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18歳になったよ!
私のゲージは…
しおりを挟む「キャー!!こっち向いてー」
「愛し子様ーー」
「精霊の加護を―!!」
「私に仕えさせてくださーい!!」
「愛してまーす!」
馬車に乗りながら、声援?を聞いているルーチェフルールさんです。
因みにこの馬車、オープンですよ?オープンカー!
え?オープンカーの意味が違う?
…馬車って車だよね?馬が引く。
だからカーの括りに入らないの?違うの?(大真面目)
それにしても…いやぁ人気ですなぁ~。
てか、愛し子発表、二日前にされたのに人気過ぎない?
馬車の速度が緩やか→まったりになっておりますが?
てか、自分が手を振る立場になってから分かった。皇室の方々はすごい。
因みに私は頭からすっぽりヴェールを被っているので、笑顔を作らなくては良い。
でもね、手を振るのが辛い!!肘置きを!誰か私に肘置きを下さい!!!
「…辛い」
ポソッと呟くよ…。
「ルーチェフルール…辛抱してくれ。これを使えば腕もましになるだろうから」
そう言いながら、背中にあったクッションの一つを渡してきた。
それにしてもですよ?
シリウスさんからちょっと殺気が出ているのですが?
左側がちょっと痛いです。
「シリウス?何かあった?」
「ん?どうかしたか?」
「いや、どうかしたか?はシリウスだよ。なんか殺気出てません?」
「…すまない。ちょっと不穏な言葉を聞いたのでな」
スッとさっきまで、チクチクしていた殺気が引く。
それよりも…不穏な言葉?むっちゃそっちのが、気になるんですが?!
え?それってこの声援の中でだよね?
ナニ?爆発とか起きる?襲撃再びとか?それとも暗殺?
でもここで暗殺とかされたら、世界が滅びないかな?
契約精霊さん達が嬉々としてやりそう…でも、世界がなくなったら精霊も意味がなくなるか!
いや…間違いなくエルタニン王国は滅びるな。
一人悶々と考える私にシリウスが話しかけてきた。
「いや、ルーチェフルールが思うような言葉ではない。ただ…私としては見過ごせない…と言った言葉だったのだ。気にしないでくれ」
ちょっと苦笑いしながらも言ってきた。
言って来たのだが、見過ごせない言葉で、冷気が出る言葉ってなんだよ?!
あんな温厚なシリウスがオコになるとか…。
言った人の今後が心配になる。
と言っても、この衆人環視の中で誰が言ったかなんてわからないと思うけど!
とにかく今はお仕事!
この永遠かも…と思えるような手を振る作業を、頑張ります!
…でも、この後の夜会は馬車と騎士と言う隔たりが無くなるから、もっともみくちゃにされるのでは?
イカン、カンガエタラ、ダメ。
* * *
「お疲れ~様!」
何だか独特な言い方だな、ルスよ。
ルスの言葉で、お菓子を食べてたり、昼寝を楽しんでいた皆が集まってくる。
いいよね、君たち呑気で。
「それで?皆は私に何か言うことがありませんか?」
黒ーい笑顔で問う。
「え?」
「なに?」
「言っておらなんだか?」
「なんのことじゃ?」
「さぁ?私には…」
「あー…たぶん?」
「握手会の事ですか?」
ルス・レイナ・プーロ・エーデル・ロート・リシェス・ロワの順で話しております。
そして、確実に最後の二名に関しては、心当たりがあるらしい。
…てか、ロワが確信犯だと思うんですが?
「ロワさん?ご説明を!」
「そうですねぇ…一言で言えば『私達も忙しかった』です」
「…」
「無言の圧は止めましょう、ルーチェ」
「いやいやいやい、忙しくても君達、私と四六時中共にいますよね?ちょっと私から離れて、ジルに説明聞くよりも、一緒に居る時間のが多いですよね?おかしくありません?」
「…面白そうだったので」
「……」
「そう、怒らないでください。パレードはいきませんでしたが、この後の夜会には皆で参加します。しかも面倒事になる精霊の姿で」
ロワの言葉で他の皆が一斉にしかめっ面になる。
何故に?
「あー…ルーチェはどこまで聞いた?」
「夜会の事?」
「そうだ」
「えっと…会場に入ったら皆の挨拶を受けて、ファーストダンスをシリウスと踊る…ってのは聞いた」
「まぁ、概ねはあってますね」
「そうだな。正確には招待されている面々が厄介なんだよ」
「と、言いますと?」
「まず神殿の上層部。次に各国の王族か代表貴族。それから、火の最高位精霊とその契約者…などなどってとこだな。俺達は精霊だから、神殿の上層部に追い回されるのは必然だ」
「へー、愛し子が来るんだ!初耳」
「そりゃそうだ。フェアトラ…火の最高位精霊な。その契約者は今回は表向き、お忍びなんだよ。なんでもエルタニンの愛し子が見たい!って我儘で来たらしい。てか、俺達のことは?」
「それに私達、契約精霊も見たい…そうですよ?絡まれることこの上ないと思いませんか?」
「まぁ…確かに?でも、見たい!ってだけでしょ?他に何かあるの?」
「そりゃな、自国の愛し子が他の最高位精霊に見初められるかも!って思ってる奴らが居るってことだよ。ルーチェ、リシェスに返事してやれよ」
なんだか一杯の思惑を帯びた言葉を放ちつつ、ジルが部屋へ入って来た。
「第一声がそんなドロドロした話ですか?そして、精霊たちは自業自得です」
「いや、知っていて欲しくて。それからお疲れさん。さらにガンバレ!」
…コイツ、はっ倒すか?
最近のジルはイラっとするわぁ~。
「落ち着けルーチェ!その拳を諫めるんだ!」
「ねぇ?おちょくってる?」
「…いや、これから起こるであろうことを考えると、今のうちに怒っておいた方が良いかと思ってな」
「どういうこと?このイラっとすること以上があるの?カルシウムを早急に摂取した方がいい?」
「ルーチェ、今からカルシウムを取っても直ぐには吸収されませんよ」
そんなことは分かっとるわ!
「まぁ、落ち着け。その、来る愛し子なんだが…シリウスが好きなんだよ」
「そうか。シリウス、イケメンだもんね」
「…それでいいのか?」
「何が?」
「…まぁ、取り敢えずルーチェはいいか。それよりも、こっちのがイヤな思いをすると思う」
なんだか勿体付けた言い方をするなぁ~ジルは。
仕方がない!待ってやろう!!
「……ハイラントの貴族が来る」
その言葉に、目の前が真っ暗になった。
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