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しおりを挟む「そう。足は肩幅。上半身だけ左に捻る。目線は綺悧の前辺り」
これ結構キツいな。今回の衣装、ピンヒールじゃなくて良かった。ピンヒールだったら、ひっくり返るわ。
「ああ、そうだ。お前は指示があるまでそのままでいい」
視界から宵闇が消える。自分の立ち位置に行ったんだな。
「お願いします」
シャッター音が響き始める。俺以外は少しずつ動いてるんだろうけど、全部背後だから状況がわからない。
「夕、顔を正面。顎引いて、目線だけ上だ」
宵闇の指示を受けて、その通りにする。くっそ、顎上がって来てたのバレたか。シャッター音は続く。
「夕。右腕上げて。肘は90度。掌を上向き。落ちてくる物を受け止める感じだ」
「それ、重いのか? 軽いのか?」
「軽い」
背後の礼華が吹き出した。
「重さって」
「いや、重さで違うだろ、受け止めるったって」
「確かにね」
「じゃあ、10円玉だと思え。掌はおでこの高さ。で、指先を見ろ」
どうせなら500円玉にして欲しい。やってみると、ちょっと顎が上がる。
「顎上がるけど」
「今は許すからやれ」
「へい」
うーん、意味は全然わからんな。シャッター音は、雨みたいに降り注いで止まらない。
「綺悧は自分の両肩を抱く」
「はい」
宵闇の指示がそれぞれにどんどん飛ぶ。俺以外は、それほど細かい指示はない。流石慣れてるな。いつ自分が呼ばれるかわからないから、耳は宵闇の声に集中させる。気が抜けない。
「夕、体を左斜め45度。左足は一歩前。右足は後ろに引いて背中を少しだけ反らせ」
これをキープすんのはしんどいぞ。モデルって結構体力勝負だな。
「右手を額に。カメラの上を見ろ」
「お、う」
その姿勢をそのまま固定。手の位置や目線を何度か指示通りに変える。ちょっとした筋トレだぞこれ。
「夕。今度は礼華の方に体を向けろ」
「逆向きな」
「足は肩幅より広め。右足の爪先は正面」
段々ツイスターやってるような気がしてきた。やったことねぇけど。
「右肩下げて、ちょっと仰け反る。顎上げていい」
「顎顎ってなぁ」
「目線は右後ろ床」
これはかなり苦しい。ん? このポーズ、何か覚えがあるぞ。
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