私の口から零れたのは間抜けな呟きだ。
二本の腕が私の身体を捕らえている。
その点、私の腕は行き場を失いあたふたと彷徨っているわね!
まるで音がしそうなほど強く抱きしめられている。広げた両腕にすっぽりと身体を拘束されてはいるが、決して苦しくはない。
「会いたかった」
抱きしめたまま、耳元で囁かれた呟きはとても小さなものだった。けれど近さゆえに難なく音を拾うことが出来てしまう。会いたかったと、たった一言には深い感情が込められていた。
けれどそんなこと、今の私にとってはまったく関係のないことだ。
「きゃああああああ――――!!」
この人、誰!?
引き金を引くのは、私――
海面へと浮上すれば、巨大な帆船は砂浜に打ち上げられるように停泊していた。船底には大きな穴が、強い風を受けるための帆は力なく垂れ下がっている。この船の状態では再び海を進むことは難しいだろう。
乗船していた者たちはすでに船から下り、島には多くの男性たちが立ち尽くしていた。ただし島といってもここは砂浜と僅かばかりの草木で構成された小さな島だ。そんな心許ない状況が彼らの表情に影を落とさせる。空気には絶望の色が濃く浮かんでいた。
まさに声を掛けるのを躊躇われるような静寂ではあるけれど、怖気付いてはいられない。私は彼らの注目を集めるためにわざと尾ひれで派手な水音を立てた。
「おいあれ、人魚じゃないか!?」
作戦は成功。私の存在に気付いた人間たちの表情は困り顔から瞬く間に驚きへと塗り替えられていく。
疑問系であることは仕方がないことだ。なにしろ上半身だけを見せたところで私たちは人間と変わらない。人魚であることを証明したいのなら足を見せなければ。
自分の中でもとびきり友好的な笑みを作り、自信たっぷりに声を発することから始めた。幸い私の顔立ちは得意げな表情が様になると身内からの評判も高く交渉にはうってつけらしい。
「ご機嫌よう。人間のみなさま」
気まぐれで姿を見せたわけではない。会話をする意思があることを伝えるため、まずは挨拶を交わす。生憎彼らの前に立つことは出来ないので、そばに飛び出していた大きめの岩に腰掛けた。
腰を落ち着け髪をなびかせ、優雅に尾ひれの存在を見せつける。すると見計らったように海中から仲間たちが姿を現し背後に並ぶ。人間を相手に取引を持ちかけようという私の心強い護衛だ。
「青い人魚だ……」
距離が近づいた分、人間たちの表情をより鮮明に判断することが出来る。彼らの視線は私へと注がれているのだから、もちろん私のことだろう。今回護衛としてついてきてくれた仲間たちの中でも青という色彩を持つ人魚は私だけだ。
青い鱗に被われた鰭、青い瞳、神秘的な美しさだと仲間たちはよく褒めてくれた。けれどこの色の何がそれほど気になるのか。疑問ではあるけれど、今は話を進めることを優先する。
「お困りのようね。どうかしら、私たちと取引をする気はない?」
彼らの間に動揺が走る。人間に交渉する人魚など初めてのはず。動揺を仕方のないことだと受け流し、私は笑顔を崩さなかった。
この世界において、人魚は空想上の生き物ではない。一見してお伽噺のような存在ではあるけれど、その存在は確かなものとして人々の間で語られている。
上半身は人間と同じ。けれど下半身は魚の鱗に覆われ鰭を持つ。海の中を自在に泳ぎ回り、海の世界に生きる海の支配者――それが私たち人魚であると、この世界の人間たちには伝わっているらしい。陸に生きる者と海に生きる者、両者は相容れることはなく、その必要もないとされている。
けれど私は違う。嵐に遭遇した人間がいれば助けたいと思うのだ。
「お困りなのでしょう?」
私たちだって嵐は好まない。海の生き物たちは怯え、嵐の海に光は届かない。海全体にもどんよりとした空気が立ち込め、嵐の日にはいいことがないというのは人魚の間では有名な格言だ。私もお気に入りのイヤリングを失くし、大切なものを流されてしまったことがある。
だからこそ、彼らについても同じ嵐を快く思わない者としては可哀想だと思うし、無償で助けてあげたいという元人間の良心もある。けれど人魚たちの未来のためにも今回ばかりはそうはいかない。
「交渉するつもりがあるのなら、そちらの代表者の名前を伺いたいわ」
お前たちの状況は理解している。断れると思うなよ? という思惑を滲ませながら私は対等な、あるいは有利な位置を確保しようと言葉を選ぶ。どんなに人と同じ見た目をしていても、彼らにとって人魚は自分たちとは違う異質な存在だということは理解しているつもりだ。
さあ、誰が名乗りを上げるのかしら?
