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11、サクラ咲く
コント
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「うるせ。お前は昔っから好き放題だったじゃねえか。ちったあ還元しろ」
貴広は目を白黒させながら反駁した。
良平は焦る貴広を無言でじっと見た。
「……何」
貴広は恐る恐るそう訊いた。
「別に」
良平はまたグラスを磨く作業に戻った。
何だよ、もう。心臓に悪いな。
貴広が胸を撫で下ろすと、生駒が言った。
「利子分をコーヒーで勘弁してやるなんて、俺、仏さまか女神さまだよ? それと留守番。言っとっけど、高いよ俺の時給」
「知ってる。充分分かってます」
なだめようとする貴広を無視し、生駒は続けた。
「コーヒー一杯の原価なんて分かってんだよ。この豆だって、カスガから入れてんだろ? 貴広の大豆には負けるけどさ、俺もコーヒーやってたんだから何年も」
良平がカウンターの向こうに勝ち気な目を向ける。
「このひとの淹れる手間も計上してます? 原価じゃないですよ」
「まあ、待て待て待て」
貴広がふたりの間に両腕を伸ばした。
「お前ら、ケンカすんなら外でやれよ。店の空気が悪くなる」
貴広は良平を庇うように身体の後ろに隠した。
「大体利子分って何だよ。キッチリ払うって計画差し入れただろ。ここではお前、ちゃんと客でいろよ。客として大事に扱ってやるから」
生駒がまた何か言おうと息を吸ったところで、カランと店のドアが鳴った。
貴広は目を白黒させながら反駁した。
良平は焦る貴広を無言でじっと見た。
「……何」
貴広は恐る恐るそう訊いた。
「別に」
良平はまたグラスを磨く作業に戻った。
何だよ、もう。心臓に悪いな。
貴広が胸を撫で下ろすと、生駒が言った。
「利子分をコーヒーで勘弁してやるなんて、俺、仏さまか女神さまだよ? それと留守番。言っとっけど、高いよ俺の時給」
「知ってる。充分分かってます」
なだめようとする貴広を無視し、生駒は続けた。
「コーヒー一杯の原価なんて分かってんだよ。この豆だって、カスガから入れてんだろ? 貴広の大豆には負けるけどさ、俺もコーヒーやってたんだから何年も」
良平がカウンターの向こうに勝ち気な目を向ける。
「このひとの淹れる手間も計上してます? 原価じゃないですよ」
「まあ、待て待て待て」
貴広がふたりの間に両腕を伸ばした。
「お前ら、ケンカすんなら外でやれよ。店の空気が悪くなる」
貴広は良平を庇うように身体の後ろに隠した。
「大体利子分って何だよ。キッチリ払うって計画差し入れただろ。ここではお前、ちゃんと客でいろよ。客として大事に扱ってやるから」
生駒がまた何か言おうと息を吸ったところで、カランと店のドアが鳴った。
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