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神月家編【暴露はほどほどに】中
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傑がSランクになったのは32歳の時だ。そもそもAランクであってもSランクになれるかは元々の素質があるかどうかが関係している。Aランクの中でも力の差はしっかりと存在しているのだが、力が強くとも素質がなければどんなに引き上げようとしてもSランクにあがることはできない。
更に、力也のようにSubがSランクに上がってしまったから上がるというのはまれで、ほとんどの場合徐々にSランクに移行していく場合が多い。
「とうくんはりっくんがSランクになったからだったけど、傑の場合はそうじゃなかったからね。はっきり言ってとうくんの方が理由は格好いいよ」
「結衣も聞いたことある?」
「いえ、聞いたことないのでぜひ聞きたいです」
「傑の前で話すと咳き込みそうだからね。まだ結衣にはかっこつけたいみたい。どうせばれるのにね」
一番付き合いの長い、マコ相手にはすでにあきらめているが結衣にはそうではないらしい。恋する乙女のようにうっとりと見られてはやはり気持ちもかわるのだろう。
「それで、なにが大変だったんすか?」
「りっくんは傑の代表作ってわかる?」
「1LDKですよね。殺人鬼の狂気と日常を書いた作品」
「そうそう、あの時傑行き詰っててね。すごい、精神的に不安定になってたんだ」
その時のことを思い出す。あれは10年も前のこと、今でこそ傑の代表傑作と言われた映画だが、撮影当時は行き詰っていた。
狂気を持ちながら日常を送る主人公はDomの心情的には共感できる物だったのだが、監督としてすべての役柄の心情を理解しようとするとそれは難しかった。
逆に、主人公役の役者にとっては理由のない狂気が難しく、現場はもめた。話題になった小説の映画化ということで、世間にも注目されていたことで焦っていたこともある。
「しかも、原作とは結末が違ってたんだよ。何度も何度も原作読んで、メインの役者さん達がでた作品もチェックしたのに完全に行き詰って、部屋に帰ってきてもウロウロウロウロ、落ち着きなくてplayにも集中してなかったんだよ」
「傑様が、ですか?」
「意外でしょ? ストレス溜まっててもSubとplayすれば解消できるはずなのに、解消できないんだもん。相手してる俺だってプライド傷ついたよ」
傑が追い詰められているならば、癒すのがSubの役目だと気合をいれたのに、マコは癒しきることができずに煽られ巻き込まれてしまった。
「で、寝不足にもなってグレアも不安定になったんだよ。そんな時、傑がヒロくんをいきなり連れてきたんだよ。公園に落ちてたって言って。一目見て訳ありだってわかったんだけど、不安定な状況でつれてくるなんて」
浩は連れてこられたとき意識がなかった。そんな浩の為に傑は同じ王華学校出の医師を呼び、診察をしてもらいそのまま預かった。
「てっきり保護施設に預けるんだと思ったら、うちに置くって言うんだよ!? そりゃ俺は多頭飼いでもよかったし、仲間が増えるのは嫌じゃないよ。でも、タイミングってのがあると思わない?」
ストレスがたまり、精神的に不安定になっていたご主人様を癒やせなかった挙げ句に、新たにSubを増やされたのだ。まるで、自分では役に立たないと言われたようでマコは戸惑った。
「それは確かに、落ち込みますよね」
「サブドロップしなかったっすか?」
一般的にDomに意に沿わない命令をされたり、精神的に追い込まれたり、受け入れられないほどのグレアを食らった時などになるとされているサブドロップだが、強い不安にかられた時にもなる。
自分のパートナーであるDomに、自分ではダメだと言われとなれば、Subは間違いなく絶望するだろう。それがきっかけとなりサブドロップすることは十分あり得る事だった。
「その前にキレたんだよ。納得できないことがある時は主人にはっきり言えって、学校で言い聞かされてたからね。自分のSubが納得できない事をしているほうが悪いって、傑も言ってたし」」
所有者たるDomならば、どんなときでも相手に真摯に向き合い、相手の心に寄り添う事は義務だと王華学校では教えている。それを知っているマコは混乱してサブドロップに陥る前にキレてしまった。
「傑様に、ですか?」
