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第五十九話【独占欲と我儘】後
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両手いっぱい食料を買い込んで、冬真の部屋に二人は行った。冷凍庫スカスカだからと自信満々に言い切った冷凍庫はあっという間にパンパンになった。
「やっべ、入らない」
「残りは俺が持って帰るから」
「え? 泊ってくんだろ?」
「泊ってくんだっけか?」
当たり前のように言われ、思わず突っ込むのを忘れ聞き返してしまった。それでも聞き返された冬真は何を言っているのかという表情を浮かべている。
「……あ、そうだった、今日は泊まってけ」
「いうの忘れてたろ!」
一瞬の沈黙のあと明らかに今気づいたと言うように言われ、流石に突っ込んだ。どうやら冬真の中では勝手に決定していたことだったらしい。肝心なことは言うくせに、こういうとこは勝手だ。断られるわけがないと確信しているからだとはわかっているが。
「今日は帰したくない」
快い返事を聞けなかったからか、ぎゅっと抱きしめドラマでよく聞くような甘いセリフを言われる。
「今日は?」
「今日も」
それだけで既に帰る気はなくなっていたが、言わなかったお返しとばかりに尋ねれば、スリスリと顔をこすり付けるようにしながら言いなおされてしまう。
「それでも帰るって言ったら?」
「ついてく、段ボール持って」
今日はこのまま、一緒にいると強い主張を向けられてしまえば、もう一人での帰宅は諦めるしかない。仕方ないとも思うが、やはり嬉しくもある。こんな事だけで胸がときめくのが恥ずかしく、冬真の背に手を回しながらそれでも気になったことを尋ね返す。
「段ボール?」
「うん、使いたいのあるから」
その言葉にどの段ボールを指しているのかわかり、思わず体を離すと人をいじめる時のDom特有の悪い笑みを浮かべられる。ゾワゾワとした鳥肌のような感覚が身を駆け上がる。
「なにか知りたい?」
「……知りたい」
「教えない」
「意地悪」
教えてくれるとは思っていなかったが、やはりそう返されてしまい、軽く睨めば楽しそうに笑い返された。
「沢山かわいがってやるから」
そう言うと、タグへ愛を誓うようにそっと唇を寄せる。触れるだけのキスをした冬真は力也を見上げた。
「返事は?」
「よろしくお願いします」
その紳士的な仕草とかけ離れた内容だろうとわかっているが、どんな内容だろうと冬真から与えられる物なら期待してしまう自分がいた。
「いいこ」
握っていたタグを力強く引かれ、キスをされる。舌を差し込まれ、絡められ、それだけで力が抜けていく。
挑むようでいて楽しそうな瞳は、熱を帯び、逃げることを許さないと力也を雁字搦めにした。
ウットリとした視線を受け、冬真は慈愛をこめた微笑みを返すと、口内を散々味わい口を離した。
「じゃあ飯でも食べるか」
「え?」
「腹減ってんだろ」
せっかくその気になっていたのに、お預けを受け戸惑いの表情を浮かべるも、そう言われればあっさり空腹に陥る。結局、それを認めるしかなく力也はその確信犯を睨んだ。
「減ってる」
冬真は不満そうなまま、望む答えを返してきた力也の頭を、子供をなだめるかのようにポンポンと叩いた。
テーブルを前に座る二人の前には、さきほどコ●トコで買ってきた寿司のパックがある。手づかみで食べられるそれはもちろん、冬真が選んだものだ。
「で、どうなったんだ?」
「一応、あのじいちゃん先生がクレイム式来てくれるって」
「一人だけ?」
「一人で充分だろ。俺にプレッシャーかけにくるだけなんだから」
「プレッシャー」
お祝にきてくれるものだと思っていた力也はその返事に、思わず繰り返した。どうも、どんな感じなのかいまいちわからない。
「これで、冬真の方はご家族と伯父さんたちと、友達とパートナーと、先生と仕事関係?」
「力也の方は、孝仁さんたちと氷室さんと社長と神月監督たちだろ? 友達とかは?」
「うーん、呼んでもいいんだけど、なんかDom多そうだからどうかなって」
「Sub仲間か、会場ではグレア禁止すれば平気じゃないのか?」
「それってあり?」
「ありあり」
クレイム式なのだから、グレアやコマンドを使う物だと思っていたらそうでもないらしい。元々、多くのSub仲間とのつながりのある力也だが、それでも呼びたいというより、会って話したいだけだ。
下手に緊張させてしまい、無理して付き合ってもらうのも気が引ける。
「でもな~」
「じゃあ、途中で帰っていいってことにすれば?」
「それで本当に帰るのはDomだけだと思う」
「ダメか」
パートナーに呼び出されたりしない限り、Subならどんなに居心地悪くてもその場に残るだろう。それとは対照的にDomならば誰に許可をもらってなくても、勝手に来て勝手に帰る。
自分勝手としか言えない行為だが、我が強く自分の意思を突き通すDomらしい行動でもある。
Subや気の弱い人からすればそれは、理解できない行為ではあるが、時に憧れる行為でもある。
「やっぱり力也でもダメか~」
「なにが?」
「できればSubもSub側も沢山来て欲しいんだよ。一般的にやるお披露目式ってどうしてもDom側が盛り上がってダメな風に傾きがちなんだよ。こう一般的に絶対受け入れられない系とか」
「あー、お披露目ってそういうとこあるよな」
力也も冬真が言ったものでなければそう言う物を想像しただろう。何といっても、ご主人様の所有物として生きていくのを誓う場だ。こいつは俺の物だと強調するためにPlayめいたことをする可能性が高い。
「そう言うんじゃねぇんだよ! 俺たちがやるクレイム式ってのはSubを追い詰めるんじゃなくて、Domを追い詰め追い込むんだよ!」
(なんだって?)
