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第二十二話:お姉さまへ ‐マリー視点
しおりを挟む拝啓、いかがお過ごしですか?
マホ様の家出に付き合い、ビアナ国のウータイにいます。明日にはこの地を離れるのでもしこの手紙が他のものに渡ったとしても居場所が知られることはないので、急ぎペンを取りました。
私は外国に来たのは生まれて初めてです。正直不安でいっぱいでした。ですがマホ様にその事を気づかれるわけにはいきません。侍女としてのプライドです。船の手配をしたときはドキドキものでした。
初めての船の旅。服装で失敗しましたが、今では笑い話になってます。
そして船旅というのがこれほど楽しいとは思ってませんでした。船の上から眺める海は格別です。朝日も夕日も普段見ているのとは全く違うのです。私は一生この光景を忘れることはないでしょう。マホ様もとても喜んでおられました。
さて、このビアナ国ウータイで食べたウータイ焼きの話をしましょう。私が生まれてきて食べたものの中で1番です。お姉さまにも食べてもらいたいです。
え? どういう風に美味しいかって? 説明はとても難しいです。マホ様はソースが全てを決めると言ってますが、この丸い形も今まで見たことのないものです。いつかきっと食べに来ましょうね。
とりとめのないことばかりですみません。私も初めてのことばかりで舞い上がっているのでしょう。お姉さまに話したいことがまだまだたくさんあるのです。
ですが危険をおかしてまで私が手紙を書いたのにはわけがあります。
あの日、イラス様はプロポーズをして、マホ様が承諾してくれたと嬉しそうに私たちに報告されました。お姉さまも覚えてる事でしょう。
ですがマホ様はプロポーズされた事に全く気づいてません。少しだけ詳しく聞いたのですが、私も勇者様も呆れて言葉が出ませんでした。ここで私が、真実を話していいのか判断出来なかったのでマホ様には何も言ってません。
イラス様には再度のプロポーズを要求したいと思います。本人にわかるようにはっきりと明確に!!
お姉さまもイラス様から真相を聞いてみてください。きっとお怒りになられると思います。
マホ様が狙われてる状態で、もしかしたらもう会えないかもしれませんが、万が一の時は私の命にかえてもマホ様をお守りします。私はマホ様の侍女なのですから。
ではイラス様によろしくお伝えください。
――双子の妹マリーより
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