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第六話【諦め】前
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やってしまった。それだけしか思い浮かばない、自宅にたどり着くころには既に日付は変わっていて、俺はベッドに寝っ転がり頭を抱えた。
「ヤっちゃった」
しばらくはそこまでするつもりはなかったのに、あんなことになってしまった。
失敗したのは自己責任だけど、それでもあの時に戻れたらリモコンのことを気を付けるように言いたい。
それでも、冬真の【DPV】じゃなきゃ耐えきれただろう。目の前にいるDomにコントロースを渡していたから、抵抗することができなかった。
確かにセックス自体はすごい気持ちよかった。コマンドもいつもと違い脳内に直接響いてきた。
ほわほわとした頭で感じる体温に包まれ、まるでお湯に浮かんでいるかのようだった。
嬉しくて、気持ちよくて、暖かい、幸せでなにも考えられなかった。
「サブスぺとか何年ぶりだよ」
記憶にあるのはずっと昔、Subとして目覚めたばかりで混乱していたときカウンセラーのDomに慰められた時。
撫でられる暖かさも、抱きしめられる感触も未だに覚えている。
あの時は気づかなかったけど、あれが初めてのサブスペースでSubとして生きていくことを受け入れた瞬間でもあった。
そこからはご主人様を探す生活だった。幼い頃はまだよかった、人の反応を見てしまう癖はあったけど、幼いからの無邪気な反応は同級生のDom達に気に入られた。
でも、それは長くは続かなかった。人より成長の早かったから、同級生たちよりも早く大きくなった。
大体、最初はいいんだ。自分よりも体格のいい見た目のSubを思うまま動かすのはDomの自尊心をくすぐるらしく、多少過激なPlayだったが欲を満たすことが出来た。
でも、それは大抵長く続くことはない。付き合ってくれていたDom達は“つまんない”と皆口をそろえて言う。自分みたいなタイプのSubは反抗してこそ楽しいらしく、素直に従っていると手放されるのだ。
だからと言ってコマンド中に演技するのも難しく、反応をみて合わせるぐらいならいいけど反抗し続けるのも難しい。
それでも、手放されるのは嫌で、色々な方法を試し、相手の反応をみて喜ぶことを考えていた。
そうして色々していくうちにどんどんよくわからなくなって、気づけば日和見と言われるほどになっていた。
見た目も庇護欲もそそらない、日和見のSubなど相手にされるわけもなく、なかなか相手は見つからなくなった。
俺はそのPlay不足のブランクを【DPV】で埋めていた。
「あー、楽しかったのに」
一度体を許すとそれも大丈夫なのかと思われただろう。なら次は多分そっちばっかりのセフレになり、そして程なく飽きる。試してみたいことが終わればそれっきだろう。
しかも、今回の相手はAV男優として働いていたのだから、大抵のことはやりつくしているだろうし、可愛い反応するSub達みたいな反応をできないから飽きるのも早いだろう。
「あれ、渡さなきゃよかった」
Domの人たちからもらった名刺を奪われた時にはまあいいかと思っていたけど、やっぱり阻止するべきだった。
長続きしなくとも、あれだけあればしばらくは大丈夫だろうに。
返してもらおうにももう捨てられているかもしれない。
「今度聞いてみるか」
普通に考えたら確実に怒られるだろう内容が思いつく。
「お仕置きかな」
予想できる展開に、脳内に浮かぶのはビデオでみたお仕置きPlayや他のDom達にされたお仕置きの内容。
「あいつのお仕置きってどんなのかな…」
多少の激しいお仕置きも持ち前の持久力と鍛えられた体で耐えきってしまうし、恥ずかしい内容も案外平気だから、恐怖に感じることはなく、午後からの撮影に向け適当に想像しながら眠りについた。
「ヤっちゃった」
しばらくはそこまでするつもりはなかったのに、あんなことになってしまった。
失敗したのは自己責任だけど、それでもあの時に戻れたらリモコンのことを気を付けるように言いたい。
それでも、冬真の【DPV】じゃなきゃ耐えきれただろう。目の前にいるDomにコントロースを渡していたから、抵抗することができなかった。
確かにセックス自体はすごい気持ちよかった。コマンドもいつもと違い脳内に直接響いてきた。
ほわほわとした頭で感じる体温に包まれ、まるでお湯に浮かんでいるかのようだった。
嬉しくて、気持ちよくて、暖かい、幸せでなにも考えられなかった。
「サブスぺとか何年ぶりだよ」
記憶にあるのはずっと昔、Subとして目覚めたばかりで混乱していたときカウンセラーのDomに慰められた時。
撫でられる暖かさも、抱きしめられる感触も未だに覚えている。
あの時は気づかなかったけど、あれが初めてのサブスペースでSubとして生きていくことを受け入れた瞬間でもあった。
そこからはご主人様を探す生活だった。幼い頃はまだよかった、人の反応を見てしまう癖はあったけど、幼いからの無邪気な反応は同級生のDom達に気に入られた。
でも、それは長くは続かなかった。人より成長の早かったから、同級生たちよりも早く大きくなった。
大体、最初はいいんだ。自分よりも体格のいい見た目のSubを思うまま動かすのはDomの自尊心をくすぐるらしく、多少過激なPlayだったが欲を満たすことが出来た。
でも、それは大抵長く続くことはない。付き合ってくれていたDom達は“つまんない”と皆口をそろえて言う。自分みたいなタイプのSubは反抗してこそ楽しいらしく、素直に従っていると手放されるのだ。
だからと言ってコマンド中に演技するのも難しく、反応をみて合わせるぐらいならいいけど反抗し続けるのも難しい。
それでも、手放されるのは嫌で、色々な方法を試し、相手の反応をみて喜ぶことを考えていた。
そうして色々していくうちにどんどんよくわからなくなって、気づけば日和見と言われるほどになっていた。
見た目も庇護欲もそそらない、日和見のSubなど相手にされるわけもなく、なかなか相手は見つからなくなった。
俺はそのPlay不足のブランクを【DPV】で埋めていた。
「あー、楽しかったのに」
一度体を許すとそれも大丈夫なのかと思われただろう。なら次は多分そっちばっかりのセフレになり、そして程なく飽きる。試してみたいことが終わればそれっきだろう。
しかも、今回の相手はAV男優として働いていたのだから、大抵のことはやりつくしているだろうし、可愛い反応するSub達みたいな反応をできないから飽きるのも早いだろう。
「あれ、渡さなきゃよかった」
Domの人たちからもらった名刺を奪われた時にはまあいいかと思っていたけど、やっぱり阻止するべきだった。
長続きしなくとも、あれだけあればしばらくは大丈夫だろうに。
返してもらおうにももう捨てられているかもしれない。
「今度聞いてみるか」
普通に考えたら確実に怒られるだろう内容が思いつく。
「お仕置きかな」
予想できる展開に、脳内に浮かぶのはビデオでみたお仕置きPlayや他のDom達にされたお仕置きの内容。
「あいつのお仕置きってどんなのかな…」
多少の激しいお仕置きも持ち前の持久力と鍛えられた体で耐えきってしまうし、恥ずかしい内容も案外平気だから、恐怖に感じることはなく、午後からの撮影に向け適当に想像しながら眠りについた。
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