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第二十話【【望みのまま】】中

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「とう…ま?」
「あ、悪い悪い60だよな」

 つい止まってしまったカウントを促され、確認すれば、コクリと力也はうなづいた。そうしてまた、カウントに合わせて屈伸を再開する。
 少しのいたずら心がでてきて、冬真は腰を下ろした瞬間を狙い、今まで入れていなかったバイブのスイッチをMAXにした。

「んんんっ!!」

 その瞬間、力也の体がビクビクと震え、立ち上がったままの性器から精液が噴出した。勢いよく達したものの、まだ内部を荒らすバイブに敏感になったところをさらに刺激され、激しい呼吸を繰り返しながら、音を立て引き抜いた。

「ふーふー…とうま~」
「ごめん、ごめん、スイッチ入れるの忘れてたから」

 いっそ恨みがましいといった目を向けられ、冬真はそれでも可笑しそうに笑うだけだった。

「ほら、続けて続けて」
「冬真性格悪い」
「だって俺Domだし」

 音を立てながら、うねるバイブを見下ろしていた力也を急かせば、明らかな苦情が返ってきた。この状況で言われてもなんの迫力もなく、冬真からすれば力也のこの遠慮のない態度も好ましいとしか思えない。今更だという意味を込めて返した言葉に、力也はまるで不満げな動物のようなうなり声をあげると、また腰を落とした。
 その後も、何度か達した力也は、散々自分の出した物が冬真の手を濡らしているのを見てギョッとした顔になった。すでに、何度も繰り返し達している所為で性器からはとめどなく精液が流れ、ついにはバイブを伝いローションだけではない水たまりが冬真の手の下にできている。

「ラスト5回195」
「はぁっ…あっうっ…」
「196」
「っ…はっ…はっ…」

 汗と精液で濡れ、滑りやすくなっている床に足を取られないように、しっかりと体重をかけている所為で刺激はどんどん強くなっていた。かつてスクワットでこんなに疲れることがあっただろうかと思えるほどにガクガクと震える足を奮い立たせ、腰を落とした。

「ラスト200!」
「…あ、あ゛ぁぁぁ!!」

 最後のカウントに合わせて腰を落とした瞬間を狙い、冬真が両手にしていたバイブを奥深くに突っ込んだ。その瞬間何度目かもわからない絶頂へと達し、力也の腰はそのまま崩れた。

「はっあっ!!」

 崩れたまま、床へと腰が付き勢いよくさらに深くにバイブが入り込む。ひと際大きな声を上げた力也の性器から、白濁とは違うものが勢いよく噴出した。

「潮吹いちゃうぐらいよかった?」
「はぁっ…不意…打ち…するからぁ…」
「力也すげぇかわいいんだもん。いたずらしないとか無理」

 尚も内部を荒らす、バイブに責められ止まらない快感と戦う力也を見ながら、立ち上がった冬真は軽くその頭に手を置きポンポンとなだめた後後ろへと回った。

「今度は動かなくていいから」
「ちょっ…まっ!」
「待てない」

 そういうと、冬真は頭に置いていた手を後ろへと回し、そのまま床へと押し付けた。ビチャッと音とともに、力也が出した物がその顔を汚す。
 それでも動き続けていたバイブを抜き取ると、ぐちゃぐちゃになったそこへと自らの性器を勢いよく突き刺した。

「はぁっ!!」
「エロ…」

 片手で頭をしっかりと押さえつけ、もう片方の手で拘束した両手をつかむ、抵抗などできないその様子は傍から見れば強姦にしかみえないだろう。
 強く腰を打ち付けるごとに、力也の顔は床を滑り自らの出した物が顔だけじゃなく髪にまで汚していく。落ち着くことなどできず、精液と塩を吐き出し続ける性器は、押さえつけられている所為で床にこすりつけられ更に快感を呼ぶ。
 余すところなく、欲で汚れた力也の内部へと冬真はたまっていた精を吐き出した。

「力也、一番奥までいれたい」
「は…あ…」
「いい?」
「……」

 何度目かの精を吐き出し、これで最後とばかりに、快感に完全に支配されている力也へと確認すればその首は落ちるようにコクリとうなずいた。

「ありがとう」

 その首筋へと何度かキスを落とし、最奥へと押し開けるように性器を進める。グポッと音が聞こえそうなほど奥へと届き、力也の体が小刻みに震える。

「力也、受け取れ」
「あ゛ぁっぁ…!!」

 最奥へと精を吐き出し、性器を抜き出せば力也の体がガクッと崩れた。
 力也はまるで、頭の中で何かがはじけたような強い快感を感じ、その瞬間足に力が入らなくなり、グシャッと音を立てて崩れた。視界はチカチカとし、呼吸は落ち着かない。
 中へと出された精液は、秘部からあふれだし、その感覚にも快感を感じ自らの性器は精を吐き出すことなく、何もださないまま繰り返し達していた。