疑問に答えるように動きを見せたのは、一番若く見える青年だった。
船乗りらしい格好をしてはいるが、船長にしては明らかに若く感じてしまう。他の船乗りたちが屈強な体格をしているせいか随分と身体つきも細くも見える。さらに言うと人当たりの良さそうな顔立ちに、爽やかな薄緑の髪は優し気だ。
本当に彼が代表者で間違いないのかしら。明らかに彼よりも年長で、強そうな人物が大勢控えているのだけれど……。
「貴方が話し相手になって下さるの?」
舐められないように挑発的にもとれる口調で問いかける。
彼は一歩前に出るだけかと思えば、長い脚を交互に動かしたまま、止まることなくこちらへと進んだ。まっすぐに私の姿だけを目に映し、一直線に向かってくる。瞳は大きく見開かれ、誰よりも私の存在に驚愕しているようだった。
声は聞こえるはずだけれど、限界まで近付いてくれるつもりなのかしら?
そんな風にのんびりと構えていた私だけれど、彼が躊躇わず海の中に足を踏み入れたことで疑問は驚きへと変わる。そしてやはり疑問は疑問のままだ。
「あの、海に入っているわよ?」
えっと……この人は何をしているのかしら? 濡れてるわよ?
「……ちょっと、ねえ! もうっ、聞いているの!?」
押し寄せる波をかき分けるように進み、いよいよ私の元へと迫っていた。腰まで海に浸かっている癖に、気にも留めようとしない。人間は服や靴が濡れることを煩わしく思うはずなのに、それよりも別のことに集中しているようだった。
「姫!」
おそらく彼の目的は私。周囲を警戒している仲間たちにも緊張が広がっていた。手にした槍状の武器を構え、今にも彼を敵として排除しようとしている。彼も非道な人間と同じ。人魚を捕らえるつもりかもしれないと、そんな心配を抱いたのだろう。けれど私はまだ希望を捨てられない。
「待って。私は大丈夫よ」
せっかく良い交渉相手が見つかったんですもの!
それにまだ、この行動の真意を掴めていない。いざとなれば奥の手もあることは仲間たちも知っている。この力があるからこそ、私なら大丈夫だと説き伏せ人間との交渉を許されたのだから。
「そんなに人魚が珍しいのかしら」
目前にまで迫られた私は少し低い位置にある青年の顔を見つめながら言った。人間としてなら彼の方が背は高いのだろうけれど、岩に座っている分、今は私の方が目線が高い。しかし彼の視線は私の鰭ではなく顔に固定されていた。
彼が肯定も否定もせずに腕を伸ばしたことで仲間の敵意が私たちの肌を刺す。静まりかえった海で、波音だけがこの現実を見守っていた。
私を捕らえようとしたって無駄よ。いざとなれば――
何をするつもりかと挙動を観察していると、彼は私の腕を掴んで自らに引き寄せた。私は悲鳴を上げる間もなく体制を崩し、あっけなく前のめりに倒れて行く。岩から滑り落ち、その先には白いシャツが待ち受けていた。固い異性の身体に受け止められた衝撃に僅かに目を瞑る。
「ふえ?」
私の口から零れたのは間抜けな呟きだ。
二本の腕が私の身体を捕らえている。
その点、私の腕は行き場を失いあたふたと彷徨っているわね!
まるで音がしそうなほど強く抱きしめられている。広げた両腕にすっぽりと身体を拘束されてはいるが、決して苦しくはない。
「会いたかった」
抱きしめたまま、耳元で囁かれた呟きはとても小さなものだった。けれど近さゆえに難なく音を拾うことが出来てしまう。会いたかったと、たった一言には深い感情が込められていた。
けれどそんなこと、今の私にとってはまったく関係のないことだ。
「きゃああああああ――――!!」
この人、誰!?
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