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第74話 可哀そうだけど、仕方がない
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ライアン王子達と対面の所に立つザガード。
「では、決闘を行う前に宣誓を行ってもらう。ライアン王子側はこの決闘で勝った場合の願いを述べて下さい」
オベランがそう尋ねると、ライアンが前に出る。
「わたしが勝った場合は、リエリナ嬢が二度とカトリーヌ嬢に近付かない事だ!」
ライアンは観客席に座っているリエリナを指差す。
それを見たリエリナは笑顔を浮かべていた。
だが、よく見ると目が引きつっていた。
「そ、そうですか。では、リエリナ嬢はどんな願いか述べて下さい」
王子とは言え人を指差してはいけないと思いつつも、無視をして相手側の願いを聞く事にした。
オベランがそう言うのを聞いて、ザガードもどんな事を言うのだろうと思いリエリナを見る。
周りに居る者達もリエリナがどんな事を言うのか興味を持ち好奇に満ちた目で見た。
そんな好奇な目に晒されながらリエリナは立ち上がる。
立ち上がったリエリナは深く息を吸った。
「わたしが勝った場合は、貴方達全員、わたしとローザアリア様に土下座する事です」
「「「っ⁉」」」
リエリナの発言を聞いて、決闘場に居る者達は全員言葉を失った。
公爵令嬢とは言え一国の王子にそんな発言をする事に驚きのあまり何も言えなかったからだ。
言われたライアンは顔をヒクヒクさせた
ライアンと一緒に居る者達も、何でそんな事をしなければならないという顔をしていた。
「人数を揃えて来たのだから負ける気はないのでしょう? だったら大丈夫ですよ?」
リエリナが挑発的な笑みを浮かべる。
人数を揃えて負けるなんて恥辱なんだから一つくらい加えても問題ないでしょう。
そう言っている様であった。
「ぬうう・・・・・・良いだろう。その条件で決闘を行うとしよう」
無礼なと思いつつもそう挑発されては引く事が出来ないと思いライアンはリエリナが突き付けた条件を承諾した。
ライアンの承諾を聞いてリエリナは鼻で笑う。
「では、こちらももう一つ条件をつけてあります。ザガード」
「はっ」
「この者が殿下達五人を纏めて相手をしましょう」
リエリナの爆弾発言にまた場の空気が凍った。
幾らなんでもそれは無理ではと皆思ったからだ。
リエリナはザガードを見る。
「出来るわね」
ザガードは返答の代わりに持っている剣を抜いた。
その剣は良く見ると片刃であった、どうやら訓練用の剣は刀の様だ。
刀の刀身を横にして刀を持っている手で左胸を叩いた。
「我が忠誠と誇りに賭けて、御身に勝利を」
ザガードの勝利宣言を聞いて観客達は歓声で沸いた。
「では、決闘を行う前に宣誓を行ってもらう。ライアン王子側はこの決闘で勝った場合の願いを述べて下さい」
オベランがそう尋ねると、ライアンが前に出る。
「わたしが勝った場合は、リエリナ嬢が二度とカトリーヌ嬢に近付かない事だ!」
ライアンは観客席に座っているリエリナを指差す。
それを見たリエリナは笑顔を浮かべていた。
だが、よく見ると目が引きつっていた。
「そ、そうですか。では、リエリナ嬢はどんな願いか述べて下さい」
王子とは言え人を指差してはいけないと思いつつも、無視をして相手側の願いを聞く事にした。
オベランがそう言うのを聞いて、ザガードもどんな事を言うのだろうと思いリエリナを見る。
周りに居る者達もリエリナがどんな事を言うのか興味を持ち好奇に満ちた目で見た。
そんな好奇な目に晒されながらリエリナは立ち上がる。
立ち上がったリエリナは深く息を吸った。
「わたしが勝った場合は、貴方達全員、わたしとローザアリア様に土下座する事です」
「「「っ⁉」」」
リエリナの発言を聞いて、決闘場に居る者達は全員言葉を失った。
公爵令嬢とは言え一国の王子にそんな発言をする事に驚きのあまり何も言えなかったからだ。
言われたライアンは顔をヒクヒクさせた
ライアンと一緒に居る者達も、何でそんな事をしなければならないという顔をしていた。
「人数を揃えて来たのだから負ける気はないのでしょう? だったら大丈夫ですよ?」
リエリナが挑発的な笑みを浮かべる。
人数を揃えて負けるなんて恥辱なんだから一つくらい加えても問題ないでしょう。
そう言っている様であった。
「ぬうう・・・・・・良いだろう。その条件で決闘を行うとしよう」
無礼なと思いつつもそう挑発されては引く事が出来ないと思いライアンはリエリナが突き付けた条件を承諾した。
ライアンの承諾を聞いてリエリナは鼻で笑う。
「では、こちらももう一つ条件をつけてあります。ザガード」
「はっ」
「この者が殿下達五人を纏めて相手をしましょう」
リエリナの爆弾発言にまた場の空気が凍った。
幾らなんでもそれは無理ではと皆思ったからだ。
リエリナはザガードを見る。
「出来るわね」
ザガードは返答の代わりに持っている剣を抜いた。
その剣は良く見ると片刃であった、どうやら訓練用の剣は刀の様だ。
刀の刀身を横にして刀を持っている手で左胸を叩いた。
「我が忠誠と誇りに賭けて、御身に勝利を」
ザガードの勝利宣言を聞いて観客達は歓声で沸いた。
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