【完結】愛しのあなたのためならば〜最期に贈る、一万文字の手紙〜

ある日、彼女は突然現れた。


まるで、海の妖精のように。


初対面のはずなのに、彼女は言った。


「久しぶりね……朔」


と。





彼女と過ごしていく中で、俺はあることに気がついた。



彼女は笑わない。





彼女に笑って欲しい。


俺の隣にいて欲しい。


たまに見せる切ない表情を……


やめて欲しい。




俺が不安に思っている中、彼女はいつも


明るく学校生活を楽しんでいる。




この世で俺たちが当たり前だと思ってきたものに大袈裟な


反応をする彼女は、いったい何処からやってきたのか。






気づけば彼女と出会って一年。



俺の掌には数十枚の手紙が。





『──────。」



その1文から、


涙を流さずにはいられない、


この物語の真実が明かされる。





『朔。私、実は……』




彼女と過ごした一年間の裏にある、


残酷で切ない衝撃の事実。



彼女が“笑えなくなった”理由に、



俺は泣き崩れた。





今の今まで不快だと思っていたその音が、


今は鳴り止まないことを必死に願う。





『ただ、“あなた”に笑って欲しくて──』



果たして、彼らの結末は……




愛の美しさと儚さを知れる、



涙の青春物語。


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