「そうそう、でも傑は俺が何で不安になっているかわかってなかったみたいで、結局大げんかだよ」
大げんかといえども、怒っていたのは主にマコで、傑は一方的にそこらにある物を投げつけられていた。
「それで結局どうなったんですか?」
「それがね、傑がうまく対応できないうちに俺がどんどん落ちていって、ヤバいと思ったんだろうね。不安定になってたグレアとコマンドをぶつけてきて、結局俺がサブドロップしちゃったんだよ」
サブドロップに陥るのを止めるはずが、むしろとどめを刺してしまった傑も混乱し、とにかくマコを助けなければと必死に呼びかけた。
その時の焦りが、きっかけとなり傑のなかのSランクの力を目覚めさせたのだ。
「俺が気づいたときは、傑は凄い苦しそうにしながらも必死に笑顔を作ってたんだ」
その時傑のグレアは暴走しかけていた。それでも抑えこみ、コントロールしようと必死に自分自身の欲と戦っていたのだ。
「それがきっかけだったんですか?」
「うん、そこからちょこちょこ傑のグレアが不安定になるときがあって、その度にヒロくんが影響受けないように気をつけて、一週間ぐらいかな。落ち着く頃にはSランクになってたんだよ」
ある日、仕事が終わっても帰ってこなかった傑が、帰ってきてSランクになったことを口にしたときは驚きだった。
「なんか強くなってるってのは感じてたんだけど、不安定になってる所為だと思ってたからね驚いたよ。でも、それを期に傑の不調も落ち着いて、仕事もうまくいったみたいだから良かったよ」
Sランクになって傑が落ち着いたことで、他の役者達も影響されたという訳ではないかもしれないが、役者たちも自分で役を掴み、確実に演技がよくなった。
「傑の指示も伝わりやすくなったんだって、まさか最高傑作と言われるまでになるとは思わなかったけど。人生なにがどう影響するかわからないもんだね」
「そんな事があったんですね」
「あの映画の裏にそんなエピソードがあったんですね」
「そうそう、だからね。今でもインタビューでその作品の話しだされると傑苦笑いになるんだよ。面白いでしょ」
愉快そうに笑うマコにとってこれは実は持ちネタのような物だった。よりにもよって代表作になってしまった所為で事あるごとにだされ、その度に苦笑を浮べたり、バツが悪そうな顔をする傑の事を楽しんでいる。
「私が聞いてよかったんでしょうか?」
「いい、いい。かっこつけてるだけだから」
こうなってしまうとSランクDomも形無しだなと力也は思った。
一般的にはSubはDomに敵わないと思われているが、付き合いが長くなるにつれて敵わなくなるのはSubではなくDomの方だ。多くのDomがSub相手に甘え油断してしまったあげくに、弱い部分をみせてしまう。
「心配なら俺から話しとくから」
気にする様子の結衣にフォローすると、マコは立ち上がり飲み物をおかわりしに立ち上がった。
「そうだ、結衣りっくんにあのこと言った?」
「あのこと?」
「結衣のクレイム式するって話しがでてるんだよ。りっくんには絶対参列して欲しいって」
既にクレイム自体はしているが、なんだかんだで後回しになっていたクレイム式だが、結衣が落ち着いた事もありやる方向になった。
しかし、ダイナミクス関係の人々を呼ぶと言っても、Sランクとして活動している傑は、知り合いも多くまだ日にちは決定していない。
「よかったな、結衣」
「はい、力也さんには傑様から話しがいくと思うのですが・・・・・・」
「まだ聞いてないな。もしかしたら冬真の方に話しいってるかも」
冬真と力也はセットで誘われる為、冬真に連絡が行く場合がある。帰ったら聞いてみようと思いつつ、力也は詳しく話しを聞くことにした。
「いつするんだ?」
「5月にする予定です。仕事関係は呼ばないで少人数で行うとおっしゃってました」
「そもそも大人数でやるものじゃないしね。詳しくは聞いてないけど、来るのは傑の友人とか王華学校の関係者ばかりだよ。できれば結衣の参列者を増やしたいんだけど、あんまりいないって言うし」
「傑様は、好きなだけ呼んでいいとおっしゃってるのですが・・・・・」
家族は問題外、内気な性格の為知り合いも多くない結衣は友人も少なく、呼ぶとなると誰に声をかけていいのかわからない。
「ミキとか港とかは? 結構話してるだろ?」
「来てくれるでしょうか?」
「来てくれるだろ。料理教室のおじちゃんとおばちゃん呼んでもいいし。あとは前の店の店長とかは?」
「前の店ってDom向けのサービスしてるとこだよね。傑がたまに顔出してる」
