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第六十話【【イメージPlay】】後

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 信頼しているのだから、わざわざそんなものを用意しなくてもとは思うが、握らせてくれた鈴は暖かく、冬真からの愛情だと感じる。

「無理だって思ったらいつでも落としていいから」

 セーフワードはSubに必ず与えられるべき権利であり、いかなる理由があろうともDomが奪うことはならない。セーフワードとは命綱であると共に、二人の絆の証でもある。
 頷いた力也に愛情を込めたグレアを送り、今度はローターを取り出した。

「演技は許してやるけど、我慢は継続だ」

 そう言えば、何をされるのかもわからないまま、力也は頷いた。

(反応見れないのがちょっと残念だよな)

 取り出したローターは十個、それぞれ通常より強いパワーに設定してある。十個ものローターを手にした冬真を目にし、これからされる行為に脅えるだろうその姿をみれないのは残念としか言えない。
 だからと言って目隠しは取らずに、ローターのスイッチを入れた。
 ブーっと振動音が鳴りひびき、なにを持っているのか分かったのだろう身構えるその体に軽く当てればピクッと軽く跳ねた。

「感じるか?」

硬くとがる乳首に当てれば、必死で耐える荒い息と唾液がボールギャングの間から滴り落ちる。目隠しは涙と汗で濡れてぴったりと張り付き、瞳の形を浮き上がらせていた。

(エロいよな)

 一つだけでなく両手に二つずつのローターを持ち、スイッチを入れれば不意に大きくなった振動音に、一つじゃないことに気づいたのだろう首だけを逃げるようにそむけた。

「さて問題です。俺はいくつ持っているでしょうか?」

 口を塞下がれているから答えられるはずがないのに、そんなことを尋ねながら両手に持っていたローターで両乳首を挟みこむ。

「んーんー!!」

 強い刺激に首を振り必死に耐えようとする力也に構わず、二つのローターで一つずつ挟む。

「じゃあ、十秒頑張ってみるか。イくなよ」

 既に敏感になっている乳首で耐えるのは難しいだろうが、そう言えば力也は覚悟を決めるようにコクリと頷いた。
 
「いーち、にー」

 わざとゆっくりめに数える間も、気を紛らわせようとしてか、首を左右に振り、時に天を仰ぐ。ガクガクと足が揺れ、かがんでしまいそうな体を起こしながら、十秒を耐えきった。

「じゅう。はい、よく頑張ったな」

 腹につきそうなほど立ち上がる性器からは、先走りが耐えず溢れ落ちているが達したわけではない。

「じゃあ、つぎはこっちな」

 一瞬達してもいいと思えるような事を言った冬真だが、我慢はまだ継続中だった。今度はローターを一つだけにし、性器へと直接当てる。

「んんー!!」

 敏感な先端の先走りが触れ出る穴へ押し込むように、当てれば力也の体が電流でも当てられたかのように震えた。

「こっちも十秒たえろよ」

 無理だと言うように首を振るが、それを無視し、穴にねじ込むようにローターを当てた。数を数えるたびに硬直し、ガクガクと震え、ポタポタと床に唾液が垂れる。
どんどんぐちゃぐちゃになっていくその様子に、ひどく興奮する。

「じゅう」

 既に力が入らないか、足から崩れそうになるのを必死に耐える様子が可愛い。従順に受け入れる姿にご褒美をあげたくなる。よくできましたと甘やかしたくなるが、それでもまだ耐える姿を見たい。

「さすが、頑張り屋さんだな。いいこ」

 頬に褒めるようにキスをすれば、ボールギャングから漏れる荒い息は嬉しそうな音へと変わる。

「ここも可愛がって欲しい?」

 後ろから手を回し、秘部へと触れればビクッとするも指先に触れるそこは誘うように動く。尋ねられたことを肯定するように頷く力也に愛情をこめたグレアを返し、ローターを手にする。

「いくつはいるかな」

 まず一つ目を秘部に当てれば滑り込むように容易く飲み込んだ。リモコンのついたコードが垂らし、おちる前にローターをもう一つ手に取り中に押し込む。

「落とさないようにしろよ」

 そう言いながら更にローターを手に取り、既に入れられた二つを奥に押し込むようにしながら中に入れる。

「んんっー」

 体が揺れるたびに、ぶら下がったリモコンがぶつかりカチャカチャと音を立てる。

「四つ目」

 四つも入ると緩んでいても狭くなっていく、でてこないように深くまで入れればローターが指に当たり、押し返すように内部が収縮する。

「まだ入りそうだな」

 もう一つ手に取り少し強引に、ねじ込むように中に入れる。入れた瞬間押し返されるように感じた物の、力也が力を抜いたのだろう、直ぐにするりと中に入った。

「五つも入ったな、きついか?」

 そう言えば、落とさないように耐えながらコクリと頷かれる。流石にもう無理かなと思いながら、もう一つ手に取り秘部に近づければ、期待に添えようとするかのように緩くなる。
 迎え入れるように、緩んだ中にローターを中に押しこむ。
 脂汗と唾液、止めどない先走りが床に水たまりを作りだす中、尻からまるで尻尾のように垂れ下がったリモコンがガチャガチャと音を立てる。