思わずそんな疑問が浮くほどの言葉だった。冬真の言葉の節々から、Subが不安になるような要素はないと思っていたが、どうやら覚悟を決めないといけないのはDomらしい。
「俺的には水責めもやってもいいけど、お前嫌がりそうだし」
「水責め?」
安心していたら、Playっぽい内容を出されてしまった。水責めというと水をかけられるか、顔を沈められるのを思いつく。忠誠を示すと言うのならそう言うのもあるかもしれない。
冬真相手ならそこまで大変なことにはならないだろうし、儀式の一つとしてなら別にやってもいいとは思う。幸い、息を止めるのも慣れているし。
「俺はいいけど」
「マジ!? お前暴れねぇ?」
「息止めるぐらいならできるし」
まさかここまで来て抵抗を気にしていたのかと思い、驚きながらも頷けば冬真はきょとんとした表情へ変わった。
「いや、水責めされるの俺だけど」
「……無理!」
冬真から発せられた予想外のことに、即座に前言撤回した。なにをされるにしても、見ていてやめろと暴れたくなるほどの事をするということだろう。いくら冬真の望みでも、大人しく耐えられる気がしない。
「いいって言ったじゃん」
「それは俺がされる物だと思ってから! 大体水責めってなにするんだよ!?」
「この時期だと、Dom側とSubの味方側から水ぶっかけられて外に放り出すとか」
「風邪ひくだろ!」
「すげぇ寒そうだよな」
わかっているのに、なぜやりたがるのかがわからない。
力也は自分がやられる側ならやってもいいと思っていたくせに、ありえないとしか思えなかった。
渋っていたのはそういうことなのろう、Subならば自分が辛い目に合うなら我慢できるが、ご主人様が辛い目に合うのを我慢できるはずがない。
「お前以外のSubなら抑えてってのもありなんだけど、お前の場合抑えきれないからな」
高ランクで体力的にも強い力也ならば、Domたちが抑えても暴れてしまう。例え縛っても関節を外して無理やり抜ける可能性まである。
「そこまでしてやる必要もないだろ」
「そうなんだよな。やると大体Sub泣いちゃうし、別にSubを泣かせたくてやってるわけじゃねぇし、可愛そうだし」
「そっちかよ」
じゃあなぜそんなことをそもそもし始めたのか、ビールかけのような洗礼的なものなのかはわからないが、絶対止めて欲しい。
今までそれを見せられたSub達には同情しかない。
「余興の一つなのに」
「他の余興考えてください」
「そうなると、Domにパイ投げとか」
「そこから離れて」
パイ投げならまだマシな気もするが、先ほどの内容からただのパイ投げだとは思えず、力也は却下した。因みにその予想は当たっており、パイ投げとは言っても実際は、Domがパイを近距離から顔面にぶつけられるだけの、お笑いでしか見ないような内容だ。
「とにかく、そういう俺が助けに入りたくなるようなのはダメ」
「わかった。お前が無茶して怪我したらやだし、やらねぇよ」
どうやら諦めてくれたらしいと力也は一息ついた。
「大体なんでそんなのあんだよ。おかしいだろ」
大事な人がそんなことやられるのをおかしいと思うならば、自分がやられる側でもおかしいと思うものだろうが力也は首を傾げるだけだった。割と強気な力也であってもSubは耐える物だと思っている節がある。
対等どころかSubを上に置いてもいいと思っている冬真にとってそれは歯がゆくもあった。
「お前、自分がやるならいいとか言ってたくせによく言えるな」
(まあ、そう簡単には変わらないよな)
呆れたような呟きも気にすることもなく、食事を再開する力也の様子に冬真はため息交じりの苦笑を浮かべた。
「やっべ、入らない」
「残りは俺が持って帰るから」
「え? 泊ってくんだろ?」
「泊ってくんだっけか?」
当たり前のように言われ、思わず突っ込むのを忘れ聞き返してしまった。それでも聞き返された冬真は何を言っているのかという表情を浮かべている。
「……あ、そうだった、今日は泊まってけ」
「いうの忘れてたろ!」
一瞬の沈黙のあと明らかに今気づいたと言うように言われ、流石に突っ込んだ。どうやら冬真の中では勝手に決定していたことだったらしい。肝心なことは言うくせに、こういうとこは勝手だ。断られるわけがないと確信しているからだとはわかっているが。
「今日は帰したくない」
快い返事を聞けなかったからか、ぎゅっと抱きしめドラマでよく聞くような甘いセリフを言われる。
「今日は?」
「今日も」