結衣の勤めていたDom向けのサービスを行っている店は、傑が手出しを始めたため、今では王華学校の卒業生のDomが警備している。
Subの為に、が心情の彼らは警備だけでなく、送り迎えやケアなど、所謂黒服と言われる内容をほとんどボランティアのような感覚で行っている。
更に、力也のようにSubがSランクに上がってしまったから上がるというのはまれで、ほとんどの場合徐々にSランクに移行していく場合が多い。
「とうくんはりっくんがSランクになったからだったけど、傑の場合はそうじゃなかったからね。はっきり言ってとうくんの方が理由は格好いいよ」
「結衣も聞いたことある?」
「いえ、聞いたことないのでぜひ聞きたいです」
「傑の前で話すと咳き込みそうだからね。まだ結衣にはかっこつけたいみたい。どうせばれるのにね」
一番付き合いの長い、マコ相手にはすでにあきらめているが結衣にはそうではないらしい。恋する乙女のようにうっとりと見られてはやはり気持ちもかわるのだろう。
「それで、なにが大変だったんすか?」
「りっくんは傑の代表作ってわかる?」
「1LDKですよね。殺人鬼の狂気と日常を書いた作品」
「そうそう、あの時傑行き詰っててね。すごい、精神的に不安定になってたんだ」
その時のことを思い出す。あれは10年も前のこと、今でこそ傑の代表傑作と言われた映画だが、撮影当時は行き詰っていた。
狂気を持ちながら日常を送る主人公はDomの心情的には共感できる物だったのだが、監督としてすべての役柄の心情を理解しようとするとそれは難しかった。
逆に、主人公役の役者にとっては理由のない狂気が難しく、現場はもめた。話題になった小説の映画化ということで、世間にも注目されていたことで焦っていたこともある。
「しかも、原作とは結末が違ってたんだよ。何度も何度も原作読んで、メインの役者さん達がでた作品もチェックしたのに完全に行き詰って、部屋に帰ってきてもウロウロウロウロ、落ち着きなくてplayにも集中してなかったんだよ」
「傑様が、ですか?」
「意外でしょ? ストレス溜まっててもSubとplayすれば解消できるはずなのに、解消できないんだもん。相手してる俺だってプライド傷ついたよ」
傑が追い詰められているならば、癒すのがSubの役目だと気合をいれたのに、マコは癒しきることができずに煽られ巻き込まれてしまった。
「で、寝不足にもなってグレアも不安定になったんだよ。そんな時、傑がヒロくんをいきなり連れてきたんだよ。公園に落ちてたって言って。一目見て訳ありだってわかったんだけど、不安定な状況でつれてくるなんて」
浩は連れてこられたとき意識がなかった。そんな浩の為に傑は同じ王華学校出の医師を呼び、診察をしてもらいそのまま預かった。
「てっきり保護施設に預けるんだと思ったら、うちに置くって言うんだよ!? そりゃ俺は多頭飼いでもよかったし、仲間が増えるのは嫌じゃないよ。でも、タイミングってのがあると思わない?」
ストレスがたまり、精神的に不安定になっていたご主人様を癒やせなかった挙げ句に、新たにSubを増やされたのだ。まるで、自分では役に立たないと言われたようでマコは戸惑った。
「それは確かに、落ち込みますよね」
「サブドロップしなかったっすか?」
一般的にDomに意に沿わない命令をされたり、精神的に追い込まれたり、受け入れられないほどのグレアを食らった時などになるとされているサブドロップだが、強い不安にかられた時にもなる。
自分のパートナーであるDomに、自分ではダメだと言われとなれば、Subは間違いなく絶望するだろう。それがきっかけとなりサブドロップすることは十分あり得る事だった。
「その前にキレたんだよ。納得できないことがある時は主人にはっきり言えって、学校で言い聞かされてたからね。自分のSubが納得できない事をしているほうが悪いって、傑も言ってたし」」
所有者たるDomならば、どんなときでも相手に真摯に向き合い、相手の心に寄り添う事は義務だと王華学校では教えている。それを知っているマコは混乱してサブドロップに陥る前にキレてしまった。
「傑様に、ですか?」
「そうそう、でも傑は俺が何で不安になっているかわかってなかったみたいで、結局大げんかだよ」
大げんかといえども、怒っていたのは主にマコで、傑は一方的にそこらにある物を投げつけられていた。
「それで結局どうなったんですか?」