「飛んじゃったか」

 その様子に、冬真は拘束具を外すと力也の前へと回りその手を自分の背中に回させた。そうして、少し体を起こさせだきしめ背中を軽くあやすように叩く。

「どうどう、ゆっくり深呼吸しような?」

 力也の呼吸を誘導するかのように、一定のリズムで背中をポンポンと軽く叩く。触れ合う体越しにドクドクと強い音を立てる心臓音を感じつつ、その呼吸が、意識が落ち着くのを待つ。どのぐらいたっただろうか、やがて心臓音も呼吸も落ち着いてきたのがわかり、もう大丈夫かと顔を放せば、今度はトロンとした満ちたりた笑みを浮かべる力也と目が合った。

「あー今度はサブスぺに入ちゃったか」

 いろんな液で汚れた頭をなで、どうするかと考える。もう少し落ち着くまで待ってもいいけど、すでに時刻は日付を跨いでいる。そろそろ寝ないと午後からの撮影にひびいてしまうだろう。
 冬真は怒られるだけだが、力也の場合ちょっとした疲労でも危険が伴う。

「力也、風呂行きたいんだけど立てるか?UP」【立て】 

 できることなら抱き上げて運びたいのだが、ただでさえ自分より体重があり、更に力がまともに入らない力也を持ち上げるなどできるはずもない。しかたなく、肩を貸すようにしながら聞けばうなずかれた。

「はい」

 そういうと、力也は予想外にしっかりとした足取りで立ちあがった。まだまだサブスペースからは帰ってきてはいないだろうが、コマンドに反応し冬真の肩へ手を置き立つ。

「よし、風呂行こう。力也、GO」【歩け】

 床に足を取られ転ぶことのないように、気を付けながら風呂まで誘導していった。

 力也がサブスペースから帰ってきたのは、未知の感触と聞き飽きたほどのその音を聞いた時だった。

「…え?冬真!?」
「んぁ?やっと帰ってきたか。おかえり」

 浴槽の縁へと腰掛けた力也の性器を舐めていた冬真は、やっと焦点があったことに笑った。
 風呂について、先ほど言っていたフェラをしようと思った冬真は、力也を風呂の縁へと座らせ、しっかりと座っていられるかを確認し念のためStay“待て”を言い渡し、その場にしゃがんだ。そうしておいて、陰毛がほとんど生えていない力也の性器へと舌を這わせた。
 それでもなかなかサブスペースから戻ってこない力也の性器をしばらく舐めていたのだが、やっと気づいた力也は状況に気づき引きつった顔を浮かべていた。

「な、なにやって…」
「何ってフェラ、さっきやるって言っただろ?」
「言ったけど!汚れてんだろ!」

 きれいに洗ってあったはずの性器は見る影もないほど、ぐちゃぐちゃに汚れなんの液かわからないものに覆われていた。

「いいじゃん。せっかくだし」
「よくないって!」
「往生際が悪いな、とにかく危ないから暴れるなよ」

 そういうと、躊躇なくしっかりとくわえこんだ。しょっぱさと苦みを含んだ味のする力也の性器を軽く吸えば、ピクピクと震える。
 ゆっくりストロークすれば、力也の息があがる。声がでそうになるのをこらえているような力也の手をそっとつかみ、自分の頭の後ろへと移動させる。

「な、なに?」
「ひぃはら…」【イマラ】

 いつも俺がやってるように、やってみろと指示すれば力也の顔が引きつった。両手をつかまれ動けないままに、首を左右に振る。

「ほぅら…こう」

 冬真の頭に置かれた両手を放さないように握られ、必死に抵抗しようとするのに、動かすこともできずに、更には誘導するように両手を動かされた。冬真の口内深くに自分の性器が入っていく様子に、力也の瞳に涙が浮かぶ。

(すげっ、こんな顔初めて見た)

「とぅまぁ…」
「やぁれ」

 この状況でだすのは違和感のある強い強制力のあるグレアと、命令に力也の体がガタガタと震えた。無理かと思った瞬間、強く頭をつかまれ喉の奥深く性器が入り込む。

「ぐぇっ、げほっ…」

 二度、三度、動かされ苦し気に冬真が呻いた。その声に、力也の手が止まり、口から限界を告げる言葉が飛び出した。
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