それだけで既に帰る気はなくなっていたが、言わなかったお返しとばかりに尋ねれば、スリスリと顔をこすり付けるようにしながら言いなおされてしまう。
「それでも帰るって言ったら?」
「ついてく、段ボール持って」
今日はこのまま、一緒にいると強い主張を向けられてしまえば、もう一人での帰宅は諦めるしかない。仕方ないとも思うが、やはり嬉しくもある。こんな事だけで胸がときめくのが恥ずかしく、冬真の背に手を回しながらそれでも気になったことを尋ね返す。
「段ボール?」
「うん、使いたいのあるから」
その言葉にどの段ボールを指しているのかわかり、思わず体を離すと人をいじめる時のDom特有の悪い笑みを浮かべられる。ゾワゾワとした鳥肌のような感覚が身を駆け上がる。
「なにか知りたい?」
「……知りたい」
「教えない」
「意地悪」
教えてくれるとは思っていなかったが、やはりそう返されてしまい、軽く睨めば楽しそうに笑い返された。
「沢山かわいがってやるから」
そう言うと、タグへ愛を誓うようにそっと唇を寄せる。触れるだけのキスをした冬真は力也を見上げた。
「返事は?」
「よろしくお願いします」
その紳士的な仕草とかけ離れた内容だろうとわかっているが、どんな内容だろうと冬真から与えられる物なら期待してしまう自分がいた。
「いいこ」
握っていたタグを力強く引かれ、キスをされる。舌を差し込まれ、絡められ、それだけで力が抜けていく。
挑むようでいて楽しそうな瞳は、熱を帯び、逃げることを許さないと力也を雁字搦めにした。
ウットリとした視線を受け、冬真は慈愛をこめた微笑みを返すと、口内を散々味わい口を離した。
「じゃあ飯でも食べるか」
「え?」
「腹減ってんだろ」
せっかくその気になっていたのに、お預けを受け戸惑いの表情を浮かべるも、そう言われればあっさり空腹に陥る。結局、それを認めるしかなく力也はその確信犯を睨んだ。
「減ってる」
冬真は不満そうなまま、望む答えを返してきた力也の頭を、子供をなだめるかのようにポンポンと叩いた。
テーブルを前に座る二人の前には、さきほどコ●トコで買ってきた寿司のパックがある。手づかみで食べられるそれはもちろん、冬真が選んだものだ。
「で、どうなったんだ?」
「一応、あのじいちゃん先生がクレイム式来てくれるって」
「一人だけ?」
「一人で充分だろ。俺にプレッシャーかけにくるだけなんだから」
「プレッシャー」
お祝にきてくれるものだと思っていた力也はその返事に、思わず繰り返した。どうも、どんな感じなのかいまいちわからない。
「これで、冬真の方はご家族と伯父さんたちと、友達とパートナーと、先生と仕事関係?」
「力也の方は、孝仁さんたちと氷室さんと社長と神月監督たちだろ? 友達とかは?」
「うーん、呼んでもいいんだけど、なんかDom多そうだからどうかなって」
「Sub仲間か、会場ではグレア禁止すれば平気じゃないのか?」
「それってあり?」
「ありあり」
クレイム式なのだから、グレアやコマンドを使う物だと思っていたらそうでもないらしい。元々、多くのSub仲間とのつながりのある力也だが、それでも呼びたいというより、会って話したいだけだ。
下手に緊張させてしまい、無理して付き合ってもらうのも気が引ける。
「でもな~」
「じゃあ、途中で帰っていいってことにすれば?」
「それで本当に帰るのはDomだけだと思う」
「ダメか」
パートナーに呼び出されたりしない限り、Subならどんなに居心地悪くてもその場に残るだろう。それとは対照的にDomならば誰に許可をもらってなくても、勝手に来て勝手に帰る。
自分勝手としか言えない行為だが、我が強く自分の意思を突き通すDomらしい行動でもある。
Subや気の弱い人からすればそれは、理解できない行為ではあるが、時に憧れる行為でもある。
「やっぱり力也でもダメか~」
「なにが?」
「できればSubもSub側も沢山来て欲しいんだよ。一般的にやるお披露目式ってどうしてもDom側が盛り上がってダメな風に傾きがちなんだよ。こう一般的に絶対受け入れられない系とか」
「あー、お披露目ってそういうとこあるよな」
力也も冬真が言ったものでなければそう言う物を想像しただろう。何といっても、ご主人様の所有物として生きていくのを誓う場だ。こいつは俺の物だと強調するためにPlayめいたことをする可能性が高い。
「そう言うんじゃねぇんだよ! 俺たちがやるクレイム式ってのはSubを追い詰めるんじゃなくて、Domを追い詰め追い込むんだよ!」
(なんだって?)