「それがね、傑がうまく対応できないうちに俺がどんどん落ちていって、ヤバいと思ったんだろうね。不安定になってたグレアとコマンドをぶつけてきて、結局俺がサブドロップしちゃったんだよ」
サブドロップに陥るのを止めるはずが、むしろとどめを刺してしまった傑も混乱し、とにかくマコを助けなければと必死に呼びかけた。
その時の焦りが、きっかけとなり傑のなかのSランクの力を目覚めさせたのだ。
「俺が気づいたときは、傑は凄い苦しそうにしながらも必死に笑顔を作ってたんだ」
その時傑のグレアは暴走しかけていた。それでも抑えこみ、コントロールしようと必死に自分自身の欲と戦っていたのだ。
「それがきっかけだったんですか?」
「うん、そこからちょこちょこ傑のグレアが不安定になるときがあって、その度にヒロくんが影響受けないように気をつけて、一週間ぐらいかな。落ち着く頃にはSランクになってたんだよ」
ある日、仕事が終わっても帰ってこなかった傑が、帰ってきてSランクになったことを口にしたときは驚きだった。
「なんか強くなってるってのは感じてたんだけど、不安定になってる所為だと思ってたからね驚いたよ。でも、それを期に傑の不調も落ち着いて、仕事もうまくいったみたいだから良かったよ」
Sランクになって傑が落ち着いたことで、他の役者達も影響されたという訳ではないかもしれないが、役者たちも自分で役を掴み、確実に演技がよくなった。
「傑の指示も伝わりやすくなったんだって、まさか最高傑作と言われるまでになるとは思わなかったけど。人生なにがどう影響するかわからないもんだね」
「そんな事があったんですね」
「あの映画の裏にそんなエピソードがあったんですね」
「そうそう、だからね。今でもインタビューでその作品の話しだされると傑苦笑いになるんだよ。面白いでしょ」
愉快そうに笑うマコにとってこれは実は持ちネタのような物だった。よりにもよって代表作になってしまった所為で事あるごとにだされ、その度に苦笑を浮べたり、バツが悪そうな顔をする傑の事を楽しんでいる。
「私が聞いてよかったんでしょうか?」
「いい、いい。かっこつけてるだけだから」
こうなってしまうとSランクDomも形無しだなと力也は思った。
一般的にはSubはDomに敵わないと思われているが、付き合いが長くなるにつれて敵わなくなるのはSubではなくDomの方だ。多くのDomがSub相手に甘え油断してしまったあげくに、弱い部分をみせてしまう。
「心配なら俺から話しとくから」
気にする様子の結衣にフォローすると、マコは立ち上がり飲み物をおかわりしに立ち上がった。
「そうだ、結衣りっくんにあのこと言った?」
「あのこと?」
「結衣のクレイム式するって話しがでてるんだよ。りっくんには絶対参列して欲しいって」
既にクレイム自体はしているが、なんだかんだで後回しになっていたクレイム式だが、結衣が落ち着いた事もありやる方向になった。
しかし、ダイナミクス関係の人々を呼ぶと言っても、Sランクとして活動している傑は、知り合いも多くまだ日にちは決定していない。
「よかったな、結衣」
「はい、力也さんには傑様から話しがいくと思うのですが・・・・・・」
「まだ聞いてないな。もしかしたら冬真の方に話しいってるかも」
冬真と力也はセットで誘われる為、冬真に連絡が行く場合がある。帰ったら聞いてみようと思いつつ、力也は詳しく話しを聞くことにした。
「いつするんだ?」
「5月にする予定です。仕事関係は呼ばないで少人数で行うとおっしゃってました」
「そもそも大人数でやるものじゃないしね。詳しくは聞いてないけど、来るのは傑の友人とか王華学校の関係者ばかりだよ。できれば結衣の参列者を増やしたいんだけど、あんまりいないって言うし」
「傑様は、好きなだけ呼んでいいとおっしゃってるのですが・・・・・」
家族は問題外、内気な性格の為知り合いも多くない結衣は友人も少なく、呼ぶとなると誰に声をかけていいのかわからない。
「ミキとか港とかは? 結構話してるだろ?」
「来てくれるでしょうか?」
「来てくれるだろ。料理教室のおじちゃんとおばちゃん呼んでもいいし。あとは前の店の店長とかは?」
「前の店ってDom向けのサービスしてるとこだよね。傑がたまに顔出してる」
結衣の勤めていたDom向けのサービスを行っている店は、傑が手出しを始めたため、今では王華学校の卒業生のDomが警備している。
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