「スイッチいれるぞ」

 リモコンを握り、一気に強へ目盛りを動かせば、その瞬間電流を流されたかのようにビクビクっと大きく震えた。

(苦しい、キツイ)

 強すぎる快感と戦いながら、力也はセーフワードの代わりとなる鈴を落さないようにしっかり握りしめた。
 いつでも落としていいと言われたが、まだ落とすことはできない。冬真ならここで落としても、ここまでの頑張りを頑張りとして認めてくれるだろう。
 かならず、許しと救いをくれると知っているが、それでも値を上げたくない。許可をもらえるまで耐えた末に褒められたい。達成感とともに、幸福に包まれたい。
 その想いがあるからまだ耐えられる。気を散らすような事を思いつくことができなくとも、明らかに今まで使った事のあるローターよりも強力で、限界まで詰め込まれていようとも。
 それでも、頭がチカチカするほどの快感と、唾液は止まることがなく流れ続け、目隠しの下の目を開くことも叶わない。
 カシャ! 聞きなれたシャッター音が聞こえる。どうやらまたこんなみっともない姿を撮られてしまったらしい。こんな姿を撮ってどうするのかと思うが聞いたら藪蛇になるだけだろう。

「マジエロイ」

 舌なめずりしそうな欲を帯びた声を聞いただけで、自分の中の熱も上がる。自分の姿が冬真を煽っていることに喜びを感じる。
 何分耐えたのだろうか、何度かシャッター音と更に続いて録画音まで聞こえた頃、冬真の顔が耳へと近づくのがわかる。

「よく頑張りました。イケ」

 その許しと共に力也の性器に、ローターが当てられた。

「んっー!!」

 声にならない叫び声を漏らし、その瞬間噴き出すように勢いよく達した。噴水のような、勢いが落ちてもその性器は、まるで壊れてしまったかのように止まることなく、白濁を吐き続ける。

「俺も、もう限界」

 既に痛いほど硬く張り詰めた性器は早く入れたいとドクドクと脈打っていた。冬真はリモコンを一つを残し一気に引っ張り外へ出した。

「んー!!」

 引きずりだされた感覚にまた達してしまった力也を抱きしめ、まだ一つローターが残っている中へ高ぶった性器を一気に突き入れた。

「んんっ!」

 内部に残ったローターが敏感な部分をえぐり、奥へと動く感覚に力也の性器からまた勢いよく噴出す。
 既に意識を保てなくなっているのだろう、ガクガクと震え力が抜けかけている体を支え、容赦なく動かし内部を犯す。

「気持ちいい」

 声も出なくなったのか、揺らされるまま、ただ倒れないように立っているだけの体を抱きしめ、動き続けるローターと収縮を繰り返す内部の快感に浸る。

「でる」

碌な反応のなくなった愛しの人の中を、更に追い詰めそして奥深くに粘りつくほどの欲の塊を吐き出した。

 気づけば、酷いありさまだった。床も脱ぎ捨てられた服もベチャベチャ、顎の感覚もおかしい。

「あ、力也、気づいたかおかえり」
「とぅま」
「水飲める?」

 ペットボトルに入ったスポーツドリンクを差し出され、受け取り飲む。その瞬間喉がすごく乾いていたことに気づき、ゴクゴクと一気に飲み干す。

「いい飲みっぷり」

 その様子に楽しそうに笑いながら、冬真は二本目のペットボトルを渡した。あれだけ、体中の水分を出したのだから水分補給は大事だ。

「ありがとう」

 もう一本出された分を飲み切り、ようやく息を吐き出し一息つく。代わりに急激な疲労感が襲い掛かる。

「疲れた」
「だろうな」

 当事者の癖に声を上げ笑う冬真を睨み、ベチャベチャの床に視線を向ける。脱ぎ捨てた服と申し訳程度におかれたタオルが水分を吸ってはいるが、それでもどうにもならないほどになっていた。

「あれ、どうすんだよ」
「あー、今から拭くから力也はシャワーでも行って来いよ」
「俺も……」
「いいって、歩けるか?」

 原因は冬真にあるとはいえ、自分の出した物だからと躊躇していたら、あっさりと断られてしまった。体の心配までされると、シャワーを断ることもできず、仕方なく腰掛けていたベッドから立ち上がり足元に気を付けながらシャワーへ向かう。

「下着ここに出しといてやるから」
「ありがとう」

 ぐちゃぐちゃになったのは、警察のコスプレと下着だ。コスプレの方はいいとして、下着は困るなと思えばちゃんと用意していてくれたらしい。
 さすが気が利くなと、思いながらシャワーを浴び始めた力也はシャワーを終える頃になり、先ほどの冬真の言葉の違和感に気づく。
 抜け目のないご主人様の所為で、今更ながら出しておくと言っていた場所が、ベッドの上だと気づき、やられたと頭を抱えた。
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