思わずそんな疑問が浮くほどの言葉だった。冬真の言葉の節々から、Subが不安になるような要素はないと思っていたが、どうやら覚悟を決めないといけないのはDomらしい。
「俺的には水責めもやってもいいけど、お前嫌がりそうだし」
「水責め?」
安心していたら、Playっぽい内容を出されてしまった。水責めというと水をかけられるか、顔を沈められるのを思いつく。忠誠を示すと言うのならそう言うのもあるかもしれない。
冬真相手ならそこまで大変なことにはならないだろうし、儀式の一つとしてなら別にやってもいいとは思う。幸い、息を止めるのも慣れているし。
「俺はいいけど」
「マジ!? お前暴れねぇ?」
「息止めるぐらいならできるし」
まさかここまで来て抵抗を気にしていたのかと思い、驚きながらも頷けば冬真はきょとんとした表情へ変わった。
「いや、水責めされるの俺だけど」
「……無理!」
冬真から発せられた予想外のことに、即座に前言撤回した。なにをされるにしても、見ていてやめろと暴れたくなるほどの事をするということだろう。いくら冬真の望みでも、大人しく耐えられる気がしない。
「いいって言ったじゃん」
「それは俺がされる物だと思ってから! 大体水責めってなにするんだよ!?」
「この時期だと、Dom側とSubの味方側から水ぶっかけられて外に放り出すとか」
「風邪ひくだろ!」
「すげぇ寒そうだよな」
わかっているのに、なぜやりたがるのかがわからない。
力也は自分がやられる側ならやってもいいと思っていたくせに、ありえないとしか思えなかった。
渋っていたのはそういうことなのろう、Subならば自分が辛い目に合うなら我慢できるが、ご主人様が辛い目に合うのを我慢できるはずがない。
「お前以外のSubなら抑えてってのもありなんだけど、お前の場合抑えきれないからな」
高ランクで体力的にも強い力也ならば、Domたちが抑えても暴れてしまう。例え縛っても関節を外して無理やり抜ける可能性まである。
「そこまでしてやる必要もないだろ」
「そうなんだよな。やると大体Sub泣いちゃうし、別にSubを泣かせたくてやってるわけじゃねぇし、可愛そうだし」
「そっちかよ」
じゃあなぜそんなことをそもそもし始めたのか、ビールかけのような洗礼的なものなのかはわからないが、絶対止めて欲しい。
今までそれを見せられたSub達には同情しかない。
「余興の一つなのに」
「他の余興考えてください」
「そうなると、Domにパイ投げとか」
「そこから離れて」
パイ投げならまだマシな気もするが、先ほどの内容からただのパイ投げだとは思えず、力也は却下した。因みにその予想は当たっており、パイ投げとは言っても実際は、Domがパイを近距離から顔面にぶつけられるだけの、お笑いでしか見ないような内容だ。
「とにかく、そういう俺が助けに入りたくなるようなのはダメ」
「わかった。お前が無茶して怪我したらやだし、やらねぇよ」
どうやら諦めてくれたらしいと力也は一息ついた。
「大体なんでそんなのあんだよ。おかしいだろ」
大事な人がそんなことやられるのをおかしいと思うならば、自分がやられる側でもおかしいと思うものだろうが力也は首を傾げるだけだった。割と強気な力也であってもSubは耐える物だと思っている節がある。
対等どころかSubを上に置いてもいいと思っている冬真にとってそれは歯がゆくもあった。
「お前、自分がやるならいいとか言ってたくせによく言えるな」
(まあ、そう簡単には変わらないよな)
呆れたような呟きも気にすることもなく、食事を再開する力也の様子に冬真はため息交じりの苦笑を浮かべた。
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